人事評価に不満を持つ社員がいた時の対処方法とその理由を徹底解説!
転職理由のひとつに「正当に評価されていない」と感じて転職をする人がいます。実際に耳にしなくとも、人事評価に対しての不満があることを間接的に聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。社員の不満に対して対応をするのも人事や管理担当の人の仕事のひとつでもあります。今回は人事評価に不満を持つ社員がいた時の対処方法を紹介します。
人事評価が正当にされていないと思う理由
人事評価に不満を持つ人は「正当に評価されていない」と感じ、評価に納得をしていないため不満を持ちます。また、その場合の多くは複数の個所に不満を感じているため、ひとつひとつ紐解いていく必要があります。
評価基準があいまい
人事評価というのは人が人を判断するものですから、軸がきちんと定まっていなければ同じ成果を出していても評価されやすい人やされにくい人が出てきてしまいます。
また、近年では人事評価基準を社員に公開している企業もありますが、公開されていない企業もあります。
評価基準が公開されていないとどういった観点で評価されるのかが不透明で不満を持ちやすくなるようです。社員としても目標にする目安がわからないため、モチベーションも上がらないといった声もあります。
人事評価基準を公開していない企業で不満の声が聞こえにくい企業の特徴として、営業のように数字をしっかりと追える職種が社員の大多数を占めている場合です。逆に数字で評価しない職種や個人ではなくチームで動く業務が多くある企業の場合、評価があいまいになるため不満が出やすいです。
チームプレーを行う企業では社員が謙遜や遠慮し、一人が活躍しているようにみえる場合がありますが広い視野を持って評価できる基準を設けるとよいでしょう。
自己評価と他己評価が一致していない
人事評価は能力を数字にして評価を行うことが多いため、目に見える成果を評価する傾向にあります。
会社が重視しているスキルや、会社で生かせる資格のみが評価に反映されます。そのため、どれだけ頑張ったとしても、結果に繋がらない場合は評価に繋がらないため、不満を持つ社員が出てきます。
基本的に自己評価は2割増しに評価しているという認識を持っておき、社員にも人事評価は自己評価の2割引きになると周知させておくとよいでしょう。
評価結果が昇給や昇格に結びつかない
人事評価が等級制度や報酬制度と連携できていないと、「高い評価をもらっても給料が上がらない」「評価が低いのに昇格している人がいるのは納得できない」などど社員が不満を抱える原因となってしまいます。
いくら高い評価をもらっても、昇給や昇格に結びつかなければ社員の意欲を高めることは難しく、反対にモチベーションが下がる原因にもなりかねません。
人事評価を行った評価者に対して不満を持つ理由
人事評価というのは基本的には人が人へ行うもののため、評価者に対して不満を持つ場合が多くあります。
人事評価に私情を挟む
一番不満が起きやすい理由です。
評価やの価値観や日頃の社員に対しての印象などが評価を左右してしまいます。評価基準がきちんと定まっている場合でも、評価者の主観が入ってしまうと正当な評価は行われません。
また、評価者が複数いる場合は評価者によって大きくばらつきが出る可能性があります。そうした場合は人事評価に私情を挟んでしまっていることを疑ったほうがよいでしょう。
人事評価は報酬や昇級、異動に関わる部分なので日ごとから評価者には客観的に評価できる目を養ってもらう必要があるでしょう。
評価に対しての説明が正しく行われていない
社員が多くなると全員に丁寧に評価のフィードバックを行うのは難しくなってきます。しかし、評価に至った経緯が不透明なままでは社員のモチベーション低下に繋がりかねません。
評価に対して納得がいかず、不満を抱く社員もいるでしょう。
また、フィードバックの説明や伝え方を間違えてしまった場合も同じことが起こります。社員の定着や次回の評価に向けてモチベーションをあげてもらうことは会社の利益にもなります。そのため時間はかかっても社員に丁寧にフィードバックをすることは大切です。
評価者によって評価の付け方が違う
評価者次第で評価の結果が違ってしまうと従業員はその評価に対して納得できなくなってしまいます。
しかし、人事評価を行う評価者もひとりの人間なので、心理状況や評価する相手との関係性次第で評価結果が違ってしまうことも珍しいことではありません。
そのため評価者に対する指導も必要といえます。
評価基準を明確にし、評価のマニュアルを用意するなどして、評価者による評価の違いが起きないようにしましょう。
人事評価への不満が招いてしまうデメリット
ここからは人事評価に対する不満が招いてしまうデメリットを3つ紹介します。
社員のモチベーションや生産性の低下
社員が人事評価に対して不満を抱えたままでは、社員のモチベーションが低下してしまいます。
社員のモチベーションが低下すると、社員が仕事に対しての意欲がなくなってしまい、会社全体の労働生産性の低下にもつながりかねません。
退職率の増加
人事評価に対して不満を抱えた社員が、転職や退職を視野に入れることは少なくありません。
企業にとって社員の退職は大きな損失です。
また、社員が退職したために新しい人材を補おうとすると、さらに採用コストや育成コストがかかってしまいます。
訴訟リスク
人事評価に対しての不満が訴訟につながってしまうケースもあります。
実際過去の事例に、不当な人事考課をされた社員が不服を申し立て、損害賠償を争う裁判に発展したケースもあります。
不当な人事評価によって裁判沙汰になってしまうと、企業は多大な損失を被ることになります。
人事評価に対しての不満をなくすために
人事評価に対しての不満が溜まると、生産性の低下や退職に繋がりかねません。人事評価に対しての不満をなくすためには、日ごろから社員の声に耳を傾けたり、人事評価の基準の見直しや評価を行っている人物に対しての指導を行うのがよいでしょう。
具体的な例を紹介します。
企業の現状と合っているか確認する
人事評価に対する不満の原因のひとつに、企業の実態と人事評価制度が合っていないことが挙げられます。
社会変動が激しい現在、経営戦略が短いスパンで変わっていく企業も多く見られます。
人事評価制度も経営戦略と共に変えていかなければ、評価の尺度と企業の方向性が噛み合わなくなっていきます。
そのためには自社の方向性を確認し、どのような人材を求めているか把握して、それに合わせた評価基準を設定するといいでしょう。
人事評価の基準を公開する
人事評価の不満の原因として「評価があいまい」「自己評価と他己評価が一致していない」とあげました。あいまいさを拭うためには、人事評価の基準や評価ポイントなどを社員に対して公開するのがよいでしょう。
また、自己評価との乖離が起きる原因なども合わせて周知することができれば不満が出ることも減っていきます。
評価基準と自己評価との乖離を理解することで、目標や向かっていくべき方向性が見えてくるので社員のモチベーションアップや生産性向上に繋がります。
人事評価のフィードバックを丁寧に行う
人事評価をされただけではこれからの具体的な改善や、どのように業務を行えば評価されるようになるのかなどがわからないため、不満が溜まってしまいます。
評価に対してフィードバックを行い、社員と一緒にこれからの目標やつけていくべき能力を考えていくことで、社員のモチベーション向上も期待できるでしょう。
フィードバックを行い、社員の納得感を高め、成長を目的としたPDCAサイクルを回していきましょう。
人事評価を可視化するためには
スキルナビでは、自己評価と評価者の乖離を見ることができます。また、評価が乖離している部分にコメントを入れることも可能です。
グラフとしてスキルを可視化することも可能なので人が増えてきたら人事評価をすべてシステム管理してしまうのがおすすめです。
この機会に是非ご検討ください!