業務効率化の目標設定とは?具体的な設定方法から達成方法まで解説!
自社で業務効率化を進めようと考えている企業は少なくありません。しかし、具体的に進めるには業務効率化の目標設定をどうしたらいいか分からないといった声も多くあります。
今回の記事では、業務効率化の具体的な目標設定のポイントを4つ紹介し、さらにその目標達成の方法についても詳しく解説します。
業務効率化とは
業務効率化と聞くと、ムダな業務を省いて簡略化するというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
「業務効率化」を知るためのキーワードは「ムリ、ムダ、ムラ」です。「業務効率化」とは、仕事における従業員に無理を強いている作業や無駄な作業、担当者によってムラが出ている作業を無くすことです。手法としてはツールの利用やプロセスの自動化が考えられますが、企業によって割けるリソースも違ってくるので、1社1社業務効率化の方法は異なります。
⇒業務効率化について詳しく知りたい方はこちら
業務効率化に取り組むメリット
仕事における従業員に無理を強いている作業や無駄な作業、担当者によってムラが出ている作業を無くすのが業務効率化であると前述で説明しました。では、実際に業務効率化に取り組むメリットにはどのようなものが挙げられるのでしょうか。ここで3点紹介します。
生産性向上
生産性向上とは、行動が成果につながるということを意味しています。業務効率化が推進されることでミスを減らし、一人あたりの業務効率が上がることで、一人ひとりの成果につながる行動が多くなります。生産性が向上することにより売上の伸びも期待できるので、企業としては大きなメリットです。
コスト削減
業務効率化はコスト削減にもつながります。削減されるコストの1つとして人件費が挙げられるでしょう。今まで担当者によって無理や無駄になっていた業務をツールを使って業務効率が向上した場合には、その分の残業がなくなり、残業代の発生がなくなります。よって、人件費の削減が見込まれ、企業にとっては別のことに予算を割くことも可能です。
従業員満足度の向上
コスト削減や生産性向上による売上の伸びと企業側にとってメリットとなることを2点紹介しましたが、企業側だけではなく、従業員にもメリットがあります。既存の従業員にとって無理をしている業務や無駄な行家というのは、モチベーションの低下や長時間労働につながっています。既存の従業員が無理、無駄と感じる業務の負担を軽減することにより、力を入れて取り組む業務に注力することができるため、モチベーション向上にもつながり、長時間労働の是正にもなります。既存の従業員の満足度が向上するということは、人材採用にとっても有利となる可能性があるでしょう。
業務効率化のための目標設定
前述では3つの大きなメリットを紹介しましたが、きちんとした目標設定をせずに推進すると、逆に非効率になってしまうケースや従業員のモチベーション低下につながる可能性もあります。ここからは実際に業務効率化のための目標設定方法のポイントを4つ紹介します。
売上や利益に関する指標
目標設定の基準として、売上や利益のデータに基づいた指標を立てることが挙げられます。指標は前年度の結果を元に出します。具体的には粗利率や営業利益率、人件費などです。また、小売や飲食では来店客の数や店ごとの売上も指標に使うことができます。きちんとした指標を設定、共有することが大切です。
現状の把握、問題の洗い出し
売上や利益に関する指標と同時に、現状の把握や問題の洗い出しも重要です。数字だけではなく、現場の生の声を聞くことで正確な判断が可能となります。例えば、どんな業務を何名の従業員がどれくらいの時間をかけて行っているのかなどで、企業全体の問題よりも各部門や部署の細かい問題点を把握することが重要です。細かく理解することで具体的な業務効率に向けて取り組みやすくなります。詳しく理解するよう心がけましょう。
従業員のスキルを把握
既存の従業員のスキルを把握することも重要です。業務の中には、エンジニアやデザイナーなど専門的なスキルを持つ従業員のみが従事できるものもあります。また、職種ごとの専門的なスキルだけではなく、ビジネスパーソンとして個人が持っているヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルも異なるため、個人のスキルを把握することで、どの業務にどの人を配属すれば最も効率的になるか明確にすることができます。ただし、その際に業務が属人化しないように今後を含めて考える必要があります。
