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自己啓発とは?ビジネスにおける効果やメリット・デメリット、手段などを解説

自己啓発とは

AIが急速に発展した世の中となり、人による仕事は年々減少しています。実際に20年後は今の半数がAIに取って代わると言われているのです。その中で人間が職を得ていくためには、人としての成長が必要不可欠です。実際に重宝がられる人は自己啓発を欠かさず、常に向上心を持って業務へ取り組んでいます。そこで今回は自己啓発のメリットや手段について解説します。

自己啓発とは?

自己啓発とは自分自身の能力やスキルを高め、トータルな人間力を向上させる取り組みです。自己は自分自身、啓発は新しい知識や理解を教え導く意味があります。2つの言葉を総合すると「自分自身への気付きを深め、成長に向けてまいしんする」と捉えられます。

ビジネスの現場では常に自己成長が必要です。現在は売り手市場で希望の会社へ入りやすいですが、今後買い手市場へと変化する可能性も考えられます。そうなった場合、生き残れるのは人間力の高い人です。自己啓発を欠かさない人とも言い換えられます。とくに近年は仕事において、AIが人に取って代わる場面も増えました。その中で生き抜くには自己成長が必要なのです。

自己啓発と言っても、取り組む範囲は膨大と言えます。代表的なのは書籍の購入やセミナー参加です。とくに身近なのは書籍の購入です。ほとんどの書店には自己啓発コーナーが設けられているほど、読者には人気のジャンルです。

自己啓発本は手軽に購入でき、どんな場所でも学習できるのが大きなメリットです。セミナーは投資額が高額であるものの、得られるリターンは大きいです。講師が直接講演を行うため、スキルが身に付きやすいと言われています。このように、自己啓発に取り組む方は、まず自分に合った学習手段を探していきましょう。

能力開発との違い

自己啓発と似た言葉で能力開発があります。いずれも「自分自身を高める」意味では同じですが、根本的に異なる言葉であるのは念頭に置いておきましょう。能力開発はすでに持ち合わせている能力やスキルを見つけ、そこから高めていく取り組みです。

具体的には他者を交え、お互いに資質や才能を発見していきます。他者を通じて分かった自分の強みは、自己学習やコミュニケーションによって伸ばしていくのです。

一方、自己啓発は自分自身と向き合い、新たにスキルや能力を培っていきます。「1人で真摯に向き合う」のが自己啓発のポイントです。能力開発のように他者と交わるわけではありません。

加えて自分の才能を一から伸ばしていくのも重要な点です。すでにあるスキルや能力を磨く能力開発とは異なります。

また、能力開発には集合型研修・職場研修・外部研修機関の利用などがあります。集合型研修とは複数人を招集して行う研修です。グループディスカッションやワークショップなどが該当します。他者の意見を参考にし、自分自身と向き合っていきます。

職場研修にはOJTやOFF-JTなどがあります。実践で失敗と成功を繰り返す中で、気付きを与えるのが目的です。OFF-JTでは座学を中心に能力を磨いていきます。

最後の外部研修の利用はアウトソーシングと置き換えてもよいでしょう。外部講師を呼んだり、プログラムを導入したり。自社の負担が大幅に減るメリットもあり、近年は外部研修機関の利用に注目が集まっています。

自己啓発の具体例

自己啓発の具体例について解説します。

ビジネスに関連するスキルを身につける

ビジネスに関連するスキルを身につけるのは、即効性のある取り組みです。代表的なのは資格取得です。資格は目に見える形でアピールできるため、備えているスキルや能力が伝わりやすいです。

例えばMBA・中小企業診断士・簿記などは業界問わず、所持していると企業からの印象は良いです。就職や転職で有利になるケースもあり、ビジネスパーソンに人気の高い資格です。

実際に資格を取得し、転職を経て年収アップにつながったケースもあります。資格によっては取得難易度が高いものの、その分取得するメリットは大きいです。

また、テクニカルスキルを身につけるのも効果的です。例えばプログラミングスキルやライティングスキルなどです。資格のように目に見えるわけではないものの、仕事で役立つ場面もあります。

とくにライティングスキルはビジネス全般で効果を発揮します。最近は在宅勤務が主流となり、メールやチャットでコミュニケーションを図る機会が増えました。

顔を合わせず、文章のみでやりとりする方も多いでしょう。その中で好印象を与える方に共通しているのは「あたたかみのある文章を書いている人」「結論を先に書いている方」などです。仕事を有利に進めるためにも、ビジネス関連のスキルを身につけていきましょう。

