保育士の人事評価は目標設定が決め手!目標設定の方法を徹底解説
近年、人事評価制度の導入されている保育園増加しています。しかし、人事評価のなかで目標を設定する意味や、そもそも目標を立てたことはないというのが現状です。
人事評価というのは、細かくルールを設定し、それを運用していくことで情報が蓄積されていき、データとして活用することで経営戦略や採用・育成に役立てていくものです。そのため、なんとなく運用していると、不満が溜まってしまったり、ただ時間がとられているというマイナスイメージとなってしまいます。
本記事では、保育士が目標を立てる意味から、具体的な目標、その振り返りの行い方までを解説します。
保育士が目標を立てる意味
保育園や幼稚園で1年で1回から2回程度行われる目標設定は、保育士の方向性のすり合わせを行うことはもちろん、働くうえで求められていることや一人一人のやりがいを作るために行われています。
- 仕事のモチベーションを高める
- スキルアップを行う
- 後輩の育成を行う
大きく分けてこのような効果が期待できるでしょう。
仕事のモチベーションを高める
目標設定を行うことで、仕事に対してのやりがいを見つけることができるでしょう。
保育士の業務は子供の面倒を見るだけではありません。行事の計画や、事務作業など多岐にわたります。日々の業務に追われる中で、1年後の目指すべき姿やゴールが決まっているのと決まっていないのでは毎日の仕事のやりがいに違いが出てくるでしょう。
また、細かく目標を設定することで、未来の自分をイメージすることができ、離職率も下がるでしょう。
スキルアップを行う
目標を立てていく中で、自分に足りていないスキルが見えてくることがあるでしょう。
目標設定を定めていなければ、見過ごしてしまい後々になって後悔してしまう、なんてこともなくなります。
積極的に研修に参加したり、資格を取るなど能動的に仕事のために動くことができるようになるでしょう。
後輩の育成を行う
勤続年数が上がってくると、後輩の育成を行うこともあるでしょう。しかし、初めての後輩指導となるとどこから指導をすればよいのか、どの程度のレベルまで引き上げるべきなのかわかりませんよね。
そんな時に後輩育成のための目標設定を行っておくことで、1年後に後輩が何ができるようになっていればいいのかが明確にわかるため、後輩の育成がスムーズに行われたり、積極的に後輩育成を行う環境になるでしょう。
保育士が目標を立てるコツ
保育士が目標を立てるときはポイントが3つあります。多岐にわたる業務の中で、ざっくりとどんな目標が立てられるか振り分けを行ってみましょう。
- 数字を用いた目標設定を行う
- 自分がいまできていないことを目標設定に入れる
- 得意なことをさらに伸ばす目標設定を行う
この3つのポイントを目標の中に入れましょう。
数字を用いた目標設定を行う
目標設定はなるべく数字を使って立てましょう。数字を用いることで、具体的な目標になります。数字の達成度によって、自分の頑張りや課題が見つかっていきます。
また、この数字目標はなるべく細かく、そして期限も自分の中で決めましょう。明確にゴールを明確に設けることで、具体的な行動を起こすことができます。
自分がいまできていないことを目標設定に入れる
せっかく目標設定を行うのであれば、まだできないことができるようになるようにしましょう。憧れの上司がどのようにそのスキルを手に入れたのかなどコツを聞いて、毎日の学習のルーティーンに組み込んでもいいですね。
また、この目標設定を行うときは客観的視点を忘れず行いましょう。自分ではできていないつもりでも、周りから見ればできているように見えることもあります。「できていないこと」を目標に入れるときは他者の意見も取り入れましょう。
得意なことをさらに伸ばす目標設定を行う
目標設定は今の自分よりもさらに上の自分になるために行うものなので、できないことばかり目標においていると大変だと感じてしまうことも多いでしょう。
そのため、今の自分が得意なことをさらに伸ばすような目標も入れるとモチベーションを下げることなく、目標に向かって頑張ることができるでしょう。
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【勤続年数別】保育士の目標の立て方の例
目標設定は、勤続年数で変化していきます。どのような目標を立てればレベルアップしていけるのでしょうか。
勤続1年目の保育士
1年目はまずは職場になれることがいちばんの目標でしょう。日常的に起こる業務を滞りなく行えることが大切です。
職場になれることを目標にした例
- 毎日の業務を先輩の助けがなくできるようになる
1年間の中で、毎日ルーティーン的に行われる業務があるでしょう。まずはその業務を先輩の助けがなくてもできるようになるよう、1年間仕事をしましょう。
ノートをとって、始業前に朝会から帰りの階までの流れを読んでみたり、子供の顔と名前を一致させるなどといった基本的ですが保育士にとって大切な業務です。
子供に楽しんでもらうためにスキルアップする例
- 朝の会で行う手遊びを毎週変えて、1年間で48個覚える
保育士を目指したからには、子供たちに楽しんでもらえる遊びやスキルを身に着けたいですよね。
