研修効果測定の基礎知識:1.研修効果測定が良くわからない理由
研修の効果が良くわからない2つの原因
企業内研修は多くの企業で盛んに実施されていますが、実施した研修が、効果があったのか、なかったのかを判定することは簡単ではありません。
特定の資格を取得するための研修であれば、資格試験合格率といった単純で明確な判定基準がありますが、「マネジメント」、「リーダーシップ」といった一般的で汎用的な内容の研修の場合、その効果が良くわからないまま、漫然と実施されていることが多いのではないでしょうか。
研修の効果が良くわからない原因は、多くの場合、2つの項目に要約されます。
- 研修の目的が明確に決められていない。
- 研修の効果が正しく測定されていない。
目的がはっきりしない研修の効果は測定できない
例えば、「チームメンバーのためのチームワーク」という内容の研修を、チームリーダーを対象として行う場合、比較的若手の社員が管理者としての初歩的なスキルを身に付けることを期待しているでしょう。
しかし、「管理者としての初歩的なスキル」といった漠然とした目的では、効果の有無を判定する基準がありませんので、内容をいくら変更し、何度実施しても、効果が良くわからないという状況に変わりはありません。
参考→【導入事例】
テレワーク下で求められる個別研修の実施を、スキルナビによるスキル可視化で実現
株式会社 クロスキャット 様
受講者アンケートだけでは研修の効果は測定できない
一方で、研修の効果を測る方法にも問題があります。一般的な研修では、必ずといってよいほど、受講者アンケートを実施して、その集計結果で効果を測ろうとします。しかし、このような方法で、研修効果を測定することはできません。
なぜなら、受講者アンケートはあくまでも受講者の主観的な評価であって、「マネジメント」、「リーダーシップ」といったスキルの評価には客観性が求められるからです。
また、受講者アンケートは、研修を受講した直後に行われる一時的な評価でしかありません。しかし、研修の効果が本当に表れるのは、ある程度時間が経ってからです。なぜなら、研修の内容を実務に活用して初めて効果が表れるからです。
それでは、研修効果測定の正しいやり方とは、どのようなものでしょうか。そのポイントを次の記事で解説します。