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エンパワメントとは何?注目されている理由と導入メリットを解説

個性が重要視される時代となった中で、エンパワメントがあらためて見直されてきています。売り手市場で優秀な人材が獲得できなくなった現状も少なからず後押ししているはずです。

とはいえ、企業で導入するとどんなメリットがあるのでしょうか。そこで今回はエンパワメントを採用する利点と権限委譲の注意点を中心に解説していきます。

エンパワメント(エンパワーメント)とは

エンパワメント(empowerment)は直訳すると「権限を与える」「自信を与える」などの意味になります。従業員一人一人が個性を発揮するため、自信を持って働ける環境をつくる。それがエンパワメントです。

社員の成長に伴い、他のメンバーも影響されて成長していく狙いもあります。結果的に社員だけでなく会社全体が成長する効果がうまれるのです。

世の中の流れもあり、現代を生き抜くには企業の横展開が必要となりました。新たなサービスを創出したり、新規事業を立ち上げたり。顧客を満足させるにはユニークかつ斬新な取り組みが不可欠です。

そのためには社員一人一人の考えや行動を尊重する必要があります。そこでエンパワメントがあらためて注目されはじめました。

エンパワメントの定義とは?

エンパワメントはもともとアメリカで発生したフェミニズムや先住民運動などから注目されています。「一人一人が自由であるべき」「もっと個人を尊重すべき」そのように主張したのを機に、社会的運動だけでなく企業へと考えは広がっていったのです。

実際に発祥地のアメリカは、世界で有数の個人を尊重する国と言っても良いでしょう。多民族国家の文化もあり、企業は一人一人の意見や主張を可能な限り取り入れています。

受け入れてくれる環境があるからこそ、目標や夢をハッキリ語る人も多いのが特徴。結果的に社員同士の結びつきが強く、主体性を持って働いている姿が印象的です。日本も後を追って、アメリカのような企業文化を目指していると言えます。

ビジネスにおけるエンパワメントの使い方

エンパワメントは直訳すると権限委譲です。しかし、ビジネスにおける意味合いは若干異なります。目的もなく部下へ権限を委ねるわけではありません。あくまで従業員それぞれが所持しているスキルや能力をいかに発揮させるかに注目しています。

そのような背景があるからこそ能力開花・自律的行動の促進・自己判断力の形成とも呼ばれているのは念頭に置いておきましょう。「個人を尊重すれば能力が最大限発揮できる」「主体性を持たせれば適切な判断力が身に付く」などを目的としています。

具体的な手段としては、ある企業では1on1を導入して主体性向上を図っています。上司と部下で定期的なコミュニケーションを取れば、風通しの良い関係がうまれるのです。

結果、部下は主張しやすくなり責任感を持って働けます。1on1は一例にすぎませんが、エンパワメントに着目した人事手法も登場しているのはぜひ覚えておいてください。

エンパワメントが注目される業界

エンパワメントが注目される業界を解説します。

看護・介護

まず最初に紹介するのは看護・介護業界です。看護や介護の分野における最終ゴールは心理的・身体的独立になります。看護師や介護士のサポートが無くなった瞬間こそゴールなのです。そのため、病院や介護福祉施設ではエンパワメントがあらためて注目されています。

具体的な実践内容は5つに分けられた支援設計です。成果決定→問題点の明確化→目標決定→計画立案→行動評価の5つのステップに関して、看護師と患者が話し合いながら進行します。

ここで重要となるのは患者の意見や主張を尊重する点。看護師はあくまで悩みや問題点を聞き、患者の道を正しい方向へ導く役割です。患者が中心となって5つのステップを進めて行きます。

この流れを正しく実践し、患者自身の自己肯定感を高めていくのです。結果、退院してからも自分らしく生きられます。

障害者福祉

障害者福祉の分野でもエンパワメントが注目されています。障害を持った方が自分自身の判断で生活するには、自信をつけたり考えを尊重したりする必要があるからです。そのため、障害者福祉の職場でも個性を重視するスタイルに変わりつつあります。

以前までは「苦手な分野を克服する」「全員一定水準になるまで能力を引き上げる」などの方式を取っていました。

しかし、現在ではそれぞれの得意分野を分析し、長所を伸ばすスタイルへと変更している企業が大半。なぜなら長所に着目すれば、本人もモチベーションを維持して行動できるからです。

結果的に主体性が身に付き、厳しい事態に直面しても自分で乗り越えられます。実際、このような方針転換により、強みを活かせない問題点から脱却できた企業は多いです。

教育

最後に紹介するのは教育業界です。学校や教室に通えばスキルや知識が身に付きます。

とはいえ、義務感で通っているのでは成長スピードが遅くなるでしょう。その代名詞ともいえるのが宿題です。宿題は以前まで全学校で実施しているのが常識であったものの、現在は廃止する学校も増えてきています。「宿題を与えると学校自体が嫌になる」「生徒の自由な時間を奪ってしまう」などの考えから廃止を決行しているのです。

