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1on1の効果とは?導入メリットをあますことなく解説

1on1の効果とは?

近年、1on1を導入する会社が増えています。それは企業の成長には部下との密なコミュニケーションが必要になったからです。実際に業績が順調に伸びている会社は確かな信頼関係が築かれています。今回はそんな1on1の特徴や効果を見ていきましょう。

1on1とは?

1on1について以下より解説していきます。

1on1の意味

1on1は上司と部下のマンツーマンで行われるミーティングです。今日では採用企業が劇的に増加しており、効果の高さでも話題になっています。多くの企業が注目する背景には、世界の一流企業が導入後に成功を収めた事例があるからでしょう。誰もが知るグーグル・フェイスブック・アップルなど、各分野でトップの実績を誇った影には1on1を採用した経緯がありました。以前までは部下とまったく会話をしない上司もいたそうです。コミュニケーション手段はメールのみであり、たとえ隣の席であっても文章でやりとりを済ませていました。メールには感情が含まれていないため、本質がなかなかつかめなかったのです。そこで、週1回約30分のミーティングを行った結果、コミュニケーションが良化。以前よりも業務がスムーズにいき、認識の齟齬が発生しなくなりました。対面により表情や口調から本音を引き出せたのはもちろん、なによりも部下の率直な意見が引き出せたのは大きいと言えます。意思疎通が図れた効果もあり、業績は向上していったのです。そんな世界をリードする企業が成功した背景からも、日本企業が積極的に1on1を取り入れる動きが広まっています。今後、さらに導入企業は増え、社員全員が働きやすい環境へと変化していくかもしれません。

人事面談との違い

1on1と人事面談の大きな違いは実施目的です。人事面談は主に部下への評価・業務指示・連絡を目的としています。「今期の評価は『B』ランク。だからAへ上げるためにもっとミスを無くそう」「今年から新プロジェクトを行う。そのためにマーケティングから営業へと異動してもらう」など、上司からのトップダウンが多かったです。一方、1on1は部下から問題点・課題・改善案を引き出す狙いがあります。人事面談は上司が上の立場だったのに対し、1on1は対等。部下は悩みや疑問を素直に打ち明けやすいのです。部下から聞き出した意見をもとに業務へ活かし、会社の成長へと役立てていきます。また、1on1と人事面談では開催サイクルの違いも注目です。人事面談はおもに半年に一度、多くても四半期に一度が一般的でしょう。あくまで評価や業務指示といった最低限のコミュニケーションを目的としているため、頻繁に面談を行う必要はないからです。反対に1on1は週に1回、または2週間に1回が基本。部下の現状を綿密に分析するため、実施回数は多くなります。さらに、変化が激しいビジネス社会において、週ごとに違った意見が聞けるのは大きなメリットと言えるでしょう。以上のように1on1と人事面談の違いは実施目的と開催サイクルにあります。

1on1の効果

1on1の効果は以下のとおりです。

コミュニケーションのきっかけになる

1on1を導入するとコミュニケーションのきっかけになります。なぜなら半年に1回の人事面談で終わっていた意思疎通も、週に1回のミーティングで情報交換ができるからです。前述のとおり、上司と部下の会話をメールやチャットで済ませている企業も多いでしょう。中には同じ会社にいながら一日に一言も話さないケースもあります。やはり文章だけのコミュニケーションよりも、顔を見て話すと伝わってくる情報量が違うのです。言葉には感情や思いが込められており、より説得力が増すでしょう。普段知れない人柄やスキルを会話の中から引き出せるかもしれません。また、メリットがあるのは上司だけではなく、部下も上司に対して不満や悩みを打ち明けられます。なかなかメールで伝えられなくても、言葉で発信すれば納得してくれる可能性も高まるのです。このように、仕事の基本はやはり人間関係にあります。コミュニケーションの機会を設けるために、1on1を導入する価値はあるでしょう。