行事ごとを引っ張っていくことは難しいかもしれませんが、手遊びや折り紙、童謡などを覚え現場で生かせるスキルとして活用するとよいでしょう。また、具体的に何個覚えるなどど数で表すとよいでしょう。
社会人としてのマナーを覚える例
- 報告、連絡、相談を徹底する
社会人1年目ですから、保育士としてのスキルというよりも社会人としてのマナーを覚えることを優先にしてもよいでしょう。
特に、保育士は保護者の方への報告業務が多発するでしょう。どのように伝えるのがわかりやすいのか工夫を凝らして信頼関係の構築を行いましょう。
勤続2年目の保育士
2年目になったら、1年目の反省を生かした目標設定を行うとよいでしょう。
行事の企画を考え、成功させる例
- 子どもの興味や流行に敏感になり、子供が楽しんで行える企画にする
保育士2年目になると仕事にも少し慣れてきて、少し余裕が出てくるでしょう。子供たちが何に興味を持ち、飽きずに取り組めるのかを見極めるのも保育士としてのスキルでしょう。
1年目の反省をもとにした例
- 1年間の流れを意識し、見通しを持って業務を遂行する
2年目では、1年目の経験から年間の行事などを見通しをもって計画を進めることが大切です。そのため、何日前までには準備を終わらせ、プラスアルファで行うとよいことなどをメモしておくとよいでしょう。
先輩保育士や保護者とのコミュニケーションを大切にする例
- 先輩保育士の2年目に行ってよかったことを聞き、実践する
- よかったことを保護者に報告できるよう子供の様子を見る
仕事に慣れた2年目は、先輩保育士や保護者の方とのコミュニケーションをとる余裕を持てるとよいでしょう。
先輩保育士のアドバイスに耳を傾け自己成長をしたり、保護者への報告をしっかり行い感謝されることで自信をもることができるでしょう。
勤続3年目の保育士
勤続3年目になると、後輩の指導を任せられることもあるかもしれません。後輩指導も意識した目標設定を行うのがよいでしょう。
後輩の指導を目標にした例
- 後輩に業務を伝え、フォローを丁寧に行うことで信頼関係を構築し相談されるような関係になる
3年目になると、クラス担任や後輩指導を任されたりするかもしれません。そのため、子どもだけではなく、後輩保育士への気配りも忘れずに行わなければなりません。
後輩との信頼関係を構築し、相談しやすい間柄になるというのが大切です。
保育にまつわるスキルを向上させる例
- 子どもの発達段階を学び、より質の高い指導や遊びを提供できるようになる
3年目には、クラス担任を任されることもあるでしょう。そのなかで大切にしたいことは、保育の質を高めるというものでしょう。
子どもの発達はとても早いものです。3年目では、保育士として子どもの力を伸ばすために、自身の指導方法や刺激を追求するとよいでしょう。
勤続7年目の保育士
勤続7年目となると、中堅~ベテランへとなる期間です。この期間は保育士人生の中でも1位、2位をあらw層大切な期間となるでしょう。
キャリアアップを目標にした例
- 副主任へのキャリアアップを見据えて、キャリアアップ講習を受講し、年間で6講座取得
勤続7年目となり、中堅からベテランへとステップアップするにあたって、副主任保育士など役職に就きたいと感じる保育士も多くいます。
キャリアアップ研修や勉強会への参加など、積極的に行うことで将来のキャリアが開けてくるでしょう。
チームワークを考えた例
- 1週間のうちで1つ、現場の改善点を見つけ、翌週の月曜に現場チームで共有する
7年目では中堅保育士として後輩を指導する機会も増えてくるでしょう。よりよい職場環境・チームワークを目指すうえで、課題を見つけ共有することは大切です。
全体に目を向け、よりよい園作りを行いましょう。
勤続10年目の保育士
勤続年数10年になれば、もう立派なベテラン保育士でしょう。園全体を見ることはもちろん、後輩のキャリアアップ支援などを行えるような目標を定めましょう。
キャリアアップ支援を目標にした例
- キャリアアップを目指している後輩の研修を行い、園内に研修内容を還元する
勤続10年目を超えると後輩から頼られることが多くなり、キャリアアップの相談をされることも多くなるのではないでしょうか。
キャリアアップ研修で学んだことを後輩に還元し、よりよい園を作っていくことに力を注ぎましょう。
マネジメントを目標にした例
- マネジメントや保育に関する本を月に3冊読み、チームワークをよくする
10年目のベテラン保育士となると、保育士全員をまとめる主任の立場にもなるでしょう。そういったときに、マネジメントのスキルや人一倍保育の知識が必要になってきます。
常に新しい知識をインプットして、実践していきましょう。
目標を立てた後の振り返り方
目標設定を行った後、振り返りを行うこともとても大切です。
自己評価を行うことはもちろん、上司や後輩からもフィードバックをもらうとよいでしょう。
自己評価は大体、四半期ごとにこまめに行うのがよいでしょう。常にPDCAを回し、目標達成に向けてのモチベーション維持に努めましょう。
保育士の目標管理もスキルナビで
スキルナビでは、上司からの評価を受けることはもちろん、自己評価を行うことも可能です。
さらに、他者評価と自己評価の乖離を一覧で見ることができるため、自身の認知の乖離にいち早く気づき改善することが可能です。
PC作業に慣れていなくても簡単にグラフ化できるため、日々の業務に追われる中でも簡単に目標管理をすることができます。