廃止した結果、難関学校への進学率が圧倒的に増えた学校も増えたそう。学校が終わった後に学習塾へ通わせる時間も確保できました。

加えて小テストを増やし、学習時間を自主的に取り入れた学生も多くなった事実もあります。このように教育の現場でもエンパワメントが導入されているのは念頭に置いておきましょう。

エンパワメントの起源・歴史

エンパワメントの起源や歴史は前述したとおり、20世紀のアメリカで発生した公民権運動から注目されはじめました。中でもブラジルの思想家であるパウロ・フレイレ氏が働きかけたと言われています。

当時、政治的力関係が顕著であった社会において、フレイレ氏は被抑圧者に対する教育を呼びかけました。読み書きできる人が圧倒的に少なかった時代だからこそ、すべての人が平等に学習できる環境を求めたのです。

実際には「学校教育は個人を形成する最高の場であり、学習こそが将来生活を支える源となる」と訴えました。加えて、学校教育は夢・希望・幸せを感じられる原動力となる、そのような意味も込められています。

そしてフレイレ氏の呼びかけで普及した言葉が「湧活(ゆうかつ)」です。人が本来持っている能力を湧き出させる意味を持っています。湧活は1970~80年代の学生運動や女性権利運動などでもたびたび使われました。

ソロモン(B. Solomon)の著書/『黒人のエンパワーメント(Black Empowerment):抑圧されている地域社会におけるソーシャルワーク』

「黒人のエンパワーメント」の執筆者は、介護分野における自主性の促進について言及したバーバラ・ソロモン氏です。

ソロモン氏は「スティグマ化された集団の構成メンバーであることに基づくパワーの欠如状態を減らす」と提言しました。「精神疾患や身体障害を持った方に対しても、生まれもった自立心を呼び起こす必要がある」と要約できます。

さらに、疾患や障害を持った人に第三者は目的もなく手を差しのべるのではなく、本人の行動や考えを尊重した上でサポートするのが重要と理解できます。

当時は非難の声が多かったものの、時代の変化によって徐々に浸透していきました。現在の介護分野におけるエンパワーメントはソロモン氏あってこそと言えるでしょう。

エンパワメントの概念が広まった理由

エンパワメントの概念が広がった理由の一つに、社会的立場の弱い人に対する支援・救済があります。エンパワメントは一人一人が権利を所有する意味であり、弱い立場に置かれた人々がいてはならないと考えられているのです。

結果、社会福祉・介護・教育の場へと広がっていったとされています。あわせて女性運動を中心とした社会運動の発生により、急速に広がったのです。現在は普及しているエンパワメントのワードですが、当時は注目度が高まったのも後押しし、浸透されていきました。

また、エンパワメントの概念が広がった理由の一つとして心理療法も関係しています。以前までは個人の感情や考え方よりも、過去の無意識な情緒や環境に目が向けられていたもの。

しかし時代の流れによって、個人の言動や個性に着目した療法へと変わりました。結果的にエンパワメントの概念と結びついているため、広く伝わっていったのです。

なぜエンパワメントが注目されているのか

エンパワメントが注目されている理由を解説します。

現場に判断を委ねるため

エンパワメントが注目されている理由の一つに、企業全体の判断スピードと精度の向上があげられます。

現在はAIの進化によって、人間の判断を必要としない場面も増えてきました。とはいえ、AIの判断がかならず良い結果をうむとは限りません。人間ならではの感性と経験によって判断する場面が必要になってくるのです。かえってAIが中心となった現代だからこそ、人間の判断が貴重となります。

また、今の人事問題を見ると上層部が人材難と言えるでしょう。判断できるリーダーが少なければ、現場で結論を出していかなければいけません。結果的に現場の判断力が必要となるのです。

このような理由から、現在は現場に判断を委ね、全従業員の判断スピードと精度の向上を図っています。

若手人材を育成するため

現在は優秀な人材を確保するのもむずかしいのが現状。売り手市場であるため、ほとんどの企業は若くて優れたリーダーを獲得できません。

となれば、自社社員の育成へと舵を切るのです。若い社員へ積極的に裁量を持たせれば、責任を感じて仕事に取り組みます。自分の頭で考えて仕事をするため、創造性をうみ出す効果も期待できます。

結果的に受けた指示の中で仕事をするよりも、何倍も成長を実感できるでしょう。若くて優秀な人材が増えれば、周囲の社員も刺激されてモチベーション高く働きます。相乗効果がうまれ、企業全体が活性化するのです。