部下との信頼関係の構築

1on1は部下との信頼関係構築にも役立ちます。良い仕事をする会社は間違いなく部下と上司がお互い信頼し合っています。二人の絆がうまれているからこそ、毎日モチベーション高く、求められた役割を確実に果たしているのです。とくに現代社会は上司と部下の関係が希薄になっています。能力主義が広まっている中でも、依然として年功序列社会は崩れていません。若くて優秀な人材は会社から去り、役職者はますます高齢化していきます。結果、新入社員は歳の離れた上司と関係を築かなければいけません。コミュニケーション力に優れた若い社員であれば問題ありませんが、全員が対話力に優れているとは言えないです。「会話したくても話しかけづらい」「話しかけても怒られそう」「そもそも何を話題にすればよいか分からない」などの問題がうまれてしまうのです。事実、現在の日本は上記の悩みを抱える若手社員が多いでしょう。そのため、1on1を導入すれば話すきっかけがうまれ、お互いに信頼関係が築けます。なかなか口に出せない悩みも、徐々に打ち上けられるはずです。1on1はコミュニケーションのきっかけをつくるだけでなく、部下との信頼関係構築にもつながります。

部下の成長の促進

1on1を導入すると部下の成長の促進につながります。部下の悩みや疑問に寄り添ってあげれば、成長の手助けとなるはずです。会社には上司が手を差し伸べなくても勝手に成長する優秀な社員もいますが、限りなく少ないと言ってよいでしょう。ほとんどの方は上司の経験と実績にもとづいた確かなアドバイスや指導によって成長でき、会社の一翼を担っています。そんな成長の機会を与えられるのも1on1あってこそです。週に一度部下とコミュニケーションを取れば、分からない問題を分からないままに終わらせません。間違った方向へ進む心配もないため、正しく成長していけます。また、1on1では疑問や悩みに沿ったアドバイスだけでなく、自分の頭で考える癖をつけていくと良いでしょう。やらされ仕事ではなく、責任感持って仕事に取り組めます。「失敗した原因は何だと思う?」「結果が出せたのはどんな行動を取ったから?」「次のステップへいくためにはどれくらいの時間が必要?」など、答えは部下に出させると良いです。成長がより期待できます。

部下への理解の向上

1on1は部下への理解の向上にも役立ちます。上司にとって部下は謎の存在かもしれません。話す機会が無ければ、お互い何も知らぬまま仕事をしている可能性もあります。とくに1on1では仕事以外のプライベートな内容も話すことを推奨しているのです。例えば、休日の過ごし方・家族関係・将来の夢など、普段話さない話題も提供してみると良いでしょう。部下の家族関係が分かれば仕事にも関係してきます。「下にきょうだいが3人もいるから、リーダーを任せてみよう」「女性が多い環境で育ったから、女性の部下をつけてみよう」などのヒントが見つかります。家族関係が分かるだけでも仕事に役立ち、適正を見極められるかもしれないのです。また、休日の過ごし方を聞くと意外な共通点がうまれる可能性もあります。趣味が一緒ならたちまち距離は縮まっていくでしょう。休日に同じ趣味で楽しんでも良いです。1on1を導入すれば部下をより理解でき、仕事の品質が高まっていきます。

部下のモチベーション向上

1on1を導入すると部下のモチベーション向上につながります。一般的に現代の若い世代は褒められてやる気が上がっていきます。厳しく接しても委縮するケースが多いです。1on1であれば、周りの目を気にせず本人を称賛できます。とくに社内の評判や仕事の評価を伝えてあげると良いでしょう。周囲の評価を気にして仕事をする社員も多いです。第三者からの声をストレートに伝えてあげると、仕事のやる気はさらに上がっていきます。例えば「みんなからの信頼はすごく厚いよ」「丁寧な仕事は社員全員が褒めている」「部下が頼れる先輩として一目置いているよ」などを伝えると本人は嬉しい気持ちになります。そして、部下が責任持って仕事すると離職率が下がっていくのです。優秀な社員が辞める心配もなく、世代交代がうまく進んでいきます。結果的に上司自身の仕事がスムーズにいき、業務が効率的にまわせるのです。部下のモチベーションアップは各所で良い影響を与え、会社全体の業績向上につながります。

まとめ

1on1は人事面談と違い、上司と部下の対等な関係によって行われるミーティングです。上司は部下の日常の悩み・疑問・改善点を上手く引き出し、毎日はたらきやすい環境をつくるのがポイントと言えます。また、1on1を導入できれば、コミュニケーションのきっかけをつくれて、部下の成長を後押しできるのです。そのためにも1on1の重要性を理解し、導入の検討を行っていきましょう。