セキュリティ人材とは?求められるスキルや人材育成の方法について解説
時代の流れともにIT技術は進歩しており、新しいサービス・機能が年々増えています。しかしその分不正アクセスやウイルス感染の危険性も高まっており、対策も十分に考慮しなくてはいけません。そのためには、セキュリティ分野に精通した人材の確保が重要といえるでしょう。また採用だけではなく、その後の人材育成も十分に検討する必要があります。
今回はセキュリティ人材に求める能力や現在の市場価値、育成方法ついて解説します。
セキュリティ人材とは
セキュリティに関係するスキル・知識が豊富な人材を「セキュリティ人材」といいます。ウイルスや不正アクセスによる被害を出さないために、対策や管理を行うことがおもな役割です。IT技術が発展してきたと同時に、サイバー攻撃の脅威も大きくなっています。万が一セキュリティ被害を受けてしまった場合、企業の情報や資金だけでなく、信頼も著しく失ってしまう危険性があります。そのためセキュアな体制を構築できる人材は必要不可欠であり、今後の需要も増加するでしょう。
しかし実際にセキュリティ人材には、どのようなスキルが必要なのかイマイチわからない方もいると思います。こちらでは求められているスキルについて説明します。
セキュリティ人材に必要なスキル
セキュリティ人材に求められているスキルは職種に応じて異なります。しかし共通して言えることは「非常に幅広い分野のスキルが求められている」ということです。
- 最新技術動向把握の手法
- システム活用の促進と評価
- ソリューションビジネス
- 現行システムの調査と分析手法
- 情報セキュリティポリシー作成手法
このような数多くのスキルが必要です。上記のスキル以外にも、問題を発見して解決するためには取引先との円滑なやり取りが大切なので、コミュニケーションスキルも欠かせません。また時代の流れとともに、求められているスキルも少しずつ変化しています。2014年にサイバーセキュリティ基本法が公布され、人材育成を強化する取り組みが本格的にはじまりました。その後もスキル強化の取り組みが段階的に進められており、今後もIT技術が進歩していくとともに、さらに新しいスキルの修得が必要になってくると考えられます。
このようなことから、セキュリティ人材に求められているスキルは非常に多いものの、時代が発展していくとともにその需要が高まっている職業といえます。
現在のセキュリティ人材の市場価値
先ほどの項目で説明したとおり、企業のセキュリティ対策を整えられる人材の需要は時代とともに高まっています。ITの進歩を具体的に説明すると、以下のような技術があげられます。
- AI(人工知能)
- IoT(モノのインターネット)
- ロボット技術
これらの新しい技術が進んでいると同時に、より強固なセキュリティの必要性も増加しています。そのため技術の進歩にともない、管理・保護する役割を持った人材の市場価値は高いです。またコロナウイルスの影響でリモートワーク、オンラインサービスが増加したこともあり、さらに需要が拡大している状態です。
しかし備えるべきスキルと市場価値の高さ、コロナウイルスの影響が重なったことが原因で、セキュリティ人材は不足しています。新技術を搭載したい、セキュリティ面を強化したいと計画していても、管理する人材がいないために停滞して頭を抱えている企業も多いです。日本は海外の企業と比較しても人材が大きく不足している傾向にあり、今後も大きな課題となることが予想されます。
このようにセキュリティ人材の市場価値は高いですが、需要と供給のバランスがとれていないのが現状です。
セキュリティ人材の採用方法
セキュリティ人材が不足している課題を解決するためには、以下の方法があげられます。
- 外部での研修サービスの利用
- 人材探しを海外で行う
企業によってはセキュリティ対策の育成には限界があり、人材の採用が進まない原因の1つに「十分なスキルを持っていない」ことがあげられます。外部で専門的なスキルを学べるサービスを利用すれば、その原因を解消できます。外部研修により企業内では得られなかった知識を取り入れやすいため、スキルの獲得につながりやすいです。
また研修で得られたノウハウを企業内でアウトプットすることで、別のスタッフの知識も深まります。人材のスキルが十分でなくとも、入職後の外部研修で成長を促す体制を整えておけば、人材不足の対策となるでしょう。
海外から人材を探す方法もおすすめです。セキュリティ人材は日本では少ないですが、海外では比較的充実している傾向にあります。そのため日本に限らず、海外にも視野を広げると人材不足が解消しやすいです。とくに海外に進出しているグローバルな企業にとっては有効打となりやすいです。スキルが豊富な人材を採用して、その知識を日本のスタッフにも共有すれば質のいい人材育成にもつながります。
このように人材の採用が難しい状況でも視点を変えれば、解決への糸口が見つかるかもしれません。
求められるセキュリティ人材像
企業によって求められるセキュリティ人材の傾向は以下のとおりです。
- デジタル技術の浸透に積極的な人
- 専門分野ではなくとも、セキュリティに関係する知識を身につけている人
- AIやIoTなど、新しいIT技術に関係する知識を身につけている人
- 経営業務に携わりながらも、セキュリティに関係する知識を身につけている人
- 都市部以外の地域でサービスを提供できる人
- セキュリティに関係した資格を持ち、そのスキルを十分に発揮できる人
- 販売会社として活躍できるほどのスキルを保有している人
保有しているスキルが充実している人材の採用も大切ですが、採用後のサポート体制も欠かせません。日々IT分野は成長していくので、既存のスキルを保有しているだけでは新しい技術に対応できない場合も考えられるでしょう。そのため採用前の人材の吟味だけではなく、採用後の育成プランも事前に計画しておくことをおすすめします。
このように企業は優秀な人材まかせにするのではなく、時代が変化しても人材がスムーズに対応できるようにバックアップをする必要があります。人材の価値が高まっているからこそ、お互いがサポートしあえるような関係性を構築していきましょう。
セキュリティ人材の育成方法
具体的なセキュリティ人材の育成について説明します。企業はおもに外部研修を利用して育成をすることが多いと考えられます。その理由は以下のとおりです。
- そもそも企業内でスタッフの育成を行う環境が整っていない
- セキュリティ分野は他の分野と比較して育成プランを立てるのが難しい
- 流行によって新しい技術が増えていくので、その変化に追いつくのが難しい
自社でムリに育成をすると、かえって効率が悪くなりやすいです。外部研修を活用して、効率よく育成した方がメリットは多いでしょう。
外部研修もサービスによってその方法はさまざまです。「専門分野に応じて提供が異なるプラン」や「基礎的な知識から専門的な知識まで学べる範囲を選択できるプラン」など、プランによって内容が異なります。そのため専門的な分野を伸ばすのか、あるいは基礎的な分野からはじめるのか、それぞれの人材の経験・スキルにあわせて決める必要があるでしょう。また効果的な研修を行うために、人材1人1人のスキルは正確に把握しておきましょう。無料で研修のプランや相談をできるサービスもあるので、事前にサービスの具体的な内容、カリキュラムを聴取しておくこともおすすめです。
このように人材を育成するための外部研修の利用はメリットが多いです。しかしサービスによってプラン内容は異なるので、人材に獲得してもらいたいスキルを十分に把握したうえで検討してみましょう。
まとめ
IT技術が進化していく限り、セキュリティ人材の需要は今後も高まると考えられます。しかしその分求められるスキルも徐々に増えていくでしょう。課題となっている人材の確保および新しい知識の修得を解決するためには、外部研修の活用や海外人材の獲得といった工夫を凝らすことが大切です。セキュリティ人材の確保や育成に悩んでいる企業は、ぜひこの記事を参考にして新しい対策を考えてみましょう。