多くの企業が問題として抱えている「高年齢化」「マンネリ化」「受け身体質化」などから脱却できると言えるでしょう。

中途人材を早期適合させるため

以前まであった、定年まで一つの会社で一生働き続ける概念は薄くなっています。

現在は「いかに自分のスキルや能力を発揮できるか」「労働環境が整備されているか」「自分に見合った給料なのか」などを基準に働く人が増えたため、転職市場が活発化されているのです。転職は悪とされていた時代は終わり、転職によって人生を好転させる人も続出しています。

結果的に多くの企業で中途人材を採用する動きが高まっています。そこで重要となるのが中途人材の早期適応。入社後スピード感を持って仕事に取り組んでもらうためにも、早い段階で環境に適応してもらう必要があるのです。本人のモチベーションを下げない意味合いもあります。

そのため、企業側はある程度の裁量を早めに持たせます。権限委譲すれば吸収力を高められ、周囲からの信頼を獲得できるでしょう。結果、会社に馴染むスピードを早められます。

経営学におけるエンパワメントの重要性

エンパワメントは経営においても重要とされています。従業員それぞれが主体性を持って働くのももちろん重要です。加えて従業員満足度を高める点もポイントとされています。

逆に言えば、個性を活かして働くだけではエンパワメントの意味は持ちません。責任感を持って働き、その上で従業員自身が充実感を覚えている点も重視しなければならないのです。

多くの企業ではどちらか一方、両者を満たしている企業はなかなかありません。次から解説するポイントを押さえていきましょう。

エンパワメント経営とは

エンパワメント経営とは従業員が本来持っているスキルや能力を引き出す経営です。裁量を持たせ、従業員それぞれが所持している才能を開花させます。反対に社員の個性をいかし、権利を委譲させていく意味があります。

ここで重要なのは、目的もなく裁量を与えるのは逆効果な点。あくまで社員自身が積極的に行動・発言できるよう促すためにあります。そのため、初期段階は社員の長所に合わせた裁量を持たせるケースが多いです。

例えば「顧客対応が人より優れているから、3人の部下をまとめるリーダーを任せる」「部署で交渉が一番うまいため、担当エリアのみ決定権を持たせる」など。小さい範囲からはじめ、徐々に権限を広げていきます。

結果、本人のモチベーションは上がり、能力が開花されるのです。

エンパワメントを重視した組織づくりの効果

エンパワメントを重視した組織をつくると、社員全員が責任感を持って働きます。当事者意識を高めて働くため、一人一人の成長スピードが速いです。自ら進んで行動を取っているため、受け身で仕事をするよりも成長できます。結果的に企業全体が右肩上がりに育っていくのです。

例えば、出勤時間の管理や在庫受発注管理などをメンバーでまとめられれば、スムーズかつ柔軟に業務が進むでしょう。出勤時間の管理ができていれば「今日は誰が出勤しててAさんは休みだな」と全体を見渡して仕事に取り組めます。在庫受発注管理を行っておけば「在庫が無くなりそうだから発注しよう」と積極的に動けるのです。

このようにエンパワメントを重視した組織づくりが実現すれば、個人が成長するだけでなく、会社全体の物事が上手くまわりはじめます。

エンパワメント経営の例:星野リゾート

ここからは実際にエンパワメント経営に取り組んでいる企業を紹介していきましょう。紹介するのは星野リゾートです。

星野リゾートは都市観光ホテル・温泉旅館・スキー場などを運営するリゾート業界トップの企業になります。星野リゾートがエンパワメント経営へ積極的に取り組んだのは社長である星野氏が書籍「1分間エンパワーメント社員の力で最高のチームをつくる」を読んで感銘を受けたのがキッカケです。

内容は「情報共有の大切さ」「自分の考えで働く重要性」「全社員が自己管理できる組織力」などについて書かれています。この3点を満たせば、周囲に頼らずとも自分自身で結果が出せると説いているのです。

実際に星野氏は書籍の内容を実践しました。結果、社員一人一人が熱意と情熱を持って働き、チーム全体が最高の仕事をするまでに成長したそうです。

星野氏は当書との出会いに感謝しており、今の星野リゾートは本との出会いがあったからこそと言っています。このように、現在星野リゾートが業界トップへと抜きん出ているのも、エンパワメント経営が大きく影響しているのです。

企業にエンパワメントを導入するメリット

エンパワメントを導入するメリットを解説します。

意思決定の迅速化

企業がエンパワメントを導入すれば、意思決定の迅速化が実現します。従業員へ権限を委譲しておくと、上司へ判断を仰ぐ瞬間も少なくなります。

例えば「上司が急な体調不良で数日間不在となった」「管理職全員会議により決断を下せる人が見当たらない」「上司が在宅勤務で状況を説明するのに時間を要する」など、緊急事態に陥るケースもあるでしょう。

そんな瞬間でもエンパワメントを導入しておけば、従業員それぞれが的確に判断できます。上司の判断を待つ必要はないのです。加えて、自分自身で決断する機会が増えてくると、質の高い判断力が身に付きます。

