AIで業務効率化!生産性を上げられる業務と活用事例を紹介
生産性を向上させるために、AIの導入を検討する企業も多いでしょう。時代の進化により、AIが人間よりも高い成果を上げる場面も増えてきました。では、AIを取り入れる場合、適している仕事は何でしょうか。そこで今回は、AIが向いている効率化できる業務と活用事例を解説していきます。
AIとは
AIは人工知能とも呼ばれ、コンピュータが様々な動き・表現・感性を学び、社会に役立てるためのものです。
身近なところでは自動運転車や人工知能ロボットなどがあります。自動運転車は本来人間が運転すべき自動車をAIが自動運転してくれる車です。AIが運転パターンを学習し、最短ルートで目的地まで走行します。まだ開発段階ではあるものの、注目が集まっています。
また、人工知能ロボットはまるで人間のように会話や動きができるロボットです。自動運転車と違い、目にする機会も多いでしょう。最近ではショッピングモールや携帯ショップに設置し、人間の代わりにガイドするロボットもいます。他にも、様々な分野でAIが導入され、科学技術の発展に向けて研究が進められているのです。
AIとRPAの違い
AIに似たIT用語としてRPAがあります。RPAは業務を自動化するツールであり、一見するとAIとの役割は同じです。
しかし、両者には大きな違いがあります。AIは人工知能により、人間のように自発的に意思決定を行うのが一般的です。人間が指令を出さなくても、AI自身の判断によって行動できます。
対してRPAは自動で作業を行ってくれるものの、人の指示が無ければ動きません。ルーティン作業をRPA化するには作業手順や確認方法をロボットに認識させる必要があるのです。
両者の違いは「自分自身で判断できるか」であり、それぞれの違いを理解した上で、業務効率化を目指していく必要があります。
AIが向いている効率化できる業務
AIが向いている業務を解説していきます。
営業のデータ収集・分析
近年では営業の現場においても、AIが導入されるケースが増えてきています。営業を行うにあたっては、正しく情報を収集した上で顧客へアプローチする必要があります。
例えば、法人向けにPCを販売するとなれば、顧客の情報や競合相手の動向などは必須です。PCは価格やスペックが購入の決め手になるため「現状どんなPCを使っているのか?」「競合他社はどんな価格で対応しているのか?」などを事前に調査する必要があります。
しかし、情報を一から人間の手で収集するのは現実的ではありません。そこで活躍するのがAIです。AIであれば、営業に必要なデータを収集し、さらに効率的に販売できるよう分析までしてくれます。あとは担当者が分析結果をもとにクロージングしていくのです。AIを活用すれば、営業の生産性が大きく向上します。
問い合わせ対応
問い合わせ対応についても、AIによって業務を効率化できます。よく見られるのはAIによるチャットボットです。
例えば、スマホに関する問い合わせ対応フォームにて「スマホのボタンが反応しません」と入力すると「これから紹介する方法を試してください」と返答があります。対応方法の一覧が表示され、ユーザーは対応リストをもとにスマホを確認していくのです。
それでも改善されなければオペレーターへ繋ぐ流れになります。チャットボットを導入することによって、簡単な一次対応を人間が行う必要はありません。技術的な内容だけ対応すれば良いのです。人を採用するコストが削減でき、より正確な対応が実現します。
採用の書類審査
採用の現場でもAIを導入するシーンが増えてきました。例えば、AIに採用希望の人物像を学習させ、エントリーシート全体の特徴から判断させたり。エントリーシートに使われる単語の傾向から特徴を分析したり。採用担当者の負担が減るだけでなく、より質の高い審査ができます。
採用の現場においては「自分の高校の後輩だから通してみよう」「文章はほとんど書いていないけど、表情が素敵だから書類審査は合格にしよう」など、採用担当者の主観が入りがちです。
AIを導入すれば、そのような感情的な採用にならず、客観的に自社が求める人材を採用できます。AIに任せることで、採用担当者は面談や質疑対応に専念できるのもメリットです。
受注処理や検品業務
工場や物流の現場における、受注処理や検品業務にもAIが導入されはじめてきています。以前まではFAXや書類で商品の受け取りを行ってきましたが、最近は販売管理システムや画像認識技術によって自動化されているのです。