プライベートを充実させる

一般的にプライベートは「遊び」と認識されており、自己啓発の「鍛錬」「学習」といった言葉とは正反対に捉えられるかもしれません。しかし、プライベートを充実させる取り組みも、立派な自己啓発です。オフの時間を有意義に過ごせると、心に余裕ができます。

ゆとりを持って仕事に取り組めれば、期待以上の結果が出る可能性も高まるでしょう。実際に仕事がデキる人に共通しているのは、休日に趣味や習い事を充実させているケースが多いです。とくに筋トレ・ランニング・登山など、適度に体を動かす趣味は社会人におすすめと言えます。軽い運動はストレス発散や健康維持にもつながり、自己肯定感が上がるキッカケにもなります。

また、プライベートを充実させると、会話の引き出しが多くなるのもメリットです。話題が増えれば、社内・社外の方と仲良くなれる確率が上がります。

コミュニケーションがうまくとれると、仕事がやりやすくなるのは言うまでもありません。営業の方は成約につながったり、取引先を紹介してくれたりする場合もあります。とはいえ、評判が良くない趣味に取り組むのは逆効果です。ギャンブルやアイドルおっかけなどは印象が悪くなるケースもあります。そのため、奇抜な趣味に取り組むのは控えておくのが良いでしょう。

良好な人間関係を構築する

良好な人間関係を構築する取り組みも、自己啓発につながります。

例えば、社内の身近な人と仲良くしていれば、ふと貴重な情報を得られるかもしれません。好きな趣味を極めるコツや、新たな楽しみ方などを教えてくれる可能性も高まります。結果的にプライベートが充実し、自己啓発へとつながっていくのです。

また、円滑なコミュニケーションを取るためには「自己開示」「傾聴」が大切なポイントです。

自分自身をオープンにすると、相手に自分の情報を明確に伝えられます。どのような人間であるかを発信できるのです。結果として安心感につながり、相手も感情や気持ちを伝えやすくなります。「話していて壁があるな」と感じる人は、自己開示を積極的にしてみましょう。

傾聴は相手の話を親身になって聴く意味があります。自己開示で自分自身をオープンにするだけでなく、相手の話を聴く姿勢も重要です。

相手が心地良いと感じるコミュニケーションの割合は2(話す):8(聴く)と言われています(自分から見て)。人は一般的に「話を聞いてほしい生き物」であり、たわいもない話を聞いてくれる人を好きになりやすいです。そのため、日常の会話では聴く意識も高めていきましょう。

自己啓発が必要とされる理由

現在は約7割の労働者が「自己啓発を行っていない」と答えています(令和2年厚生労働省発表「令和元年度能力開発基本調査」より)。10人のうち、3人程度しか自己啓発を行っていない計算です。

中身を紐解くと、自己啓発の必要性を感じていなかったり、時間がなかったりなど、自己啓発に取り組まない人の多くは、そのように答えています。ではなぜ自己啓発にチャレンジする人が少なく、積極的に取り組む必要があるのでしょうか。

社会人にとって学習する時間は必要です。学びを得なければ、ビジネスパーソンとして大成しません。とくに社会人や転職間もない人は、既存社員よりもスキルや経験が乏しいです。

同じラインに立とうと思えば、既存社員以上の自己啓発が必要不可欠です。さらに「業績でトップに立ちたい」「チームをまとめていきたい」とあれば、日々の努力は欠かせません。実際にリーダーや経営者の多くは自己啓発に取り組んでおり、日々の学習を業務へいかんなく発揮しています。

当然、間違った方向で自己啓発を行っても無意味ですが、まずは自分自身を高めたいと思う気持ちが大切です。

ビジネスにおける自己啓発の効果

自己啓発を行って目に見えて分かる効果として、ビジネスにおけるパフォーマンスアップがあります。例えば、話し方や伝え方のスキルをアップすると、プレゼンで結果が出はじめるでしょう。より分かりやすく、シンプルに話せれば、聞き手への説得力も高まります。

社内の評判が高まり、出世できる確率もアップするはずです。たとえ、すぐに昇進できなくても、数年後には効果としてあらわれてきます。地道な努力は嘘をつきません。

また、自己啓発を行うと転職や就職でも有利になります。「資格を取得したところで何ら状況は変わらない」と思うかもしれません。たしかに一昔前は学歴や年齢でふるい落としにかけられる場面も多かったです。しかし、現在は人間性やスキルに着目する企業が増加しています。