結果的にトラブルが起きた際も、迅速かつ正しい決断が下せるのです。

自分で考える力を持つ社員を育成できる

エンパワメントを導入すると、自分で考える力を持つ社員の育成が可能です。社員へ権限委譲を行うため、必然的に自己判断せざるを得ない環境ができあがります。そのため、問題解決に必要な思考力が養われるのです。

例えば「本当の原因はどこにあるのか?」「いつまでに解消すれば全体的な流れがスムーズにいくのか?」「次回同じトラブルを起こさないために何が必要か?」など、様々な角度から考えるうちに判断力が磨かれていきます。

結果、仕事全体の理解が深まり、上司に対する不満も解消されるメリットがあります。とくに現在は各企業で人員不足が叫ばれているのも事実。上司が手取り足取り教える時間はほぼありません。仕事の本質を自分で理解する必要があり、そのような自立した社員を企業側は育成する必要があります。

潜在能力を引き出す

エンパワメントを採用すると社員の潜在能力を引き出せるメリットもあります。上司と部下で面談やヒアリングを実施するうちに、お互いの得意分野や眠っているスキルが分かってきます。

例えば「営業の中でもとくに分析能力に長けている」「ホームページ作成でもライティング分野が得意」「顧客対応をやらせてもクレーム対応はずば抜けて上手い」など、今まで分からなかった事実も把握できるでしょう。

発見した長所から適正な人員配置を行えれば、本来のスキルが100%活かせるはずです。スキルが正しく活かせると本人の成績が上がり、昇進や昇格も期待できます。

結果的に会社全体の売上が上がっていくのです。このように社員の潜在能力を引き出せば、至る所で良い効果がうまれてきます。

顧客満足度の向上

エンパワメントを導入すれば顧客満足度の向上につながります。上司の判断を待つ行為はそれだけ顧客への対応が遅れるわけです。クレームが発生した際は二次クレームにつながる可能性もあります。

例えば「対応の遅れによりお客様がさらに怒ってしまった」「迅速に対応できずネット上に悪い口コミを書かれた」「適切な判断を下せる社員がいなくクレームが長引いてしまった」など、事態が悪化しかねません。

逆に言うと、対応が素早ければクレームは最小限に防げるだけでなく、場合によってはクレームから自社のファンになってくれる可能性もあります。

そのためにも、日頃から従業員一人一人の判断力を養っておく必要があるのです。エンパワメントの導入は社員や会社に良い影響をもたらすだけでなく、外部にも好影響を与えるのです。

モチベーション・社員の満足度向上に繋がる

エンパワメントを採用するとモチベーション・社員の満足度向上につながります。本人に最適な仕事を与え、才能を開花するためにコミュニケーションを取れば、やる気は上がっていきます。自分の頭で考える力がつき、仕事が楽しくなってくるのです。

例えば「自発的に取り組むようになってから本当にやるべき仕事が見つかった」「意欲的に仕事をしてからミスが減った」「主体的に業務へ取り組んでから意見も言えるようになった」など、社員自身の心情に変化が見られてくるのです。結果的に社員の満足度向上につながります。

一方、指示待ちの仕事をしているだけでは成長しません。自分の頭で考えなくなり、仕事の質が落ちてきます。最悪の場合は離職率の増加へとつながってしまうでしょう。社員のモチベーションを上げたい企業は、エンパワメントの導入を検討するのがおすすめです。

企業にエンパワメントを導入するデメリット

エンパワメントを導入するデメリットを解説します。

組織の方向性とズレが生じる

エンパワメントは従業員に権限を委譲する分、組織の方向性とズレが生じる可能性もあります。組織の方向性を理解した管理者が判断しているわけではないため、当然と言えるかもしれません。

そのためにもエンパワメントを導入する際はある程度基準を設ける必要があります。例えば「どの部分まで従業員へ決定権を持たせるか」「どのような状況に陥ったら上司へ判断を仰ぐか」「上司への報告手段はどのようにするか」など、ルールを決めておくとお互いの食い違いは防げるでしょう。

また、従業員へ決定権を持たせるには目的の説明も重要です。漠然と権限を与えてしまうと悪用されるケースもあります。明確な目的を説明した上で委譲していきましょう。

全ての社員に適したアプローチではない

エンパワメントはすべての社員へ効果が発揮されるわけではありません。権限を委譲され、反対に萎縮してしまう可能性もあります。

とくに今まで受け身で仕事をしていた方やリーダー経験が皆無の方は戸惑ってしまうかもしれません。自分から積極的に行動したり、周囲の従業員へ指示を出したりする習慣がないため、権限を委譲しても効果が発揮されないのです。そのためエンパワメントを導入する場合は、対象とする社員の選定を適切に行っていきましょう。

