MBOとOKRの違いとは?それぞれの特徴や活用できる企業の解説
目標管理には様々な手法がありますが、代表的なものはMBOになり、日本の多くの企業で導入されています。しかし、近年はOKRという新しい目標管理手法が編み出され、googleをはじめとする企業で導入されつつあります。ここでは、MBOとOKRにはどのような違いがあるのか、KPIについても触れながら紹介します。
MBOとは
MBOは「Management by Objectives」の略称になり、ピーター・ドラッカーが考えた手法となります。目標管理制度ともいわれます。従業員の目標と会社の目標を関連付けたものにし、従業員が積極的に目標を達成するよう努力することで会社の業績が向上することを目指しています。日本の企業では、このMBOを人事考課と関連付けて評価することが多いです。
OKRとは
OKRは、「Objectives and Key Results」の略で「目標と主要な結果」と訳されます。インテル社が編み出した手法で、会社全体としての目標をチームや個人単位で分解し、全員で目標達成を目指すものになります。
Objectivesの「O」は目標のことを指し、MBOより高難易度の目標を設定します。Key Resultsの「KR」は主要な結果を意味します。一つの目標に対して複数の具体的な目標を設定し、目標達成を目指します。
KPIとは
MBOやOKRの他に、KPIという手法があります。KPIとは、「Key Performance Indicator」の略です。日本語では「重要業績評価指数」と言われます。プロジェクトや部署ごとの目標管理の際に使われるのが特徴的です。目標内容は数字で表せる定量的なものになります。
KGIとKPIについて
KPIとセットで使われる言葉に「KGI」という言葉があります。「Key Goal Indicator」を略したものです。「重要目標達成指標」のことを指します。KGIは最終のゴールとなる目標のことで、KPIはそれを達成させるための目印となるような中間目標になります。例えば、KGIを「来年の売上を30%上げる」という内容に設定したら、KPIを「三か月後には売上をどれくらい向上させるか」「どの商品をいつまでに何個売るか」といった目標に設定することが可能です。
MBOとOKRの違い
MBOとOKRにはいくつか大きな違いがあります。それぞれの特徴について説明します。
サイクル期間
MBOでは、半年ごとや一年ごとといった長期的な目標が多いです。それに対し、OKRでは3、4か月ごとといった比較短いスパンになることが特徴的です。その理由として、OKRでは頻繁に目標と現状の乖離を確認し、社会情勢や環境の変化から今掲げている目標が正しいのか確認をするため、高頻度で振り返りを行うためです。
面談頻度
MBOでは目標期間が長期的のため、振り返りや面談も半年や一年ごとと少ない頻度になります。その一方で、OKRでは、一週間に一回などとかなり高頻度で行われます。毎週行われるため、上司は常に部下の状況を把握しやすくサポートをしやすいといった利点がある一方で、部下の人数が多い場合、上司の負担が大きくなるといったデメリットもあります。
目標達成の測定基準
何をもって達成とするかといった達成基準に関しても、MBOとOKRで大きく異なります。MBOでは基準が組織によって異なります。OKRでは「SMARTの法則」フレームワークに則って行います。
「SMARTの法則」とは、Specific(具体性)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能性)、関連性(Related)、期限(Time-bound)の要素を使用して目標を設定する方法です。OKRではこれらの要素によってより具体的に達成するための目標を設定します。
定量的か定性的か
MBOは、組織によって目標内容を設定できるため、定量的目標を定めることも定性的目標をたてることも可能です。両方の目標を立てる企業が多いです。それに対し、OKRでは「目標」と「主要な結果」を設定します。「目標」には定性的なもの、「主要な結果」には数値で測れる目標を設定します。
目標の共有範囲
MBOでは、上司と部下の2者間で目標を設定したり評価を行うため、同僚などそれ以外には開示しません。一方でOKRの場合は組織全体で目標を共有するため、チームや部署内でもほかの従業員の目標を開示し共有します。それにより、会社全体で目標に向かって進むことを目指しています。
達成基準
MBOの場合は、100%の達成で設定します。そのため、自分の能力より少し高い目標を設定することが多いです。しかし、OKRの場合、達成基準も大きく異なります。OKRの場合はストレッチ目標を設定するため、60~70%の達成基準で設定します。MBOよりOKRの方がよりチャレンジングな目標を設定します。
それぞれの目標管理に適した企業
MBOとOKRは特徴がだいぶ異なります。企業の特性によってよりマッチした目標管理手法が異なります。ここでは、どんな企業がマッチしているかについて説明します。
MBOに適した企業
MBOは、人事評価と関連付けて目標管理を行い、上司と本人との間でしか共有されないといった特徴があります。そのため、経営層などのトップ層が決定し、下へ指示していくようなタイプの企業に適しています。
OKRに適した企業
OKRでは、環境や社会の変化に柔軟に対応しながら成長していきたいと考える企業に向いています。目標期間が短く高スパンで振り返りを行うことができるからです。また、設定する目標もよりチャレンジングなものになるため、目標達成により大きく成長したいと考える企業にも向いています。
目標管理をするならスキルナビ
目標管理手法のMBOとOKRには、大きな違いがあるのをお分かりいただけましたでしょうか。企業が成長していくためには適切な目標を設定しそれに向かって進んで聞くことが必要です。従業員の目標管理を行うためには、人事システムの活用をすると良いでしょう。スキルナビではMBO、OKR両方管理が可能となっていますので、是非検討してみてはいかがでしょうか。