次世代リーダー候補の育成方法とは?育成の手順や選抜方法を解説
企業の成長に欠かせないのは、組織と事業を力強く引っ張っていくリーダーの存在です。10年後、20年後企業が存続し、この人に会社を任せたい、と思える人材を選抜・育成することも企業の大切な仕事でもあります。この人に会社を任せたい、と思う人をすぐに思い浮かべることができますか?
今回は、次世代リーダーの選抜ポイントと育成ポイントをご紹介します。
次世代リーダーとは?
次世代リーダーとは一般的に、「企業の次世代を担う経営幹部や将来の経営者候補」と定義されます。つまり、「会社の将来を担う存在」ということです。
少子高齢化や人材の多様性の高まりや、コロナ禍によるリモート推進など、環境が目まぐるしく変化するなかで柔軟かつスピーディーに対応できる人間でなくてはなりません。しかし、そのようなリーダーを育成することは簡単なことではありません。
なぜ次世代リーダーの育成は難しいのでしょうか。
次世代リーダー育成が難しい理由
育成全般に言えるのですが、そもそも育成の取り組み自体が推進しづらいのです。理由としては4つがあげられます。
- 優先順位が低くなりやすい
- 次世代リーダーを育成する体制が整っていない
- 次世代リーダーの選定基準や選定方法がわからない
- 育成の効果が見えづらい
優先順位が低くなりやすい
次世代リーダーの育成には、リーダーシップやマネジメント、経営知識など幅広い分野において育成が必要です。そのため、学習時間もも長時間となります。また、育成期間中は周囲の協力も不可欠なため、周囲の育成コストもかかってきます。
プレイヤーとして活躍している人材を業務から離せないといこともあるでしょう。そのため、育成の取り組みが後回しにされることが多いのです。
次世代リーダーを育成する体制が整っていない
次世代リーダーを育成するためには、育成部隊の編成、人事評価・教育制度の構築など、多くの取り組みが必要です。そのため、次世代リーダーを育成するだけの体制を整えられないことも少なくありません。
次世代リーダーの選定基準や選定方法がわからない
「そもそも、どのような基準でどのように候補者を選定すればいいのかわからない」という理由から、次世代リーダーの育成計画が進まず立ち止まってしまうこともあります。
育成の効果が見えづらい
育成は、何をもって育ったとするのかを定めるのが大変難しく、効果そのものを実感できないこともあり、次世代リーダー育成が敬遠される要因となっています。
次世代リーダー育成の手順
次世代リーダーの育成で大切なことは、長期目線で計画的に考えることです。次世代リーダーの育成効果はすぐに現れるものではないため、長期的かつ計画的に育成していくことが次世代リーダー育成の重要なポイントです。
Step1:ゴール設定
次世代リーダーの育成は時間がかかるため、「なぜ次世代リーダーを育成する必要があるのか」という理由・ゴールを明確にし、周知して意識を統一する必要があります。
Step2:条件・要件の明確化
どのような人材になってほしいのか、求める条件・要件を明確化します。
Step3:候補者の選抜
次世代リーダーに求める条件・要件が明確になったら、育成対象者の選抜を行います。現状の評価結果だけでなく、意欲や基礎能力、将来のポテンシャルを踏まえ選抜します。
Step4:トレーニング、育成計画の設計
候補者が決まったら、実際にどのような育成を行うか、育成計画を立てます。ここでは、本人の強み・弱みを見極めて計画を立てるのがポイントとなります。
Step5:役割・期待の伝達
候補者が厳しい環境の中でも意欲的に学び続けるには、動機づけと期待の伝達が欠かせません。「なぜこれをやるのか」「なぜあなたなのか」などを明確に伝えます。
Step6:トレーニング実施
Step 4で設計した計画を実施します。期間が長期間となる場合が多いため、根気強く推進し続けることが大切です。
Step7:モニタリング
Step 1で設定したゴールに近づいているか、継続的にモニタリングすることが重要です。しっかり振り返りをしてもらうだけでなく、本人にとって負担になりすぎていないかなど様々な観点からモニタリングします。
Step8:改善策の検討
モニタリングの結果、問題や課題が発生した場合は改善策を検討します。育成の仕組み自体を見直したり、本人への動機づけを再度行います。
候補人材の評価・選抜はどのように行うのか
「そもそも、どのような基準でどのように候補者を選定すればいいのかわからない」という理由で育成が進まないという課題がある企業も多いでしょう。
ここでは3つのポイントを紹介します。
- 選抜は多角的な視点で見極める
- 徐々に選抜を進めていく
- 選抜の理由と期待を伝える
選抜は多角的な視点で見極める
候補者を決める際、最も多いのが、「各部門による指名・推薦」に基づく人選です。現場での実態や事実を踏まえて選抜することはとても良いのですが、将来性の観点からあまり見ることができません。た、現在の業務から離したくないとの理由でエース人材の選抜を行えないということもあるようです。
現場部門だけでなく、「経営トップ」や「人事部門」も人選に加わることをお勧めします。
徐々に選抜を進めていく
育成を早いタイミングでスタートさせている企業の方が、自社の育成施策に満足していることが多いようです。早くから選抜を開始することで、研修や異動によるチャレンジの様子を踏まえ候補者を絞り込んでいくのもよいでしょう。
選抜の理由と期待を伝える
役割・期待の伝達を丁寧に行うことが候補者のモチベーションを高める上で重要です。一人ひとり対面で伝えると、効果はより高まります。
次世代リーダーの育成でより良い企業を目指しましょう
様々な経営課題を抱える中、次世代リーダーの育成はどうしても後回しにされがちですが、10年後、20年後見据えて先手必勝で動くことが大切です。気づいたときにはもう手遅れだった…という事態にならないよう、育成に取り組んでいきましょう。
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