例えば「他の従業員をまとめられるスキルはあるか」「責任を負えるだけの忍耐力はあるか」「権限を与えて相応の指示が出せるか」などの見極めが大切です。選定を行う際は自分だけの意見だけでなく、複数従業員の意見を参考にすると、正しい見極めができるでしょう。

失敗による損失の可能性

エンパワメントを導入しても、すぐに結果としてあらわれる確率は低いです。

経験の浅い従業員へ権限を委譲するとなれば、それだけ失敗がつきもの。クレームが発生したり、売上損失したりする場合もあるでしょう。エンパワメントを導入する場合は覚悟も必要なのです。そのため、管理者はあらかじめ失敗を想定しておくと良いでしょう。

例えば「失敗した際は面談を実施する」「失敗しても怒らず原因や改善策を一緒に見つけていく」「失敗した場合に備えて背中を押せる言葉を用意しておく」などです。

実際に社員が順調に成長している企業は、このようなフォローを大切にしています。従業員はフォローされると前向きに立ち上がれるわけです。結果、失敗を繰り返しながらも自主性が育っていきます。

エンパワメントのアプローチ方法

エンパワメントのアプローチ方法を解説します。

構造的アプローチ

最初に紹介するのは構造的アプローチです。管理者から従業員へ権限を委譲したり、従業員へ大幅な権限を持たせたり、上司と部下の権限構造(パワー)に働きかける手法です。従業員に権限を持たせ、より自信をつけて働いてもらう方法と言えます。

社会人であれば、企業の組織構造を意識するはずです。例えば「自分よりもあの人が偉い」「同世代だけど自分より出世している」など自然と感じるものがあるでしょう。そのような組織階層における優越感に働きかけるのです。

結果的に権限を委譲された社員は充実感に満ち溢れて業務に取り掛かるはず。企業全体としてもモチベーション高く働く社員が増えれば、大きな成長へとつながります。

心理的アプローチ

続いて紹介するのは心理的アプローチです。心理的アプローチは前述した構造的アプローチとは違い、従業員の心理へ呼びかけるアプローチとなります。

「権限」のような目に見える形で働きかけるのではなく、従業員の感情や気持ちに寄り添った手法です。具体的には仕事に対する不安を最大限取り除き、言葉で働きかけて本人のモチベーションを上げていく手法。

例えば「あなたの能力とスキルなら必ず達成できるよ」「めげずにアプローチできるのは営業にとって最大の武器だから自信を持って」など、自己肯定感を高めていきます。

結果、従業員自身のやる気が上がり、持てる力を最大限活かせるのです。

OODA(ウーダ)ループによるエンパワメント

OODAループとはアメリカの戦闘機操縦士のジョン・ボイド氏が発案したフレームワークです。

「観察」「仮説構築」「意思決定」「実行」の4つからなるフレームワークであり、ループを自己判断でどれだけ早くまわせるかがポイントとなります。

元来ボイド氏は戦場の最前線で戦っていたため、スピード感を持った判断が必要でした。加えて上司の判断を待っている時間などなく、自分自身で適切な判断を下さなくてはならなかったのです。そこで発案されたのがOODAループでした。OODAループは現代の変化が激しい環境に最適であり、様々なビジネスシーンで活躍されています。

また、よく比較されるPDCAとは根本的に異なります。PDCAは目標から遂行までの流れを確認し、スムーズに実行していくもの。一方OODAループは目標よりも、目の前に突如あらわれた問題を、いかに早く対処していくかに着目されています。

両者の違いを正しく理解し、OODAループでスピード感持って問題解決に取り組んでいきましょう。

部下を育成するためのエンパワメント

部下を育成するためにはエンパワメントがポイントです。部下へ正しく権限委譲を行えば、責任感・リーダーシップ・コミュニケーション能力などが鍛えられるでしょう。

とはいえ、適切な方法で権限委譲を行わなければ、成長が期待できません。最悪の場合、プレッシャーを感じてストレスになる場合もあります。そのため、上司はあらかじめ正しい育成方法について把握しておく必要があるでしょう。

加えて「そもそもエンパワメントにおけるリーダーシップとは」の点を正確に理解しておくのが重要です。この2点についてはこの後詳しく解説していきます。

上司が気を付けるべきこと

部下の育成において上司が気を付けるべきなのは、過保護になってはいけない点です。

エンパワメントは、そもそも部下が主体性を持って働くために発案された手法になります。上司が過剰に手を差し伸べたり、必要以上に干渉したりするのは厳禁です。過保護に接してしまうと、部下の成長の妨げとなってしまいます。

そのため、部下へ権限委譲を行った段階で暖かく見守る姿勢が必要なのです。一人で行動すれば失敗する可能性もあります。失敗によって会社がダメージを負う瞬間もあるでしょう。そんな場合でも寛容な気持ちで接する必要があります。

