人材管理システムとは?種類、メリット、デメリット、導入事例、導入前のチェックポイント、システムの比較ポイントについて
人材管理システムとは?
HRtechがトレンドになって久しい昨今ですが、HRtechの最も一般的なシステムの一つが「人材管理システム」です。
人材管理システムとは、社員の業務に関する情報をデータベースの加工・蓄積することで一元管理し、人材管理を効率化するシステムのことです。
社内の様々なデータベースや、Excel、紙資料、人に分散している情報をシステムに統合することで、社員が社内人材の情報にいつでも自由にアクセスできるようになります。結果として、様々な業務が効率化されるという直接的効果や、人的交流が活発化する等の間接的効果が期待されます。
人材管理システムの種類は?
人材管理システムはその利用用途ごとに、主に4つの種類に大別されます。それぞれご紹介していきます。
人事労務管理
勤怠管理や給与管理等の「人事労務管理」を目的として利用されるシステムです。SAPやOracle等の大手企業からSaaSを提供するスタートアップまで、かなり多くのサービスが提供されています。人事労務のなかでも、勤怠管理に特化したシステムを提供する企業が現れるなど、特定業務の効率化に特化したシステムの登場が盛んになっています。
採用管理
求人、応募者管理、内定者管理、onboardingまでの採用工程の全て、あるいは一部の業務を支援するシステムの事を指します。近年では、求職者と企業のマッチングを促すプラットフォームを提供する企業が目立っています。AI(人工知能)を活用し求職者に最適な企業を提案する企業も登場しています。
この領域のシステムは、正社員に用いられるのは当然のことながら、派遣社員やアルバイト、看護師などの管理にも活用されます。
タレントマネジメント
社員の人材情報を一元管理することによって、人材の採用、適材適所の人材配置、適切な人事評価、後継者育成等を支援するシステムを指します。ジョブ型雇用制度を採用する欧米諸国で始まったタレントマネジメントを支援するシステムですが、今日は国内でもジョブ型雇用制度の必要性が唱えられており、今後の市場の拡大が予想されます。
(参考:タレントマネジメントシステムに求められる機能~総論)
人事評価管理(目標管理)
人事評価に関する業務の多くをデジタル化することによって、人事評価業務効率を改善するITシステムです。多くの企業がかなりの工数を割く人事評価において、システム導入は業務効率を大きく改善することが多いです。
(参考:【脱Excel#1】人事評価システムとは?導入メリット、導入事例、機能、比較のポイントについて)
人材管理システムの種類についてご紹介してきましたが、システムを導入することによって、どのようなメリットが生じるのでしょうか?
人材管理システムを導入するメリットは?
生産性を向上させる
人材管理システムを導入することによって、様々な業務の工数が削減されます。これが、システム導入による直接的なメリットでしょう。
(参考:スキルナビ導入で、140日分の工数を削減。今後は、定量データをベースにした人事施策で、タレントマネジメントを推進していく。)
ところで、人材管理システム導入による生産性の向上は、直接的な効果以外にも波及します。なぜなら、人材管理システムの導入は、自社によりマッチした人材の獲得や、適材適所の人材配置を支援しますが、これらは企業の競争力向上に直結するからです。
社員のエンゲージメントを向上させる
人材管理システムの導入による、自社によりマッチした人材の獲得や、適材適所の人材配置は、社員のエンゲージメントを高め、社員も企業もwin-winの状態を構築できます。
人材管理システムを導入するデメリットは?
導入に工数がかかる
システムの導入には時間もコストもかかります。最近では、クラウド型のシステムが増加傾向にあり、負担は低下したと言えますが、それでもゼロではありません。
運用中止の可能性
下記の導入前に確認すべきポイントがクリアされていない場合、人材管理システムは効果的に運用されないばかりか、運用中止に追い込まれる可能性があります。
それでは、人事管理システムの導入前にどのようなポイントに気を付ければ良いのでしょうか?
人材管理システムを導入する際に確認すべきポイントとは?
目的を設定する
何より重要なことは、システムの導入目的を明確にすることです。システムの導入目的が曖昧なままシステム導入に踏み切った場合、システム導入効果が判然とせず、費用に見合った成果を観測できなくなります。
導入する時期
企業は常に時間との勝負をしていることが殆どです。限られた時間の中で、最大限の生産性をもって働くことが社員には求められています。人材管理システムの導入時期についても、導入時期を決めることは必須と言えるでしょう。
運用ルールを設定する
システムの導入が無事に完了した場合であっても、落とし穴はまだ残っています。システムの運用ルールの設定です。ルールの設定なしでは、担当者の異動で運用が滞ったり、明確な成果が上がらなかったりする可能性があります。
ステイクホルダーの合意を得る
人事管理システムは社内のかなり多くの社員に関係します。スムーズな導入と運用には、システムを実際に利用する社員の同意は不可欠でしょう。また、近年ではGDPRが施行されるなど、個人情報の取り扱いへの関心が高まっています。データの収集対象になる従業員への説明も大切です。
人材管理システムを比較する際のポイントは?
使いやすさ
人材管理システムは、業務効率改善を目的に導入されるものです。そのためのシステムが使いにくくては本末転倒であり、システムの使い勝手が良いかは確認すべきでしょう。
システムの柔軟性
人材管理システムに取り込んだ人材情報はデータベースに保管されます。そのデータベースにも良し悪しがあり、イマイチなデータベースを利用するシステムの場合、人材情報の利用に制限がかかってしまう可能性があります。データベースの良し悪しは、データベースを構築したエンジニアと、運用しているエンジニアの優秀さに依存します。システムを比較する際には、注意して確認する必要があるでしょう。
カスタマイズの詐欺
多くの人材管理システムは自社に合わせてカスタマイズすることが可能です。ここで注意しなければならないポイントが、「カスタマイズ」という言葉の定義が企業によって大きく異なる点です。システムによっては、ほとんどの機能がカスタマイズによるものであり、デモと実際にできることの差が非常に大きい可能性があります。
価格
上述のカスタマイズの詐欺とも繋がることですが、基本料金は安くとも、カスタマイズにより高額になってしまう場合があります。見積りの際には注意しましょう。
サポート体制
導入後にシステムの使い方に手間取ってしまうことはよくあります。この時に重要になるのが、カスタマーサポート体制です。充実したカスタマーサポート体制は、スムーズで効果的な運用の大きな助けになるでしょう。また、サポートは有料である場合もあり、確認が必須です。注意しましょう。
導入の負担
人材管理システムの導入日数や導入負担は、システムによって大きく異なります。導入負担が大きい場合は、人材管理システム導入の本来の目的に反しますので、注意が必要です。
それでは、人材管理システムを実際に導入した企業様の事例についてご紹介していきます。
人材管理システムの導入事例
人材管理システムの導入で140日分の工数削減に成功
日産トレーデイングオペレーションジャパン株式会社 様
弊社タレントマネジメントシステムスキルナビを導入したことで、多くの人事評価業務を削減した企業様の事例について紹介しています。是非ご覧ください。
(参考:日産トレーデイングオペレーションジャパン株式会社 様)
参考記事
・タレントマネジメントシステムに求められる機能
・人事評価システムとは?導入メリット、導入事例、機能、比較のポイントについて