人事評価とタレントマネジメントの違い~第4回「研修制度との関係が違う」
「タレントマネジメント」という言葉が最近トレンドとなっていますが、その意味を正しく把握している方は意外に少ないのではないでしょうか。
その原因は、以前からある「人事評価」との違いがきちんと理解できるような情報が提供されていないことが原因のように思われます。
そこで、この連載では、「人事評価とタレントマネジメントの違い」について、4つのテーマに沿って、説明したいと思います。
第4回のテーマは、「研修制度との関係が違う」です。
人事評価における研修制度の位置づけ
人事評価において、研修制度は、一部の業界を除いてはあまり関連性がありませんでした。しかし、タレントマネジメントにおいては、研修制度は、社員のタレント(スキル)を向上させるために会社が提供する施策の中でもっとも重要なものとして位置づけられます。
そのため、これまでの人事システムにおける研修管理が、研修の実施及び参加状況を管理する機能だけであったのに対し、タレントマネジメント業務を支援する「タレントマネジメントシステム」における研修管理では、実施した研修がタレント(スキル)の向上に効果があったかどうかを測定する機能が必要となります。
スキルナビでの研修とスキル項目の紐づけ
クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビでは、個々の研修に対して、効果が期待できるスキル項目が紐づけられています。そのため、研修の受講履歴とスキル管理で入力される判定結果から、その研修がタレント(スキル)の向上に寄与した効果を分析することができます。
以下の図は、スキルナビで管理される研修受講履歴と習得スキルのデータを外部出力し、Excelで分析した画面の例です。この例では、横軸に評価実施時期を、凡例に受講者を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。
この画面からは、個人差はあるものの研修の効果は時間を経るに従って表れてきていることがわかります。
次の例では、横軸に受講者を、凡例に評価実施時期を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。
この画面からは、受講者別の研修効果を分析できます。具体的には、富山さん、千葉さん、奈良さんについては効果が見られないものの、それ以外は全員何らかの効果が表れており、特に 福岡さん、大坂さんについては著しい効果が表れていることがわかります。
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