エンパワメントリーダーシップとは

エンパワメントリーダーシップとは、上司から部下へ権限委譲した際、リーダーとして統率力を最大限発揮するための仕組みづくりです。

自主性を尊重し、自分らしく働くためにつくられた取り組みになります。現在は女性のエンパワーメントリーダーシップにも注目されており「女性が自発的に働く環境こそが企業発展へとつながる」とされています。

実際に労働環境の整備も進められており、女性が管理職として就く職場も増えているのです。また、子供や家族へのサポート・平等な報酬・人事考課の公正化なども積極的に行われています。

以上のように、身近なところでもエンパワーメントリーダーシップの取り組みが進められているのです。

エンパワメント導入の手順

ここからはエンパワメント導入手順を解説します。

フロー1:エンパワメント推進を宣言

まずはじめに行うのはエンパワメント推進の宣言です。導入目的や効果を明確に伝えれば、従業員が賛同してくれるでしょう。

具体的には「なぜ導入するのか?」「導入するとどんなメリットがあるのか?」「以前と業務がどのように変わるのか?」などを正確に伝えていきましょう。

また、この段階である程度導入の流れが決まっていれば、フローや導入日程なども伝えておくのがおすすめ。従業員へはっきり伝えていくと、具体的にイメージしやすいです。

従業員全員が納得できる方法で説明していきましょう。

フロー2:目標への合意と共感を得る

エンパワメントについて宣言したら、目標への合意と共感を得ていきましょう。

宣言したとしても、全員が賛同してくるわけではないです。納得できない方や、そもそもエンパワメントについてまだ理解できていない方もいるでしょう。エンパワメントは聞き慣れないワードのため、把握できない方がいるのは当然かもしれません。

これから行うのはそのような方達に対し、できる限り共感を得てもらう作業です。具体的には「勉強会を開いてエンパワメントについて深く理解してもらう」「ディスカッションを開催して意見を取り入れる」「質問会を実施して不満や疑問を取り除く」などになります。一人一人が安心してエンパワメントに取り組めるよう、様々な方法で合意を得ていきましょう。

注意点は開催時期です。宣言してから勉強会やディスカッションまでの間が空いてしまうと、エンパワメントに対する気持ちが離れてしまう可能性もあります。開催する際は早めに実施するのがポイントです。

フロー3:情報を公開し権限を委譲

目標への合意と共感を得られたら、まずは情報を公開していきます。

従業員が正しい判断を下していくには、会社の情報を知っておく必要があるからです。管理者側からすると情報漏洩のリスクがあるものの、エンパワメントを実施するには覚悟も必要になります。

公開する情報は企業戦略・財務状況・取引先詳細など、あらゆる情報を伝えていきましょう。情報を伝えた後、対象人物へ権限を委譲していきます。

なお、最初のうちは対象とする人物を「入社から2年以上経過している方」「正社員の方」「スキルや能力の基準を満たしている方」に絞ると良いかもしれません。新入社員や実績がない人に権限を与えてしまうと、情報を正しく扱えないケースも出てきます。

エンパワメントによって大きな効果を発揮させるためにも、権限委譲対象者はあらためて考えていきましょう。

フロー4:目標達成のため行動の自由を認める

対象メンバーに権限を委譲したら、ある程度は行動の自由を認めていきましょう。

目標達成のために従業員は知恵を振り絞って、今後取るべき行動を考えています。そこに管理者が必要以上のアドバイスを送ってしまっては逆効果です。従業員が自分で考えるのをやめ、会社の指示に従うだけになってしまいます。

しまいには「裁量を持たせてくれるのではなかったのか」「リーダーの役職を与えられたのでは」など、不満が生じるでしょう。これでは本末転倒です。

管理者は従業員を優しく見守り、従業員自身が自由かつ平等に発言できる場をつくっていきましょう。

エンパワメントの高め方

ここからはエンパワメントの高め方を解説します。

組織内で情報をオープンにする

エンパワメントを最大限高めていくには細かい情報もオープンにしていきましょう。些細な情報でも共有しておけば、従業員は納得したかたちで取り組みます。

一方、一部の情報しか公開しない場合「情報が少なければ社員をまとめるのに限度がある」「知らない情報が多々あるのに決定権だけは持たせられてる」「裁量はあるのに重要な情報がまとめられたデータベースにアクセスできない」など不満がうまれてしまいます。

結果的に従業員のモチベーションが下がってしまうのです。そのため、従業員に対してなるべく情報をオープンにしたくない場合、前述した権限委譲対象者を絞るかオープンにする仕組み作りを行っていきましょう。

小さなものから権限委譲を行う

エンパワメントを導入する際は小さなものから権限委譲を行っていきましょう。小さなものとは失敗してもリスクが少ない業務です。

例えば「エリアの中でも限られた地域だけまとめてもらう」「1万円以下の商品だけを発注管理してもらう」「売上1000万円未満の取引先をたばねてもらう」など、まずは軽い業務から任せていきましょう。負担の軽い業務からはじめれば、仕事の責任が重いと感じる瞬間も少なくなります。

