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企業文化を醸成するために必要な要素とは?7つのポイントを徹底解説

企業文化を醸成するために必要な要素とは?

近年、企業文化について考えさせられる時代となりました。なぜなら、文化の確立こそが、現代の激しいビジネス競争を勝ち抜く手段だからです。では構築のポイントは何でしょうか。今回は企業文化を醸成するために必要な要素を徹底解説していきます。

企業文化とは?

企業文化とは会社が持つ価値観やビジョンなどを言います。文化は会社毎に違い、特色があります。例えば、転職した方が「企業方針が前職とは驚くほど異なる」「前の会社とは人事制度が180度違う」などと感じるのも、各企業における企業文化の違いと言えるでしょう。そして、企業文化は外部から影響を受けて作り上げ、そして磨いていくものです。近年のビジネス社会は変化が激しく、競争に勝つための対応力が必要になります。文化が現状維持であれば、たちまち波に乗り遅れてしまうのは明白です。事実、次世代の有望企業は企業文化を常に見直し、全体に共有しています。社員が一つの方向に向くため、ブレずにしなやかに時代を生きていけるのです。また、組織風土と混在されるケースも多いですが、組織風土は会社に根付いた環境を意味するため、今後ビジョンや価値観の変化はありません。醸成を目的とする企業文化とは大きく異なります。企業文化の醸成は生存競争で勝ち抜くために必須であり、あらためて自社の文化を見直す必要があるでしょう。

企業文化を醸成するために必要な要素とは?

文化醸成のために必要な要素は以下のとおりです。

ビジョン(Vision)

企業文化の醸成において、ビジョンは欠かせません。ビジョンとは会社の方向性であり、目指すべき未来です。会社の根幹とも言えます。方向性が明確になれば、後述する価値観やストーリーを作り上げるのは比較的簡単です。逆に方針がブレてしまうと、市場のニーズを汲み取ったアプローチの考案に一苦労するかもしれません。実際、業績が急落して勢いを失う企業は、ビジョンの醸成を軽視していたのも事実です。「木を見て森を見ず」のことわざ通り、細部ばかりに目を通して全体を見渡せなかったのが原因かもしれません。会社を大局的に見て方針を決めるのが大切です。このように、企業文化を醸成する上でビジョンは最も重要と言っても過言ではありません。あらためて自社のビジョンを見直し、環境の変化に対応できる方向性を示していきましょう。

果たすべき使命(Mission)

ビジョンが定まったら、企業が果たすべき使命の見直し及び再検討が必要です。別名ミッションとも呼ばれています。ミッションとはビジョンをより具体化し、企業がやり遂げなければいけない役割を指します。使命が明確になれば企業全体が一つの方向を向き、業績アップにつながるでしょう。また、ビジョンと違い、ミッションは個人対象となるケースが多いです。例えば「営業として確かなサービスを提供する」「一人一人のお客様に丁寧かつ迅速に対応する」「リーダーとして企業の色に合った人材を育てる」などがあります。現在は社員に責任感を持たせる意味でも、ミッションを課す企業も増えているのです。実際、使命を設定した企業は成長スピードが驚くほど早いのも事実。優秀なリーダーが育っています。ミッションが不明瞭な場合はあらためて企業・個人の責任について議論してみましょう。

価値観(Values)

企業の価値観は文化醸成において重要な要素です。価値観とは企業の考え方や社員の在り方を明確にした判断基準になります。ビジョンやミッションよりも更に深堀りしているのも特徴。価値観が構築されれば、勤務中の余計なストレスをなくし、社員全員が迷いなく働けるでしょう。例えば、一人一人が好き勝手にスタイルを貫いて仕事をする機会は減ります。なぜなら、「仕事はスピードを優先すべき」「困ったら考える前に相談する」などの行動様式が価値観によって確立されているからです。結果、社員同士が人間関係で悩む機会も減るでしょう。また、価値観が共有されていると、社員が自信を持って働けます。やるべき行動が明確になるため、不安や迷いなく業務に取り組めるのです。結果的に優秀なリーダーの育成が可能になります。まずは全社員が共感できる価値観を設定していきましょう。