表面上の条件だけでなく、内面的な部分までを採用基準に入れ始めました。そのため、資格やスキルを取得すれば、様々な企業からアプローチを受けます。とくに専門職は資格の有無によって印象が変わり、企業によっては資格取得が必須条件となっている場合もあります。

キャリアの選択肢が広がるのは言うまでもなく、転職や就職に困りません。結果的に自信へとつながり、ビジネスにおけるパフォーマンスアップにつながるのです。

自己啓発で向上するスキル

自己啓発で向上するスキルにはポータブルスキルとテクニカルスキルがあります。ポータブルスキルとは業界・業種を問わず、どの会社でも通用するスキルです。

ポータブルには「持ち運びできる」「携帯可能な」といった意味があります。持ち運びできるスキル、すなわちどんな環境でも活かせる力と言い換えられるでしょう。具体的にはマネジメントスキル・コミュニケーション力・ITリテラシーなどがあります。

いずれも企業側が社員に対して求めるスキルです。習得するには時間がかかる反面、身につくと大きな効果が得られます。とくにマネジメントスキルは現代において欠かせないスキルであり、転職では企業側からの印象は良いです。

一方、テクニカルスキルとはポータブルスキルに該当しない能力です。専門かつ技術的なスキルが当てはまります。具体的にはプログラミングスキル・ライティングスキル・デザインスキルなど、特定の業界・業種で発揮できる力です。

属する業界や業種に沿って資格取得やスキルアップを目指せば、おのずと力はついていきます。ポータブルスキルと異なり「何を勉強すればいいか」「どの資格を取得したら良いか」などが明確です。

最近はデジタル人材が重宝される時代となったため、DX・クラウド・ビッグデータといった分野を学習する方が増えています。

自己啓発のメリット・デメリット

自己啓発のメリット・デメリットを解説します。

メリット

自己啓発の大きなメリットは、習得できれば仕事にすぐ活かせる点です。例えばコミュニケーション力が上がれば、成約数や商談成立率は上昇するでしょう。

「相手が何を望んでいるのか?」「どのような視点で話せば納得してくれるか?」などが把握しやすいため、要求通りの提案ができます。さらに、コミュニケーションによって生じる心理的ストレスが軽減されるため、仕事へのモチベーションが上がりやすいです。

また、リーダーシップやマネジメントを学んでおくと、仕事を広い視点で捉えられます。たとえリーダーでなくても「こんなとき自分がリーダーだったらどんな指示を出すか?」「もし自分が上司なら違う指示を出すな」など、一歩踏み込んで仕事ができます。

結果的にいざ自分がリーダーになった際、迷いやためらいなくスムーズに指示が出せるのです。これは社内に限った話ではなく、社外においても同様。俯瞰して物事を見るクセがつけば、商談や交渉で主導権を握れます。このように自己啓発に取り組むメリットは大きく、仕事で成果を出すなら迷わず実践していきましょう。

デメリット

自己啓発はときに知識だけが先行してしまうケースもあります。本を読んだり、セミナーに参加したりする取り組みは良いのですが、自分の頭で考えられなくなります。

トラブルや困った場面に遭遇しても、臨機応変に対応できません。「あの筆者がこう言っていたから」「セミナーで対処法を学んだから」と頭でっかちになってしまうのです。結果的に本やセミナーで学んだ内容を活かしきれず、出費だけがかさんでいきます。

自己啓発に取り組む際は学んだ内容に加え、自分の考えや経験を織り交ぜていきましょう。すると、自己啓発の効果は何倍にもなります。

また、自己啓発は詐欺被害とも隣り合わせです。自己啓発はのめり込みやすいのも特徴です。とくに向上心の高い人や、人の意見を聞き入れやすい方はハマりやすい傾向にあります。

そのような人を狙って、中身が伴わない高額商材を販売する者や、参加費用数十万円のセミナーを開催し、友人の勧誘を強制的に行わせる人もいます。もちろん自己啓発はメリットが大きいものの、デメリットも考慮して取り組んでいきましょう。

自己啓発のための手段

自己啓発のための手段を解説します。

関連書籍を読む

書籍購読の大きなメリットは1冊1,000~2,000円で場所を選ばずに学べる点です。通勤や移動時間など、空いた時間を利用して学習できます。忙しい方やセミナーに参加するのが億劫な方でも安心です。関連書籍のジャンルはIT・会計・語学など幅広く用意されています。もちろん、代表的なジャンルである自己啓発本も人気が途絶えません。

