導入企業増加中の1on1ツールとは?
時代の変化とともに、1on1のミーティングを取り入れている企業は増加傾向です。
しかし1on1は必ず効果が現れるわけではなく、方法を間違ってしまうと意味のない話し合いとなってしまいます。
うまく活用するためには、ツールの使用がおすすめです。
今回は1on1ミーティングの概要やツールの特徴についてご紹介したいと思います。
1on1ミーティングの目的
従業員とのマンツーマンで話し合うことが1on1ミーティングです。内容としては作業の進捗状況や成績関連、個人の相談事などが主です。目的としては従業員のスキルの向上・モチベーションのアップなどがあげられます。また1on1によって信頼性を高めるだけでなく、離職の防止にも期待ができるでしょう。
このミーティングの質を上げるために使用されるのが「1on1ツール」です。1on1ツールには予定の調整や話した内容の記録といった、さまざまな機能が搭載されています。
⇒1on1ミーティングの目的について詳しく知りたい方はこちら
注目を浴びる理由
1on1ツールは少しずつ注目されており、導入する企業が増加していますが、どのような背景があるのかについて解説します。
リモートワークの浸透
コロナウイルスの影響によって在宅ワークの増加が理由の1つです。
上司と従業員が対面で会話する機会が減少したことで、1on1でのミーティングを定期的に実施する企業が増えました。在宅ワークではビデオやチャットといったコミュニケーションツールを使えば、大まかなやりとりに支障をきたすことはありません。しかし従業員の細かい様子に気づきにくいので、うまくコミュニケーションがとれないことがあります。そこでリモートでもコミュニケーションの質を高めるために、1on1ツールの導入が増えたということです。
HRテックの発展
HRテックが進化したのも理由の1つです。
人事業務に関しても、AIやクラウドといった技術を活用したサービスが普及してきています。そのためスキルがなくても情報を簡単に管理・分析できるようになりました。1on1ツールもその1つであるため、導入する企業が増加したと考えられます。
1on1ツールの選定ポイント
1on1ツールにもさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
選定する際にはどのようなポイントをおさえるべきかを解説します。
運用の手軽さ
ツールを導入したとしても、うまく運用できなければ意味がありません。誰でも簡単に運用できるようなツールを選択することがポイントです。複雑なデザインだと操作が煩雑になってしまい、思った効果が期待できない場合があります。
またツールの特徴がそれぞれ異なるのはもちろん、自社のスタイルにマッチしているのかも考えなければいけません。運用がしやすく、自社との相性がいいツールを選びましょう。
カスタマイズ性
企業内の環境が変わっても、柔軟に対応できるツールがおすすめです。設定のカスタマイズ性が低いと活用の幅が狭まってしまい、十分な運用ができません。長期的なツールの運用を検討する場合は、今後の環境の変化も見据えたうえで選ぶことが大切です。
定着に向けてのサポート
ツールの効果や必要性を把握しても、使い方を十分に理解していないと意味がありません。ツールの活用が定着できるサポート体制があるのが望ましいです。そのためにはツールの機能に頼るだけではなく、企業内で操作を共有する場を設けるなどの工夫も必要です。
ツール使用のメリット
1on1ツールの具体的なメリットについて解説します。
管理が簡単
業務内容をまとめて管理できるので、作業にかかる負担を軽減できます。ミーティングを行うには、その前後にもやるべき業務があります。事前のセッティングや希望日時の調整、ミーティング終了後の記録整理など、トータルで考えると業務量はかなり多いといえるでしょう。業務内容もバラバラになりやすいので、人為的なミスが生じやすいです。ツールを使用すれば業務の工程が明確になり、ムダなく管理が可能です。
信頼関係の構築が可能
ツールの使用によって従業員との信頼関係を作りやすいです。ミーティングの経過を追うことで、それぞれの従業員とどのような目的で話し合うべきかが明確になります。また前回と比較したときの変化がわかりやすいので、的確なフィードバックを返しやすいです。従業員と良好な関係を作りたいときや、成長につなげたいときにも役に立つツールといえるでしょう。
モチベーションの向上
従業員のモチベーションを上げるキッカケにもなります。マンツーマンでの話し合いはお互いの思いをじっくりと共有できる場でもあります。普段ではわからなかった従業員の本音が聞けるかもしれません。ツールを使用することで本当の思いを汲み取り、今後の改善に役立てます。従業員のモチベーションが上がれば社内の雰囲気も良くなり、離職の防止にもつながるでしょう。
ツール使用のデメリット
ツールの使用はメリットばかりではなく、デメリットも踏まえたうえで、使用方法を考える必要があります。
業務量の増加
ツールの使用はかえって業務量が増えてしまう可能性があります。とくにマンツーマンで話し合う機会が少ない企業は、頻度や時間の設定を1から考えないといけません。また人数が多ければ多いほど管理も難しくなるでしょう。導入前後は作業が多くなりやすいので、従業員と協力して負担を分散させるなどの工夫をしましょう。
効果が得られるまで時間がかかる
ツールの効果は短時間では発揮しません。ミーティングを繰り返し行わないとデータが蓄積しないので、すぐには分析・改善を実行できません。従業員との信頼構築やモチベーションを高めたい場合も同様です。長期的に使用すれば徐々に効果が現れるので、焦らず継続することが大切です。またツールを導入する目的によって効果を発揮する時間は変動します。
業務が忙しいなかでツールを導入すると負担がかなり大きくなるので、時間に余裕がある時期から準備することをおすすめします。
まとめ
1on1ツールをうまく活用すれば、ミーティングの質だけでなく従業員との関係を良好に保つことができます。しかしうまく活用できないと、業務の負担ばかり増えてしまい意味がありません。そうならないためにも企業の特性にあったツールを検討し、導入後も定着できるような体制を整えておきましょう。