慣行(Practices)

使命や価値観が定まったら、行動が伴っているかの確認をしましょう。慣行とは普段の行動が習慣化されている状態を指します。企業が設定した思いや考え方を上手く行動に移せれば、業績向上に結び付いていくでしょう。反対に使命や価値観を共有出来ても、正しく行動に反映されていなければ意味がありません。企業が理想とするアクションを取ってもらうためにも、経営層からの投げかけが必須なのです。例えば、残業時間の制限を掛けて効率的に取り組ませたり、営業にインセンティブをつけたりなど、環境を整備してみると良いでしょう。制度を導入できると、社員のモチベーションにもつながります。まずは日々の習慣を見直してみると良いです。

人材(People)

企業文化の醸成において、人材も欠かせません。人材の育成・採用をおろそかにする企業は成長が見込めません。企業の価値観や使命に賛同する人材を育成できれば、会社の結束力はより高まるでしょう。業績が上がるだけでなく、社員のモチベーションを高められます。結果、離職率の低下につながるのです。優秀な人材が増えれば企業の価値が上がり、さらに傑出した人材を確保できます。このように、自社に沿った人材の育成や確保は、企業文化の醸成において欠かせません。尚、人材の確保・採用ではビジョンやミッションを包み隠さず入社希望者に伝えていくと良いでしょう。採用時に伝えておくと入社後のミスマッチが防げます。加えて、入社前から価値観に共感する人を見極められるのもポイントです。

ストーリー(Narrative)

企業のストーリーは文化醸成において重要な要素です。ストーリーは会社の歴史や生い立ちであり、現在に至るまでの物語と言えます。ストーリーは会社すべてに存在し、たとえ設立間もない会社であっても物語はあります。人間にはエピソードがあるように、会社も歴史を持っているのです。そして、企業の歴史が形成され、磨き上げられると、企業が揺るぎない存在へと成長するでしょう。例えば、記念誌をつくって歴史を振り返ったり、記念パーティーを開催して外部に共有したり、名をはせた企業はほぼ間違いなくストーリーを大々的に開示しています。結果、企業の魅力にあらためて気付き、自社を取り巻く関係が深まっていくのです。また、ストーリーが構築されれば、優秀な人材も獲得しやすいでしょう。仕事ができる人間ほど、魅力的で説得力に優れた企業の生い立ちを好むのも事実です。ストーリーを形成する為にも、まずは自社の歴史を振り返ってみると良いかもしれません。

場所(Place)

企業文化の醸成において、場所の要素も欠かせません。本社や支店をどこに据えるのかは会社の未来にかかってきます。なぜなら、構えた場所によって採用できる人材や業績に大きく関わってくるからです。例えば、飛躍的に業績を上げたい企業は都心部に構えるのが無難です。駅から徒歩30分、バスもない土地に毎日出勤したい人は少ないでしょう。ターミナル駅から近く、退勤後はプライベートが充実できる場所を選ぶ方が多いはず。とくに優れた人材ほど効率を重視するため、移動に時間をかける思考はほぼ無いと見て良いです。また、大都市の近くに構えれば、取引先に恵まれる可能性も高くなります。知名度が上がりやすく、相手からするとアプローチしやすいからです。あらためて場所についても見直してみると良いでしょう。

まとめ

企業文化とは会社が持つ価値観やビジョンなどを言います。変化の激しい現代において文化形成は必須であり、常に磨き上げる必要があるのです。事実、文化が醸成された企業は名実ともに周囲から評価されています。そのためにも、ビジョン・ミッション・価値観などをあらためて、見直していくと良いです。改善すべき点は多く発見できるでしょう。