研修管理業務における脱Excel~第4回「eラーニングシステム(LMS)との連携による研修管理の効率化と高度化」
前回「タレントマネジメントシステム導入による研修管理の効率化と高度化」では、研修受講情報の一元管理を実現するタレントマネジメントシステムを使用した研修管理フローと、スキル評価との連動による研修効果測定について解説しました。
最終回の今回は、研修管理業務のさらなる効率化と高度化を可能にするタレントマネジメントシステムとeラーニングシステム(LMS)との連携について解説します。
最新のeラーニングシステム
最新のeラーニングシステム(LMS)は、クラウドサービスとして提供され、低コストで利用できるだけではなく、以前のオンプレミス型のeラーニングシステム(LMS)と比べるとさまざまな面で機能や利便性が向上しています。
ここでは、最新のeラーニングシステム(LMS)の例として、KIYOラーニング社が提供するeラーニング・クラウドサービスAirCourse ( https://aircourse.com/ )の特徴を見てみましょう。
■eラーニングシステムの特徴
- いつでもどこでも、スマホ、タブレット、PCで学べる。
- 導入コスト0円、低コストで十分な教育ができる。
- 目的・職種・レベル別などの、わかりやすく質の高い標準コンテンツがあらかじめ揃っている。
- 社員自らコンテンツ(動画、テキスト、問題など)を手軽にアップし、業務ノウハウを簡単に社内で共有できる。
- 教育の実施履歴、社員の成績など、社員教育の情報を一元管理できる。
1と2はインターネットを介して個人モバイル端末からアクセスでき、従来のオンプレミス型のeラーニングシステム(LMS)のような初期投資が不要なクラウドサービスならではの特徴といえますが、3以降がスキルナビのようなタレントマネジメントシステムの連携と観点からは重要となります。
3の標準コンテンツは、最新のeラーニングシステム(LMS)の特徴の一つで、AirCourseの場合、以下の図にあるように、新人向けマナー教育やコンプライアンス教育をはじめとする60以上(2018年11月現在)の研修コンテンツがすぐに利用可能となっています。
これらの標準コンテンツと、4の自社オリジナル研修を組み合わせることで、研修管理者は研修カリキュラムの作成をきわめて効率的に行うことができます。
eラーニングシステムとタレントマネジメントシステムの連携
一方で、スキルナビのようなタレントマネジメントシステムの研修管理機能は、事前に選定された研修コースの情報を登録しスキルと紐づけるところから始まります。
つまり、AirCourseのような最新のeラーニングシステム(LMS)とスキルナビのようなタレントマネジメントシステムが連携することで、研修の企画段階から始まる研修管理のすべての業務範囲をカバーすることができるようになります。
5もタレントマネジメントシステムの連携と観点からは重要となります。AirCourseのような最新のeラーニングシステム(LMS)では、教育の実施履歴、社員の成績など、社員教育の情報を一元管理することができます。
これは、ある意味ではタレントマネジメントシステムの研修管理機能と重複する機能といえます。
しかし、eラーニングシステム(LMS)で管理される研修関連情報とタレントマネジメントシステムにおける研修関連情報の中身には違いがあります。
例えば、AirCourseのような最新のeラーニングシステム(LMS)には、以下の図の例のようなテスト機能があります。
AirCourseの場合、ビデオ講座を見た後に、理解度テストを行うことができ、成績が自動的に記録されるようになっています。つまり、研修の理解度を客観的に測るための定量的なデータが管理されているということです。
一方で、スキルナビのようなタレントマネジメントシステムにおいては、研修コースの情報とスキルレベルの情報が関連しており、あるスキルレベルの達成に必要な研修コースがどれであるかという情報が管理されています。
つまり、AirCourseのような最新のeラーニングシステム(LMS)とスキルナビのようなタレントマネジメントシステムが連携することで、AirCourseで記録されたテスト結果のデータをスキルナビに送り、点数に応じてスキルレベル判定を行うといった効率化、高度化が可能になります。
連載記事
第1回「Excelによる研修管理の課題」
第2回「研修管理システムに求められる機能」