人事評価基準の作り方やポイント、人事評価の手法を紹介!
人事評価には、人員配置・人材育成・人事評価など多くの項目が存在します。人事評価は、人が人を評価するため、どのように評価したらよいのかと悩む方も多いのではないでしょうか。また、コロナウイルスの影響により、人事評価を変更しなければいけなくなったなどという人事の方もいるのではないでしょうか。
人事評価には各企業の目的や、戦略・基準などが細かく定められています。その意味をくみ取り、理解していくことが大切です。
本記事では、人事評価とはなんなのかという基本的な部分はもちろん、人事評価の作り方、人事評価を行うときのポイントを解説いたします。
人事評価とは項目の達成度を測るもの
人事評価とは、業績・能力・職務に対する姿勢などを項目として定め、年に1回以上項目の達成度を鑑みる字組のことです。
この人事評価は、一般的には昇級や給与に反映されます。また、この評価は人事異動の際などにも参考にされるため、評価がよいとプロジェクトに抜擢されるなどといったものになります。
人事評価と人事考課は同じような意味でつかわれる場合も多いですが、企業によって定義が曖昧なため、不安な場合は担当者に聞きましょう。
人事評価は3つの領域から成り立っている
人事評価は、「業績」「能力」「情意」で成り立っています。この3つはそれぞれ関連性を持ち、個人の評価を総合評価するときに参考にされます。
業績評価とは仕事に対しての評価
業績評価は仕事に対して達成した成果に対する評価です。仕事のKPIの達成率や、仕事の正確さなど数字などを基準に評価されるものです。プロジェクトの進捗状況や、与えられた仕事プラスアルファなどの目線で評価されるでしょう。
能力評価とは業務上のスキルに対しての評価
能力評価とは、業務を行う上での知識や経験、理解力などを評価します。業績評価よりも少し抽象度が高く、目に見えないものとされるものがこの評価です。
企画力・交渉力などもこの評価にあたり、業績評価の数字を作るために必要な能力ということになります。
情意評価とは普段の姿勢に対しての評価
情意評価は企業によっては態度評価と呼ばれることもあります。言葉の通り、普段の業務における態度や、職場のルールなどを守っているかという観点で評価されます。
仕事への責任感などといったこともこの項目に含まれます。
抽象度は3つの中で一番高く、感情に左右される項目でもあります。
人事評価の種類
人事評価には様々な手法が存在します。それぞれメリットデメリットがあるので、企業の大きさや基準としたいことなどを明確にし、どの手法で人事評価を行うのか決めておくとよいでしょう。
ここでは、代表的な評価手法3つを紹介いたします。
- 目標管理制度(MBO)
- コンピテンシー評価
- 360度評価(多面評価)
目標管理制度(MBO)
MBOはManagement By Objectives and self-controlの略称で、経営学者のドラッカーが提唱したものです。社員が自分で目標設定を行い、その達成度によって評価するといった手法です。
自らが目標設定を行うため、主体的に動くことで、社員の能力開発に繋がります。しかし、一方でハードルを低く設定してしまったり、力量を見定めることができず高すぎる目標設定をしてしまう人もいます。
そのため、この手法を用いる際は、上司の業務遂行のサポートや目標達成に向けたサポートが必要となってきます。
コンピテンシー評価
コンピテンシー評価とは、社員の基本的な資質ではなく、実際の行動がどのような結果を生み出せたのか、高い業績を上げる人材の行動特性を客観的に判断する評価制度です。
行動特性が評価の対象となるため、従業員にとってはとても取り組みやすい評価手法です。基準が明確になっているため、公平さもあります。しかし、行動特性以外で成果を上げる人が出てきた場合にどのように評価するべきなのか判断に迷ってしまうという、柔軟性に欠けるというデメリットもあります。
360度評価(多面評価)
360度評価(多面評価)は、ひとりの対象者に対して複数の人が評価を行う方法です。一般的な人事評価は上司のみが評価を行いますが、同僚や部下、チームメンバーが評価を行います。
自己評価と他者評価を行うため、改善点を見つけやすく、強みや弱みを把握することができます。しかし、主観が入りやすい評価になってしまったり、部下に気を使ってしまうなど会社の雰囲気や人間関係に影響が出やすいです。
人事評価を行う時期は企業によって異なる
人事評価は、企業が独自に行うものなので、企業によって回数や内容、行う時期は異なります。
企業の人数規模や職種などによって変化させていかなくてはなりません。適正な時期・回数などをPDCAをまわして行っていく必要があります。
一般的には、人事評価は半年に一回程度行われます。しかし、人数が多い企業になってくるとしょりがしきれないといった理由から年に一度をしている企業もあります。
反対に、近年のIT化によって半年より短い四半期ごとに目標設定・評価を行う企業も増えてきています。これは、業務効率化が行われている背景や、成果の出るタイミングなどを見計らった結果年に4回という回数になっています。
人事評価を行う目的
人事評価は企業にとって必要不可欠なものです。人員配置や人材育成の観点からはもちろん、社内のコミュニケーションのひとつとなっています。
人員配置を行う上で、感覚的な判断で行わないよう理由付けが可能ですし、その中でうまれたコミュニケーションによって部署内での納得感も高まります。
また、人事異動がなかったとしても、研修のための材料にもなりますし、得意不得意が客観視できるため業務においての指示出しの負担も軽減されるでしょう。
人事評価の作り方
人事評価の作り方には、押さえておくべき4つのポイントが存在します。
- 評価目的を明確にすること
- 評価基準を定めること
- 評価項目を決めること
- 反映方法やフローを決定すること
評価目的を明確にすること
なぜ評価を行うのか目的を人事評価を作るチーム内で言語化し、共通認識を持ちましょう。ミッションビジョンバリューを定めている企業はそれを軸に落とし込んでいくのがよいでしょう。
また、現在の自社の弱みや強みなども言語化しておくと、強化したいポイントなどが見えてきます。
評価基準を定めること
評価基準を定めましょう。ざっくりと全体の評価基準を策定しましょう。その後、部署や職種の業務内容を書き出し、そこに基づいた評価基準を作ります。
この時は人事評価作成チームのみで行うのではなく、各部署のリーダーなどを交えて基準を定めると現場との乖離も起きにくくなります。
評価項目を決めること
基準を満たす評価項目を決定します。評価項目には漏れがないように行うことはもちろん、客観性を忘れないことが大切です。
項目が決まったら、一度すべての項目にコメントして客観性が欠けていないか、基準から落とし込んだ際に向け漏れや偏りがないかなどを確認しましょう。
反映方法やフローを決定すること
人事評価は昇級や報酬に直結するものです。基準値を決めておき、照らし合わせた際にどのような段階を踏んで昇級したり、報酬が上がるのかなどを定めておきましょう。
また、この反映を行うのはどの部署の人が担当するのか、どのような段階を踏んで承認されるのかなどを^この時点で決めておくとよいでしょう。
人事評価を行うときのポイント
人事評価を行う上で重要となるのは、従業員の理解と浸透です。
できるだけ、従業員に評価基準を公開するとよいでしょう。また、人事評価後にはフィードバック面談や、評価後に起こすべき行動などをサポートするとよいでしょう。
従業員は評価される立場のため、モチベーションは上がる人もいれば、ネガティブに捉えてしまう人もいるでしょう。なるべく多くの人に理解してもらうよう努めましょう。
また、浸透させるためには社内への後方にも力を入れるべきです。
人事評価が決まったら従業員への浸透にも努めましょう。
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