「チーズはどこへ消えた?」「7つの習慣」などは不朽の名作であり、ビジネスパーソンであれば読んでおきたい1冊です。とくにチーズはどこへ消えた?は現代のビジネス社会で生き残るために大切な内容が書かれています。

また、関連書籍の購入費用が高いと感じる方は、図書館を利用する方法もおすすめです。図書館を活用すれば、書籍の購入費用はかかりません。さらに、図書館には年代の古い書籍も用意されています。

「本を買って失敗したくないな」「1,000円と言えどもったいない」と感じる方は図書館も利用してみましょう。

講座・セミナーに参加する

自己啓発講座やセミナーに参加するのも有効な手段です。大きなメリットは講師や作者の話を間近で聞ける点。本やパソコンで学ぶよりも身に付きやすいと言えます。

耳や目に直に情報として入ってくるため、新しい知識やスキルを習得しやすいのです。これは直接的コミュニケーションと呼ばれ、実際に営業やセールスでも使われています。実際に会って話せば、質の高いコミュニケーションがうまれます。話し手は言葉に加え、表情や態度なども交えて伝えられるもの。聞き手はそんな身振り手振りから、より情報を受け取れます。大事な契約がかかっている営業マンが、取引先と直接会って商談するのはこのためです。

また、直接的コミュニケーションとは対照的に、間接的コミュニケーションと呼ばれる方法があります。直接会って話すのではなく、メールや電話などで顔を合わせずに伝達し合います。

時間をかけず気軽にコミュニケーションが取れるものの、情報を伝える側と受け取る側でそごが発生する可能性もあります。時間に余裕のある方は講座やセミナーへぜひ一度参加してみましょう。

コンサルティングを受ける

プロのコーチと1on1で自己啓発を進めるのも1つの方法です。以前は書籍やセミナーなどが学習手段として主流であったものの、オンラインコミュニケーションの加速化もあり、コンサルティングが近年人気です。細かい意味は異なりますが、コーチングとも言い換えられます。

コンサルティングの大きなメリットは、経験豊富なコーチとマンツーマンでやりとりできる点です。自分自身の悩みや困りごとを事細かく聞いてもらえ、それに沿って二人三脚で進めていきます。書籍購読やセミナー参加よりも、より自発的に取り組めるのです。「話を聞くだけでなく、私の悩みも聞いてほしい」「現状の問題に対して細かいアドバイスがほしい」などの希望をお持ちの方には最適でしょう。

デメリットは自己啓発の手段の中で、最も費用がかかりやすい点です。一般的に1時間1~3万円で設定されています。セミナーへの平均参加費用が5,000円前後と考えると、その差は歴然でしょう。

最近は無料で体験できるコーチングもあるため、興味のある方は一度体験してから本申し込みしましょう。

交流会に参加する

自己啓発交流会に参加するのも、自分自身を高められる手段と言えます。ビジネスの場では異業種交流会とも呼ばれます。交流会に参加する最大のメリットは同志とふれあえる点です。

仲間の悩みや疑問を共有できるため、解決の糸口が見つかりやすいです。「私ならこうするかもしれない」「実際僕はこんな方法で試して成功したよ」など、様々な意見を聞けるのも大きな利点でしょう。交流会によっては100名程度と触れ合える場合もあり、活用次第では有意義な時間を過ごせます。

また、自己啓発に意欲のある方が集まっているため、モチベーションが上がりやすいのも特徴です。「あの人が頑張っているなら私も!」「参加した人の話を聞けてやる気が出た」と思わせてくれるキッカケにもなります。

仕事でやる気が感じられなくなった方や、自己啓発にマンネリを感じている人にとっては現状打破できる可能性もあります。人によっては交流会へ参加したのを機に、そのまま仲間と交流が続く方もいます。

会社ができる自己啓発支援

会社ができる自己啓発支援について解説します。

書籍購入制度を導入

書籍購入制度とは、企業側が従業員の書籍購入を支援する制度です。具体的には企業が負担額を明記し、金額の範囲内で書籍を購入します。例えば「書籍購入制度年間5,000円」とあれば、書籍購入金額5,000円分を企業が負担するのです。企業側は従業員から領収書をもらって精算していきます。

購入書籍のジャンルは心理学やマネジメントなどのポータブルスキルを高めるものから、資格取得にはじまるテクニカルスキルを上げられるものまでなど、基本的にはビジネスにかかわる書籍であれば問題ありません。

書籍購入制度導入のメリットはコストパフォーマンスが大きい点です。やる気のある社員にだけ支援できるため、失敗するリスクが少ないです。従業員も自分が気に入った本だけを購入(実質0円で購入)でき、学習内容が頭に入ってきやすいと言えます。