その後小さい業務が完了したら、徐々に大きい仕事を与えていくのがポイントです。最初から大きい仕事を与えるよりも、スムーズに業務へ取り掛かれます。

部下の主体性を大事にしつつ、適切なフォローをする

エンパワメントを最大限高めていくにはバランスが重要です。

部下の主体性を大事にするのはもちろんですが、放っておくだけでは効果が発揮されません。干渉し過ぎると従業員のモチベーションが下がってしまいます。反対に野放しにしてしまうと、違う道筋をたどる可能性もあるでしょう。

そこで大切なのが気付きを与えるヒアリングです。あらゆる角度からヒアリングを行い、従業員自身で正解を見つけてもらう方法になります。

例えば「今後は何を実践するつもり?」「1年後はどうなっていたい?」「なぜ結果が出たか分かる?」など、ヒントを与えていくのです。正解を与えているわけではないため、自分自身で考える力がつきます。

結果、何か起きた際でもスピード感を持って判断できるのです。

トラブルが起きた際は、一緒に再発防止策を考える

トラブルが起きた際は、従業員と一緒に再発防止策を考えていきましょう。

とくに社歴の浅い従業員は失敗やトラブルの経験値が少ないです。いざトラブルが発生しても、再発防止策がすぐに浮かぶとは考えにくいでしょう。そのため、従業員が中心となりながら一緒に考案していく必要があります。

考えをすり合わせていく際は前述したフォロー同様、管理者側から適切な質問を投げかけるのがおすすめです。例えば「今回は何が原因だと思う?」「人を増やせば解決できる?」「何か管理者が手伝えることはある?」など、様々な角度から質問してみましょう。新たな気付きから再発防止策が浮かんでくるはずです。

また、間違っても?責するのだけは避けましょう。従業員のモチベーションが下がり、本人の才能やスキルを最大限発揮できなくなります。

エンパワメントの導入に失敗するケース

エンパワメントの導入に失敗するケースを解説します。

権限委譲ではなく責任放棄になってしまう

エンパワメントはあくまで従業員へ裁量を与えるだけであり、責任までを押し付ける手法ではありません。よくあるのは部下へ責任を負わせ、上司が責任を逃れるケース。これでは部下が失敗を怖がり、自分らしい仕事はできないのです。

そのため、あらためて管理者は責任の所在は自分自身にあると念頭に置いておきましょう。従業員の失敗により、管理者自身が損する場面や会社がダメージを負うケースも出てくるはずです。

そのような際も「部下の失敗は上司が責任を持つ」意識が必要になります。

権限委譲という手段が目的化してしまう

エンパワメントは権限委譲がピックアップされがちなため、従業員に権限を与えて満足してしまう管理者も多いです。権限委譲自体が目的になってしまっていると言えるでしょう。

エンパワメント本来の目的は自主性の尊重や自発的な成長になります。権限委譲後の行動こそが重要なのです。そのため「企業が描く社員へと成長しているか?」「自分の意見を発信しているか?」「適切な判断を下しているか?」などのチェックが必要と言えるでしょう。

万が一、エンパワメントの効果が発揮されていなければ、定期的に面談を行うのがおすすめです。部下に寄り添って不満や不安を聞き出せると、管理者の対応策が明確になります。

このように、権限委譲よりもその後のアフターフォローが重要になるのは念頭に置いておきましょう。

部下が萎縮し、能力を発揮できない

エンパワメントを導入しても部下が萎縮し、能力を発揮できない場合は多いです。理由は2点考えられます。

まず1点目は従業員が持つスキルや経験以上の権限を与えてしまったケース。対応できる仕事に限りが出てくるため、好結果がうまれにくいです。結果的に自信を無くしてしまい、仕事に対してネガティブなイメージを持ってしまいます。

2点目は上司が理由もなく部下を強くとがめるケース。経験が少なければ失敗やトラブルはつきものです。その際に管理者が?責してしまうと、従業員の心は折れてしまいます。結果として上司の非難を恐れ、消極的になり能力を発揮できないのです。

以上のようなケースも防ぐためにも、権限委譲者を適切に見極め、部下が失敗してもフォローしていきましょう。

エンパワメントにおける権限委譲の注意点

権限委譲の注意点を解説します。

範囲の明確化

権限委譲する際は範囲の明確化を行っていきましょう。

範囲をはっきりさせれば、従業員の目的や目標が立てやすくなります。「関東エリアを任されたから売上1000万円を目指そう」「5人のチームを率いることになったからまずは積極的にコミュニケーションを取ろう」「化粧品の在庫管理リーダーに指名されたから在庫金額100万円まで減らそう」など、やるべき内容が明確化されるのです。

