タレントマネジメントにおいて欠かせない5つの評価項目を解説!
従業員の様々な情報をデータ化し、一括管理を行うタレントマネジメント。しかし、一概に情報をデータ化し管理するといっても、どのような評価項目を設定してタレントマネジメントを行えばいいのか分からずに困ってしまうこともあるのではないでしょうか。
本記事では、タレントマネジメントにおいて欠かせない評価項目を紹介し、その評価項目をどのように活かしていけるのかということについて解説します。効果的な評価によるタレントマネジメントを行うことが出来れば、より良い人材管理を行うことが出来るでしょう。
1. タレントマネジメントにおける評価項目
タレントマネジメントを行う際、従業員の最適な人員配置を行うためにそれぞれの従業員をいくつかの指標で管理・評価しますが、この指標がタレントマネジメントにおける「評価項目」という呼ばれるものです。
いくつかの評価項目を設定しそれらを総合的に判断することによって、その従業員の能力を最大限に発揮できるような人員配置が可能となります。
⇒評価項目について詳しく知りたい方はこちら
2. タレントマネジメントにおける項目設定の大切さ
自社の人事課題を解決するために実施するタレントマネジメントにおいて、その課題を解決するためにはどのような従業員が必要なのか、どのような項目によって従業員を評価したいのかを明確にしておく必要があります。
この評価項目の設定が上手くいかないと、タレントマネジメントの運用自体が成功したとしても、自社の課題の解決に対して有効な効果を得ることは出来ません。
タレントマネジメントの評価項目の設定は、自社の課題を分析し、その課題を解決するためにはどのような項目をもって従業員を評価・管理すべきなのかを理解した上で行う必要があります。それだけ項目の設定はタレントマネジメントにおいて非常に大切な意味を持っているのです。
3. タレントマネジメントで欠かせない5つの評価項目
では具体的に、どのような評価項目が必要となるのでしょうか?
上記したように、設定すべき項目は自社の課題に合わせて設定する必要があります。ただし、以下に挙げる5つの項目は業態業種に関わらずどのような会社でも必要となるものですので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1 タレントの基本情報
まず一つ目は従業員の基本的な属性の情報です。
年齢・性別・所属部署・役職などがこれに該当します。従業員の検索などで使用する機会が多く、必要不可欠な情報です。
また、従業員の基本属性は変わることが多いので、常に最新の情報に更新しておく必要があります。
3-2 タレントのスキル情報
二つ目は従業員の持っている能力やスキルに関する情報です。
例えば従業員が持っている資格やTOEICなどの試験点数がこの情報にあたります。これらは従業員の能力を客観的に判断することが出来る重要な情報です。
またここで重要なのが、能力やスキルは資格などでは測れないケースがほとんどだという点です。したがって、このような能力やスキルを判断するために、評価項目設定の際に社内で能力の評価基準を設定し、上司や同僚・従業員自身の評価によって点数付け、ランク付けをするなどの工夫が必要です。
こうして従業員の能力やスキルの情報をまとめておくことで、それぞれの従業員が何に優れているのか、どのような能力を持っているのかを一目で判断することが出来るようになります。これは適切な人員配置をする際などに欠かせない情報です。
3-3 タレントの価値観や考え方の情報
三つ目は従業員がどのような価値観、考え方を持っているのかという情報です。
どのような仕事に対してやりがいを感じるのか、仕事に求めるものは何か、自分のキャリアについてどう考えているかといったことがこれに当てはまるでしょう。また業務に直結することだけではなく、ワークライフバランスや人生設計などに関する考え方も確認する必要があります。
これらの情報は従業員のモチベーションなどに対して大きくかかわってくることなので、慎重に評価・管理し、それぞれの価値観・考え方に応じた人員配置などを行っていく必要があります。適切にこれらの管理が行われていれば、離職率を下げたり、業務効率を向上させたりすることが出来るでしょう。
この評価項目は、採用試験や定期的な面接などである程度情報が収集されていることが多いので、それらをタレントマネジメントという形でチェックし適切に管理することが大切です。