また、書籍購入制度は所有権についても事前にとりまとめておきましょう。

会社・社員が所有権を持つ場合で対応は異なります。社員が所有権を持つ場合は課税対象となるケースもあります。導入する際は専門家へ確認し、いらぬトラブルは避けていきましょう。

セミナー受講・コンサル利用をサポート

セミナー受講・コンサル利用をサポートするのも、自己啓発を推進させる取り組みです。セミナーやコンサルは一般的に自己啓発の効果が高いと言えます。

しかし「費用が高い」「参加する時間がない」といった理由から、積極的に行動へ移せないケースもあります。書籍購読と比較すると、なかなか気軽にチャレンジできません。そのような金銭的・時間的ハードルの高さを取り除けば、自己啓発に取り組む方も増えるでしょう。

まず金銭的ハードルの高さを排除する具体的な方法としては、参加費用のサポートがあげられます。書籍購入サポートと同じく負担金額を設定し、金額の範囲内であれば自由に参加できるとします。

もしくは会社側がコンサル企業と契約し、個人の気持ち次第で無料参加可能とするのもよいでしょう。

また、時間的ハードルの高さを取り除くために、業務扱いにする方法もあります。「休日を犠牲にしてまで参加したくない」「貴重な時間を使うのはリスクが高い」などの懸念事項にも対応可能です。

社員が業務時間に抜けるのは負担になるものの、長い目で見れば企業の成長へとつながります。

研修を実施

自己啓発支援型の研修を導入してみるのも、1つの方法です。研修実施の大きなメリットは費用をかけず、自己啓発を促せる点です。書籍・セミナー・コンサルの場合は社員1人数千~数万円かかるものの、研修を自社で完結させれば実質0円でサポートできます。負担となるのは研修講師の業務時間のみです。

研修実施期間の他にも、研修に必要な資料作成の時間やアフターフォローの時間も想定しておくと良いでしょう。

また、研修実施は講師が成長するメリットもあります。具体的には講師である管理職の成長に期待が持てます。社内研修を実施するとなれば、伝える内容をあらためて学習しなければいけません。社員が興味を持って受講するには、話し方や表情なども工夫する必要があるでしょう。

このように研修を実施するだけでも、社員が一歩成長します。「社員に自己啓発をすすめたいけど予算がない」「管理職の成長を促したい」と考えている方には、研修の実施が適しています。

自己啓発に取り組む時の注意点

自己啓発に取り組む時の注意点やポイントは3つあります。まず1点目は目的の明確化です。自己啓発の目的をハッキリさせておくと、最短ルートで成長へとつなげられます。反対に目的が不明瞭のまま取り組んでも、自己啓発の効果は得られません。

かけた費用や時間が無駄になってしまいます。そのためにも「ビジネスの幅を広げるため、2年後までにTOEIC800点を取る」「来年の12月までにマネジメントスキルをつける」など、数字で明白にしておくのがポイントです。

2つ目は自己啓発には出費が伴う点です。コンサルティングになると高額であるのは言うまでもなく、書籍の購入であっても費用はかさみます。1冊2,000円の書籍を5冊買えば10,000円となり、安い買い物とは言えないでしょう。中にはシリーズ化されている書籍もあり、複数冊購入しなくては完結しないケースもあります。自己啓発に取り組む場合は、あらかじめ投資資金を用意するのがポイントです。

最後は過度なのめり込みには注意が必要な点です。自分に合いそうな著者や講師がいると、つい我を忘れて深入りしてしまいます。人によっては数百万円を投資し、自己啓発に熱中しすぎてしまう方もいます。

もちろんそれだけのリターンが得られれば良いものの、現実はそう甘くはありません。自己啓発を始める際は冷静な気持ちで取り組んでいきましょう。

自己啓発に取り組みスキルを向上させましょう

自己啓発とは自分自身の能力やスキルを高め、トータルな人間力を向上させる行為です。

ビジネスパーソンである限り、自己啓発は必須と言えます。なぜなら、現代は時代の変化が激しく、それに伴って自分自身も成長していく必要があるからです。自己啓発へ取り組むには書籍の購入・セミナー参加・コンサルティングへの申し込みなどがあります。

中でも書籍の購入は金銭的・時間的ハードルが低く、初心者にはおすすめです。企業側も書籍購入制度を導入したり、研修を実施したりすると、社員が積極的に自己啓発へ取り組めます。目的を明確にし、冷静な気持ちで自己啓発を行っていきましょう。