一方、範囲がはっきりしなければ、方向性は定まりません。権限委譲されたものの、立ち往生してしまうでしょう。結果的にモチベーションが上がらず、ミスが増えてしまいます。

まずは上司と部下の権限のラインを明確にしておきましょう。

ホウレンソウの徹底

権限を委譲する場合はホウレンソウの徹底が重要です。

上司が部下の業務内容を把握していない場合、業務の生産性を下げる可能性もあります。部下が本来の目的と違った業務を進めているかもしれません。軌道修正するには時間がかかり、上司の手間も増えてしまいます。そのため、ホウレンソウのルールをあらかじめつくっておくと良いでしょう。

例えば「毎日欠かさず報告書を提出する」「クレームがあった際は包み隠さず報告する」「毎日13時にはチャットで進捗状況を連絡する」など決めておくと、業務がスムーズに進みます。

上司と部下の風通しが良くなり、コミュニケーションも円滑に進むはずです。

判断基準の明確化

権限委譲する際は判断基準の明確化を行っていきましょう。よくあるのは上司から部下へ判断基準の引継ぎが正しく行われないケースです。

例えば、上司が「売上未達の場合は1000円の商品を800円に値下げする」と判断基準を設けたとしましょう。しかし、部下は同じ状況で600円まで値下げしました。両者の判断基準には大きな違いがあります。これでは売上にも大きな差が出てしまいます。

上司は納得できないかもしれませんが、実際には正しく引き継がれていないケースがほとんどなのです。上記の場合は上司が800円の基準を部下へ明確に伝えなければいけません。

反対に部下は上司に判断基準を相談するべきでしょう。たとえ権限を委譲できても、重要なポイントはかならず引き継ぐ必要があります。

ミスを受け入れる

権限を委譲する場合はミスを受け入れる必要があります。上司の立場からすると居ても立っても居られないケースは出てくるでしょう。怒りたくなったり、?りつけたくなったりする瞬間もあるはずです。

しかし、とがめてしまうと「もうミスをするのは嫌だな」「ミスをしないよう積極的にいくのはやめよう」など、受け身な体制に入ってしまうのです。

消極的になると、結果的にミスが増えていきます。悪循環を繰り返し、従業員の成長へとつながりません。失敗も経験のうちと認識し、ミスは受け入れていきましょう。

エンパワメントの重要性を定期的にリマインドする

エンパワメントを導入する場合、その重要性を定期的にリマインドしましょう。

部下へ権限を委譲し業務が進んでいくと、次第にマンネリ化していきます。本来の目的を見失ったり、自意識過剰になって業務が雑になったり。従業員の心のどこかでエンパワメントに対する意識が薄れていくのです。

そのためにも、定期的に話し合いの場を設けても良いでしょう。例えば「1on1ミーティング時に権限委譲の効果を聞く」「月1回開催される勉強会であらためて導入メリットを説明する」など、従業員の中で意識を高めていくのがポイント。

加えて、権限委譲の効果が出ている社員をモデルとし、全社で共有する方法もおすすめです。成功メソッドを浸透させられるだけでなく、従業員が感化されるキッカケにもなります。

エンパワメントの導入事例

ここからはエンパワメントの導入事例を見ていきましょう。紹介するのはザ・リッツ・カールトンです。

ザ・リッツ・カールトンは最高の贅沢なホテルとして世界的にも有名。代表されるのはお客様をとりこにさせる極上のサービスでしょう。「お客さまには絶対にノーと言わない」は知る人ぞ知るザ・リッツ・カールトンの企業ビジョンです。

とはいえ、最初から最上級のおもてなしを提供できたわけではありません。ホテル業界トップに躍り出るのには時間がかかりました。

その経緯の中で注目されたのはザ・リッツ・カールトン流のエンパワメントです。上司に判断を仰がず、従業員一人一人に決定権を持たせました。お客様の要求に対し、スピード感を持って応える必要があったからです。

加えて、1日2000ドルの決裁権を持たせたのはホテル業界に伝わる有名な話になります。結果、従業員一人一人が自分の頭で考え、スピーディーかつ最高のサービスを提供できるまでに成長しました。

現在はザ・リッツ・カールトンの成功事例から多くの企業が学びを得て、それをもとにオリジナルのエンパワメントを導入しています。

エンパワメント導入で従業員と会社の成長へ

エンパワメントは従業員の自主性を尊重し、主体性を持って働いてもらうための手法です。そのために上司から部下へ権限を委譲するのが一般的な手法になります。

エンパワメントを導入すれば、意思決定の迅速化や才能開花に導けるのが大きなメリット。変化の激しいビジネス社会を生き抜くために最適な手法と言えます。

導入する場合はエンパワメントの宣言から権限委譲までの流れをあらためて確認しておきましょう。正しく導入できれば、従業員の成長だけでなく、会社としても大きな進化を遂げられるはずです。