3-4 タレントの行動に関する情報
四つ目のは従業員が普段の仕事においてどのような行動を取っているのかという情報です。
社内、社外の人間との打ち合わせの回数や資料作成にかけている時間、その他部署に応じた行動がこれに当てはまるでしょう。また、勤務時間や遅刻・早退・欠勤の回数、月の残業時間などの勤務データもこれに当てはまる非常に重要な要素となります。
どれだけ高い能力やスキルを持っていても、遅刻や欠勤の回数が多ければその評価は低くなりますし、優れた資料を作成していてもその分残業時間が他の従業員より多ければ一概に高い評価は出来ません。このように、勤務データなどの情報を評価項目として管理することで、多角的な視点からタレントの評価を行うことが出来るのです。
3-5 タレントのキャリアに関する情報
五つ目は従業員がこれまでどのようなキャリアを歩んできたかという情報です。
学歴や職歴、所属してきた部署の履歴だけでなく、その中でどのような仕事を手掛けてきたのかといった詳細な内容まで把握できれば、精度の高い評価を行うことが出来ます。また、社内で表彰された回数や社内研修の受講歴などの社内イベントに対する経歴も合わせて把握できれば、より多面的な評価を行うことが出来るでしょう。
これらの情報を管理することで、従業員の能力や手掛けてきた仕事の方向性を知ることが出来、適切な人員配置に活かすことが出来ます。また、その従業員が持つ人脈なども推測することが出来るため、多面的な評価を行うという面で非常に重要な評価項目と言えるでしょう。
4. タレントマネジメントの項目からわかること
ここまで述べてきたような評価項目に基づいてタレントマネジメントを行い、それぞれの従業員を管理することで、各従業員について以下のようなことが把握できるようになります。
4-1 タレントの性格
まずはその従業員がどのような性格なのか、どのような人間性を持っているのかということが把握できます。具体的には、内向的なのか外交的なのか、楽観的なのか心配性なのかなどといった点です。
これらを把握することで、それぞれの従業員に合った人員配置を行うことが出来たり、社内でプロジェクトチームを立ち上げる時などでバランスの判断に活かすことが出来たりします。
単純な能力やスキルのみならず、こういったある種人間的な側面を把握できることも、タレントマネジメントでは重要なことだと言えるでしょう。
4-2 タレントの特性
二つ目に、その従業員が何らかの目的に対してどのような行動を選択する傾向にあるのか、という行動特性と呼ばれるものを把握することが出来ます。例えば何か情報を収集したいと思った時に、社内の人間などの人脈を生かして情報を得るのか、自力でインターネットや文献などを探して情報を収集するのか、といったような行動の選択の傾向がこれに当たります。
それぞれの従業員に対して行動特性を把握することで、優れた業績を挙げている人がどのような行動特性を持っているのかといったことを明らかにすることが出来、その行動を社内で推奨するなどすれば、全体の業績の向上を図ることも出来るでしょう。
4-3 タレントのスキルや経験
最後に、タレントマネジメントによって従業員のスキルを見える化して管理することが出来ます。
タレントマネジメントで管理できるスキルは、その方法などによって分類は様々に分かれますが、一般的に、社会人として身につけておかねばならない「社会的スキル」、部門・職種にかかわらず業務上必要となる「共通スキル」、スペシャリストとして活躍するために必要となる「専門スキル」の3種類に分類されることが多いです。
これらのスキルを一括に把握・管理できることで、適切な人員配置を行うことが出来るでしょう。特に専門スキルなどについては、適切に把握しそのスキルに合った部署に配属しなければ、その従業員の力を十分に引き出すことが出来ないため、非常に重要な要素となります。
適切な評価項目を設定し、より良いタレントマネジメントを!
ここまで述べてきたように、一概にタレントマネジメントを行うといっても、どのような目的でタレントマネジメントを行うのかといったことによってその内容は様々に変化します。
本記事の内容も参考にしながら、自社の人事課題に対応した適切な評価項目を設定して、より効果的なタレントマネジメントを行っていきましょう!