正社員登用制度とは?正社員になるメリット、デメリットを解説!
「短期契約の求人があったけど、正社員とは何が違うの?」「長期的に勤めたいけど、契約社員として転職して大丈夫?」転職活動中に、こんな疑問を感じた方は必見です。
『契約社員』の利点・欠点や正社員との違いなど、転職する時に確認しておきたいポイントを詳しく解説します。様々な働き方を見比べて、あなたに合った転職先を探すヒントにしてみてください。
契約社員と正社員の違いとは
「契約社員」の特徴は以下の通りです。
- 雇用期間が定められている
- 非正規の雇用を受けている
- 賞与や福利厚生はなく、収入が不安定
- ワークライフバランスは取りやすい
- 自身の業務に専念できる
一方で、「正社員」の特徴は以下の通りです。
- 雇用期間が定められていない
- 正規の雇用を受けている
- 賞与や福利厚生が充実しており、収入が安定する
- 企業によっては、労働時間の関係でワークライフバランスが取りにくい
- 人間関係は一定のことが多い
大きく特徴づけると上記のようになり、それぞれに利点があるということが伺えます。
正社員のメリット
正規雇用で働くことの利点をあげると、以下の通りになります。
- 定年までの雇用が期待できる
- 仕事の裁量が大きい
- 賞与や退職金が支給される
- 手当てが充実している
- 社内研修などを活用しやすい
- 社会的に信頼されやすい
労働基準法によって正社員を解雇するための条件がいくつか定められており、企業は簡単に社員を解雇できません。なので、「手当てが充実していてほしい、社会的な信頼がほしい」という方にはおすすめです。
正社員のデメリット
上記であげたような、ほかにはない利点が、「正規雇用」の社員にはたくさんあります。その一方で、良い点ばかりではなく悪い点も存在します。
所属する会社や職種、業種によっても差はありますが、一般的に欠点とされているものを確認します。
- 仕事に対する責任が重い
- 転勤、異動の可能性がある
- 残業や休日出勤など、労働時間が長くなりやすい
- やりたい仕事が必ずしもできるわけではない
「正社員」は、幅広くさまざまな仕事をする必要があり、自身のやりたくないような業務もこなさなければなりません。また急な転勤にも対応しなければならないというリスクもあり、勤務時間も残業によって長くなる傾向にあります。
契約社員のメリット
次に短期契約で勤務する「契約社員」としての利点、強みをそれぞれ詳しくお話しします。大きく分けると3つの利点があります。
フルタイムで働き、専門性を活かせる
「契約社員」は、その専門性の高さを見込まれて仕事を振られる事が多く、業務範囲も絞られている場合がほとんどです。また、アルバイトの場合、基本的にシフト制や契約時に交わした限られた時間内での勤務ですが、「契約社員」は契約条件次第ではフルタイムで働くことも可能です。そのため、結果的に月収が高くもらえるようになります。
副業をしやすい
「契約社員」の副業は法律で禁止されていません。実は、公務員以外は正社員も法律上、副業を禁止されていないのです。さらに最近の流れとして、政府は副業・兼業を推し進めています。
ただし会社によっては「契約社員」であっても禁止しているところもあるので、トラブルを避けるためにもしっかりと確認しておくことをお勧めします。
面接の難易度が正社員より低い
契約社員は、その期間満了ごとに引き続いて契約するかどうか面談します。 言い換えれば、勤務態度等が悪ければ次の契約をしなければよいわけです。 正社員は一度雇用すると定年退職までよほどの解雇理由がない限りやめさせることはできません。 従って、正社員に比べると面接のハードルは低くなる傾向にあります。
契約社員のデメリット
次に、短期間での契約で勤務する「契約社員」として働くことの欠点、弱みをそれぞれ詳しく解説します。大きく分けると5つの欠点があります。
雇用期間の定め
企業は、原則3年を超えた期間の契約をする事ができません。そのため長期の雇用は望めず、契約の延長に関しても、企業側の都合や業績悪化、その他の合理的な理由によって、受理されない場合もあるでしょう。
