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評価者の主観に左右されがちだった店舗評価で、店舗データの集計・計算により客観的な「定量評価」を実現

セブン&アイ・フードシステムズ

評価者の主観に左右されない「定量評価」と、300以上ある店舗の評価業務の効率化を実現するために、システム化を決断した

スキルナビ導入以前に感じていた課題は?

スキルナビ導入以前は、評価において重視するポイントが、評価者によりまちまちで評価結果が属人的・中心化の傾向があり、評価結果を評価者の異なる店舗間で比較することができない状況でした。そのため、今回のスキルナビ導入に合わせて、店舗データから評価点数を計算する「定量評価」を導入することにしました。

また、以前は300以上あるデニーズ店舗の評価に、3枚複写式の紙を使用していたため、紙の評価シートの配布や回収に時間がとられ、評価完了までに3ヵ月程度かかっていました。さらに、評価シートの所在を常に把握しておくことが難しいため、進捗状況を確認するのも大変でした。この非効率な評価業務を改善することが今回のシステム化のもう一つの目的でした。

店舗データをスキルナビに連携させ、44項目の評価点数を自動的に計算させることで、「定量評価」を実現できた

-「定量評価」の具体的な実現方法は?

評価項目としては、「安全・安心」、「就業管理」、「教育」、「営業行為」、「経費管理」の5つの大項目を設定し、最終的には44項目に細分化しました。具体的には、「就業管理」であれば「長時間残業の回数」、「教育」であれば「早期退職率」、「営業行為」であれば「苦情/お褒め件数」といったような項目です。

このような店舗データは、以前から基幹システムなどである程度は見られる状態でしたが、店舗評価(被評価者は店長)を行うエリアマネージャー(10店舗程度を統括)や営業部長(100店舗程度を統括)によって、どの数値を重視するか、どういう閾値で判断するかといった評価基準が属人化していました。そこで、今回は元データがある複数のシステムからスキルナビに月1回の頻度でデータを転送し、スキルナビ内部で評価点数を自動計算させるようにしました。

コロナ禍により店舗の経営環境が変化したため、導入期間中に評価基準の見直しを余儀なくされたが、2021年7月には運用を開始することができた。

– コロナ禍による導入プロジェクトへの影響は?

コロナ禍により店舗経営は大きな打撃を受けたため、以前の評価基準となっていた常識や価値観が大きく変わり、評価項目や基準値をいったん見直すことを余儀なくされました。具体的には、売上、利益などコロナ禍の影響の大きい評価項目は絞り込み、コロナ禍でもあまり影響がないような項目に着目して評価項目の体系を見直しました。結果として、当初の計画からは1年ほど遅れはしたものの、2021年7月からの運用開始にこぎつけることができました。

評価業務の効率化はもちろんのこと、「定量評価」の実現により、店舗評価の透明性と公平感が増加した

– スキルナビ導入後見えてきた変化は?

紙ベースの評価から脱却したことで、評価業務の効率化については、大きな効果がありました。特に進捗確認のしやすさについては、システム化したことで劇的に改善しました。また、組織移動や人事異動に伴う評価シートの送付先変更や過去の評価シートの引継といった煩雑な作業がなくなりました。一方、評価者の側では、紙の送付タイミングや面談スケジュールに依存しなくなったことで、評価者が自分の好きなタイミングで評価を行えることが好感を持たれています。

今回「定量評価」を開始するにあたって、評価点の計算方法や採点の閾値といった評価基準に関わる全ての情報を事前に開示しました。開示することには、正直不安もありましたが、以前よりも透明性と公平感が増加したと考えています。また、以前の評価では目立たなかった実力のある店長が高評価を得るようになったり、以前より評価が下がってしまった店長から自分の弱点が良くわかるようになったという声があがったりと、予想以上の効果が出ていると感じています。

店舗の特性と店長の特性のマッチングにより、適切な人材を求められる場所に異動させる人材配置の最適化を目指す

– 今後のスキルナビを活用するさらなる展開について教えてください。

「定量評価」により蓄積されたデータから、それぞれの店長の持つ強みがわかってくるので、今後は、各人の強みを生かせる人材配置を目指したいと考えています。店舗にはカラーがあり、管理が求められている店舗や売り上げが求められている店舗などさまざまです。こういった店舗に対して、「定量評価」のデータを分析し、同時に蓄積される本人のキャリアステップ希望の情報も加味して、人事から最適な人材を提案することができるようになると考えています。

設立:2007年1月10日
資本金:30億円
従業員数:13,817名(正社員1,184名、パート社員12,633名)(2021年2月末現在)
事業内容:レストラン事業(デニーズ他)、ファストフード事業、コントラクトフード事業

話者プロフィール

人事部 人事企画
小山 優樹 様

人事部 人事企画
安藤 正則 様