事務業務に求められるのは業務効率化!業務効率を上げるポイントと手順を徹底解説
どのような組織、会社においても必要な事務作業。工程の見直しを行い、適切な業務改善を実施すると、事務の業務効率化が期待できます。それによって、会社はもちろん、その会社に勤める従業員たちも大きなメリットが得られます。
事務の効率化を図る意義や、具体的な改善手順について解説していきます。
業務効率化を進める意義とは?
事務の業務効率化を進める意義は以下の通りです。
仕事の背景と全体像が把握できる
効率的な作業を行うためには仕事の全体像をとらえる必要があります。現在取り組んでいる仕事が最終的にどのような目的で役立つのか。どの工程でどの部署の人が関わるのかなどを理解していると業務の優先順位をつけやすくなるのです。
一つ一つの業務の背景や全体像を理解すると大体の作業完了までに必要な日数や工数が見えてくるようになります。その結果、より効率的で無駄のない順序と手法を選択して業務を進めることができるのです。
業務ごとに必要な質を変えられる
業務効率化では、無駄を省き最低限の労力で滞りなく業務を進められるように作業フローなどの見直しを行います。その過程で、必要以上に労力や時間を掛けていた作業を見つけることができ、仕事の質を調整できるのです。
例えば、社内の人向けに送るメールの文章について考えてみましょう。社外へのメール文面のように丁寧に、何度も確認してまでかしこまった美しい文章にする必要があるでしょうか?最低限の情報を、要点を押さえて伝えられれば問題ないのではないでしょうか。
このように、一つ一つの工程に全力をかけずに、適度に力を抜く工程を作ることで余計な時間や無駄を省き業務が円滑に進むようになります。
時間的なコストの削減
さらに、業務効率化に取り組むと時間的コストの削減が期待できます。事務作業の無駄や無理な作業を見直すと、一つの業務にかかる時間は短縮されて他の業務に着手する時間的余裕が生まれます。その結果、一人ひとりの残業時間が減るため人件費の節約ができるのです。
会社にとって人件費削減の効果がある業務効率化ですが、従業員からしても退社時間が早くなるのでプライベートを充実させることができます。
従業員のモチベーション向上
事務業務がより短時間で効率的に完了する体制が整うと、従業員はより働きやすくスピード感を持って仕事に取り組みやすくなります。政府による働き方改革も推進されている昨今において、業務効率化が従業員の働きやすさを改善するカギでもあるのです。
無駄なく効率的に働ける職場は心理的ストレスも少なく、労働時間も短くなるため、社員はより前向きに仕事に向き合えます。そのため、離職率の低下や職場への満足度の向上も期待できるでしょう。
事務処理の問題点
事務における課題点は3つ挙げられます。
ケアレスミス
事務の仕事はルーティンワークが多く、同じ作業の繰り返しになりやすいためケアレスミスが発生しやすいという問題点があります。デスクワークが続くと集中力の低下や、慣れによる確認不足などが発生してしまうのです。
予防策として二重三重のチェック体制を取り入れている企業もありますが、担当者によって確認方法やチェック基準が異なるなどの理由でケアレスミスは無くしにくいのが現状です。
業務が属人化しやすい
さらに事務業務は属人化しやすいという問題を抱えています。担当者以外は、その業務に必要な情報を把握しておらず、マニュアル等の共有が不十分な場合が多くあります。これは、「事務業務=雑務全般」というイメージが強くわざわざ共有・分担する必要がない仕事だと認識されているためです。
そのため、一人に作業が集中するようなケースも見られます。さらに、担当者が変更となった時には一から業務を覚える必要があり、混乱やミスが発生しやすくなっているのです。
時間と人材の負担が大きい
一般的に認識されているよりも、時間と人材の負担が大きいのが事務の仕事です。たとえばデータ入力業務は手作業で入力した上で間違いを目視で確認しなければいけません。細かくチェックしていると作業に想定以上の時間がかかります。さらに、ルーティンワークの多い事務は、日々の変化が少なく飽きやすい環境です。その中でもミスなく業務を進めなければならず、精神的な負担を感じているケースもあるでしょう。
事務業務にストレスを感じやすい人材に事務を任せると、従業員の負担になり離職につながる上に、平均以上に業務にかかる時間が長いなどの問題が発生するのです。
事務処理を効率化する手順
ここからは事務処理を効率化する手順について解説しましょう。
- 現状の事務の内容、課題点の把握
- タスク管理を徹底し、優先順位を設定する
- 目標設定を行う
- 役割分担の見直し
この順で取り組み、事務処理の効率化を図ってください。
現状の事務の内容、課題点の把握
まずは現状の把握に努めましょう。細かく業務に関わる人物や工数、作業フローを見直して、どの工程にどのようなスキルを持つ人がどのくらいの人数と期間必要とされているのかを洗い出します。
現状の事務の内容を把握した後は、課題点を見つけ出す必要があります。どの工程で何が問題となって時間が掛かっているのかなどを見つけ出してください。例としては、上流工程で行った業務を下流工程で再度別の従業員が行っていた、チェック担当者が一人しかいないためにそこで滞る業務がある、などが挙げられます。属人化していないか、時間を掛け過ぎていないか、作業が重複していないか等を見直していきましょう。
タスク管理を徹底し、優先順位を設定する
課題を見つけ出したら、タスク管理を徹底してください。その上で業務の優先順位を決めると良いでしょう。業務タスクの管理はしっかりと見える化しておくことで、従業員個人はもちろん、会社全体で業務の流れを把握することができます。タスク管理の際は、業務の内容だけではなく、担当者名や作業完了期日や予定日も合わせてまとめておくとより効率的に業務を進められます。
優先順位は、期日や重要度から判断して社内で容易に確認できる状態にしておくと良いでしょう。優先順位を決定する際に意識するのは取り組む順番だけではありません。各業務に掛かる時間も踏まえた上で調整する必要があります。長時間掛かる業務ならば優先して進めて、合間に短時間で終わる作業をするなどの工夫をするとよりスピーディーに複数の事務処理を終えられます。
目標設定を行う
業務効率化で大切なのは目標設定を行うことです。優先順位をつける際には想定作業時間を意識しましたが、実際に作業する際にどのくらいの時間で終わらせるかという目標設定も重要です。なぜなら、目標に向かって努力する高い意識が芽生え効率的に終わらせようと従業員一人ひとりが考えるからです。さらに、設定した目標を達成した時の達成感はその後のモチベーションにもつながります。
小さな目標を掲げそれを達成するという繰り返しによって、一人ひとりが目的意識を持って業務に取り組める環境づくりを目指しましょう。
役割分担の見直し
また、業務効率化で欠かせないのは役割分担の見直しです。事務作業は雑務の延長だと認識されやすい背景もあり、従業員の得手不得手まで考慮せずに担当者を割り振るケースは多くあります。個人が持つスキルや性格などを踏まえた上で担当者を設定すると、業務効率が上がる可能性は大きいのです。
誰でもできる仕事だと思わずに、ルーティンワークが苦ではない人に任せたり、チェック業務よりも単純作業が好きな人にはデータ入力を任せたりと工夫して役割分担をしていくと良いでしょう。それぞれの特性を最大限発揮できるように人事配置を考えられれば、業務効率が上がり会社の業績向上が期待できます。
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まとめ
業務効率化は、従業員にとっても会社にとっても大きなメリットが望めるため、事務の業務効率の見直しは重要です。適切な順序で、適切な改善案を実行して、より従業員が働きやすく長く勤められる環境づくりに取り組んでいきましょう。それが結果として会社全体の発展に役立つのです。