システムと自動連携することによって、在庫差異のトラブルを防げます。また、人間の手によって検品する手間も省けるため、人件費削減にもつながります。
近年、工場や物流現場における、受注・検品業務の事故が増えているのも事実。大きいサイズの在庫を人が持ち運んだり、確認したりすれば、重大事故にもなりかねません。AIであれば、そのような事故のリスクも軽減できます。
設備の老朽化や機械の故障等の検知・発見
設備の安全を保つために、人工知能を導入するケースも増えてきています。これまでは、ビルや工場などの建物は人間の目で安全を確認してきました。
しかし、AIを導入することによって、点検がむずかしい設備も容易に確認できたり、点検箇所が多岐に渡る建物でも短時間でチェックできたり。安全かつ効率的に点検が可能になります。
また、点検者の技術に左右されず、精度の高い点検が実現するのです。担当者によって点検漏れが発生するリスクも防げるでしょう。
AIの活用事例
ここからはAIの活用事例を紹介していきます。
行政の窓口対応業務
行政の窓口対応にもAIが導入されています。具体的には前述したAIチャットボットを採用する自治体が増えてきました。チャットボットであれば、休日・祝日時間問わず対応できるため、重宝されています。
また、外国人向けに自動音声翻訳ツールを導入するケースも。日本に住む外国人の数は年々増えており、対応に困る行政も増えているのが現状です。
そんな中、対面でも外国人と良好なコミュニケーションを取るためのツールとして、自動音声翻訳ツールに期待がかかっています。
採用活動の効率化
書類選考でAIを導入しているケースは前述しましたが、面接にAIを採用して効率化を図る企業もあります。
本来であれば面接官は人間であるものの、AIが代わって面接を行うのです。人間同士の面接同様、質問のやりとりによって合否を判断していきます。AIには「なぜ当社を志望したのですか?」「入社したらどんな仕事をしたいですか?」などの一般的な内容を含めた、100以上の質問を搭載。応募者の回答に対してロボットがさらに質問していきます。
人件費を抑えられるだけでなく、採用基準に偏りが出ない点もメリットです。導入企業は少ないものの、現在大きく注目されています。
問い合わせメールへの対応
問い合わせメールへの対応についても、AIを活用するケースが増えてきています。本ケースはAIチャットボットとは異なり、問い合わせに対して最良の回答をAIが提案するツールです。とくに大企業であれば、問い合わせ件数は数えきれないほどの量となるでしょう。人間が全て手動で対応していては非効率です。
そこで、AIが過去の対応メールを分析し、質問内容に合った一次回答を担当者へ提案していきます。担当者はAIが作成したメールを確認し、そのままメールする場合もあれば、細かい点を修正するケースもあります。一からすべて作成する必要がなくなり、大きな業務効率化が図れるのです。
高精度の不良品検知
ものづくりの現場においても、AIが活用されています。一般的に生産ラインの確認工程では、人間の目視・手触・臭気確認によって行われているのが現状。
しかし、確認に時間をかけても、ミスやトラブルは起きてしまうのです。そこで、現在はAIによる画像認識によって不良品が検知できるようになりました。
AIに搭載された多くの確認パターンにより、不良品の有無を識別していきます。従業員の負担が減るだけでなく、確認の精度も上がるのです。
道路点検業務の効率化
道路点検業務でもAIが活用されています。活用されるシーンは「道路のひび割れ」の検出です。一般的には作業員が目視で道路の状態を確認していきます。
しかし、交通量が多い都道府県では管理が困難です。AIによる道路点検では車載カメラで収集した情報から、修繕の有無を判断していきます。低コストで道路管理が実現し、補修が必要な場合でも迅速に対応できるのです。
AIの活用で仕事の質を上げる
毎日取り組んでいる仕事を見渡すと、AIによって効率化できる業務もあるかもしれません。
とくに問い合わせ対応や営業はAIが活躍できる業務でもあります。AIチャットボットを導入したり、営業のデータ解析をAIに頼ったり。業務コストが削減できるだけでなく、仕事の質が大きく上がるはずです。
この機会に是非AIの導入を検討してみましょう。