他社の成功事例を参考にする
他社の業務効率化させた成功事例を参考にするのも重要なポイントです。
成功事例の例として、三井住友海上火災保険株式会社は、本社でRPAを導入し、20,000時間以上の時間削減に成功しました。このようにツールを使用したり、自動化することで業務効率化に取り組んでいる企業があります。具体的な成功事例を知りたい場合には、ツールの販売元に確認することや専門のコンサルタントに聞くことで自社と同じような規模の事例や同様の課題を抱えている企業の成功事例を手に入れることができるでしょう。成功事例を参考にすることは大切ですが、他社の成功事例がそのまま自社に使えるとは限らないので気を付けましょう。
業務効率化の目標設定を達成するための方法
前述では、目標設定におけるポイントを紹介しました。目標は設定するだけではなく、到達するまでのプロセスも重要になります。達成に向けての方法はどのようなものが挙げられるでしょうか。ここでは4つに分けて紹介します。具体的なツールや部門ごとの使用例も紹介していますので、これを読むことで、目標に到達するイメージを湧かせることが可能です。
自動化
まずは自動化が挙げられます。各部署の仕事を確認した時に、毎日同じ作業を繰り返している業務があれば、それは自動化が可能な業務です。具体的には、マーケティング部門のデータ抽出や経理部の請求書データの入力、営業部門の見積もり作成などが考えられます。
自動化はRPAツールやVBAの導入をすることで可能になります。RPAは、ロボットがパソコンの画面で行っている人間の操作を真似して処理をする技術です。対して、VBAはMicrosoft OfficeのWordやExcelでプログラムを使って自動化させることをいいます。それぞれに使い方や概要を理解して、業務に対して使い分けることで有効に使うことができます。
業務効率化ツールの導入
業務効率化するツールも様々あります。例として、社内のメンバーと気軽に連絡がとれるチャットツールが挙げられます。現状、テレワークが進んだこともあり、さまざまなチャットツールの使用が開始されています。今まで電話やメール、口頭で対応していたものがチャットで済み、業務の効率につながっています。
また、顧客管理も情報を一元化できるデータベースツールを活用することで業務効率につながります。営業部門だと今まで個人がExcelで管理していたものが全員で把握できるようになり、上司が部下を呼んで状況確認する必要がなくなったり、売上管理と顧客データベースを紐づけることで売上目標の達成率も容易に確認することが可能です。
ペーパーレス化
今まで紙で使用していた文書や資料を電子化することで、業務効率化につながります。これもチャットツールと同様で、テレワーク拡大の影響を受けて広まりつつあります。特に、電子契約はどこでも書類の承認ができることから使っている企業も増えてきています。また、特に営業部門や人材採用、企業のPRでは、会社パンフレットや採用パンフレット、キャンペーン資料一式をPDF化し、デジタルライブラリとして格納してその中から資料を取り出してお客様や求職者に見てもらうということも可能です。ペーパーレス化することで環境にも優しく、何より企業の紙代や印刷代、印刷する時間の削減につながります。
研修の見直し
業務内容が変わるので、研修の内容も見直しが必要となります。現場では効率化が進んでいても、その下や今後入ってくる従業員に意識が共有されていなければ意味がありません。また、研修のやり方と現場のやり方が異なると混乱やモチベーション低下にもつながります。その他にも今まで使用していた業務マニュアルを見直すことも必要です。現場での業務効率化だけではなく、今後も見据えた方法が必要です。
まとめ
ここまでで、業務効率化の具体的な目標設定のポイントや目標達成の方法について説明をしました。業務を効率化することで、売上アップや既存の従業員のモチベーション向上、コスト削減につながるメリットもあります。適切な目標を設定し、目標達成に取り組んでみてはいかがでしょうか。