また同じ企業で働き続けたくても、契約更新できなければ、次の勤務先を探す必要があります。派遣社員のように派遣会社が勤務先を探してくれるわけではないため、自分で探さなければなりません。
補佐役としての業務を担当する場合もある
「正社員」と異なり、限られた業務内容のみに携わるという条件になる可能性があります。そのため「正社員」の補佐役としての業務を担当することもあり、希望していた業務に携わることができないこともあります。そういったことを事前に防ぐためにも、業務内容を確認することをお勧めします。
昇進・昇給は契約時に確認する
「契約社員」の期間内では昇進・昇給が望めず、同じ待遇のまま契約される可能性もあることを覚えておきましょう。契約更新時に昇給される会社もあるので、その点についても事前に必ず確認しておきましょう。
企業によってボーナスや退職金、福利厚生が異なる
非正規雇用の場合、賞与や退職金がもらえる企業はまだまだ少ないようです。やはり「正社員」に限定している場合がほとんどで、福利厚生についても一部だけ適用されることもあり得ます。なので、「契約社員」として就職・転職をする場合は契約書の内容をよく確認し、金銭的な待遇がどのように定められているのかをしっかり把握しておくようにしましょう。
長期ローンが組みにくい可能性がある
「正社員」と比べると、長期ローンが組めない場合もあります。住宅ローン審査の際は、雇用形態、勤続年数、勤務先などの仕事情報は必ずチェックされます。特に雇用形態に関して重視されるので、「契約社員」の場合は住宅ローンが不利になってしまうことも考えておかなければなりません。
⇒契約社員について詳しく知りたい方はこちら
契約期間満了後はどうなるか
契約満了になると派遣就業も終了するので、新たな就業先を見つける必要があります。人材派遣会社のコーディネーターと希望条件や将来に向けたキャリアイメージなどを相談しながらお仕事探しを始めるとよいでしょう。
また、人材派遣会社によっては派遣社員のスキルアップを向上するため、また資格を取得することができる教育訓練などの制度がある場合があります。それらを受講しスキルアップすることで、派遣先を多めに紹介してもらえるチャンスにも恵まれます。
正社員登用制度とは
正社員登用制度は、主にパートや「契約社員」といった非正規での雇用を受けている労働者が正社員への雇用転換を行う制度のことです。現在は幅広い業種が制度を導入しており、多くの方にキャリアアップのチャンスがあります。
正社員になれると社会的信用が上がるうえ、各種手当が増えたり、給与が安定したりするなど恩恵を受けられます。正社員登用をしているかどうかは、面接などで尋ねてみると良いでしょう。
無期雇用に変換する制度とは
無期雇用の転換ルールとは、「同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、有期雇用による「契約労働者」からの申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換されるルール」です。
労働契約期間に定めがあれば、すべて無期転換ルールの対象労働者となります。
必ず契約社員の方から申し出る必要があり、企業側はこれを受け入れなければなりません。しかし、雇用期間を除いたその他の条件はこれまで通りの場合が多いです。
社会保険の加入や有給・休日の条件
社会保険は、雇用形態に関わらず週30時間以上の労働をしている人は全員が加入対象となっています。「契約社員」の勤務時間は「正社員」に準ずることが多いため、社会保険の加入対象になります。
また、労働基準法第39条において「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。 」と定められています。そのため、契約期間に関わらずフルタイム勤務の労働者であれば10日の年休権が発生します。
まとめ
契約社員から正社員に挑戦したいという方に向けて、それぞれの利点と欠点をご紹介してきました。正社員になれるチャンスは十分にあり、無期雇用の転換ルールによって、長く勤めていた「契約社員」にとっては大きなチャンスとも言えるでしょう。
是非ともこの機会に、自身にとって正社員になった方が利点があるのかどうかよく考えてみてください。本記事が参考になれば幸いです。