コラム

人事関連でお役に立つ情報を掲載しています。ぜひご活用ください。

  1. トップ
  2. コラム
  3. 人事労務・人事戦略
  4. 役員の勤怠管理は必要?役員の種類から報酬までを解説

役員の勤怠管理は必要?役員の種類から報酬までを解説

役員の勤怠管理は必要?
役員の勤怠管理は、従業員とは異なります。 初めて人事を経験する担当者の方や、 最近会社を始めた経営者のみなさんは その違いに困惑することもあると思います。 今回の記事では、自社の役員と従業員の違い、役員の種類、 役員と従業員を比較することによって分かる休暇や勤務時間、 保険制度の適用の有無など勤怠管理に関わる内容になっています。 この記事を読めば、役員と従業員の違いから 勤怠管理の必要性を理解できるでしょう。

役員と従業員は何が違う?

役員と従業員は具体的にどこが異なるのか分からない という思いをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 従業員とは、会社と雇用契約を結んでいる関係です。 会社の指揮監督のもとで勤務を行います。 アルバイト、パート、正社員、契約社員と様々な雇用形態がありますが、 全て従業員となります。

対して、役員は委任契約もしくは準委任契約を締結します。 委任契約は主に専門家に対して、適応されるもので、 経営のプロとして会社経営の責任を負う役割と考えられます。

また、役員には就業規則や労働基準法は適用されません。

上記のように、 会社との雇用契約だけでも従業員と役員は異なることが分かります。

役員とは何か?

役員について社内の中でも上の立場の人という認識を持っている人は多いでしょう。 ただ、具体的にどの役職にあたる人が役員なのか、 どういう仕事をしているのか理解するのは難しいものです。 ここからは、会社の経営を担っている役員の種類と どのような役回りを担当しているのか解説していきます。 主な役員の種類は以下です。

取締役

取締役とは、株主の委託のもとに会社運営を進めていく取締会の一員のことです。 取締役会は会社を経営するうえでの意思を決定、法令などの適正な基準に準じているか監督する機関となり、3人以上の役員が必要となり、1人が代表取締役として、取締役会をリードします。会社経営のプロとして、自社の業務を実行する役割をもっています。 日本の企業は、代表取締役社長として、社長が取締役会のリーダーと 会社の責任者を兼務していることが多いのが実情ですが、 社長以外の副社長や担うことも可能です。

専務取締役

専務取締役とは、企業全体を統括し、自社の運営に関わる全般的な管理業務を担当する役員になります。 また、取締会の代表である代表取締役を補助していく役割を担います。 社内では「専務」と呼称されることが多い役職です。 会社法という法律により役員として絶対置かなければならないという決まりはなく、自社の会社規模や運営の仕方によって、独自に設置することが可能となります。

常務取締役

常務取締役とは、取締役の中の一つの役職です。 通常の現場業務を含めて、経営にも関わるため、経営と現場をつなぐ役割があります。 常務取締役についても、専務取締役と同様で会社法で決まりはなく、独自に設置することが可能です。

監査役

監査役とは、取締役など役員が会社運営に対して、不当なことをしていないかチェックする役割です。
会計に関するもののチェックを会計監査と呼び、それ以外を業務監査と呼んでいます。
一定の距離をとって見守り、法令などの適正な基準に準じているか確認することで企業の健全性を担保することができます。

役員って忙しいの?

社長をはじめ、役員は一般的には忙しい印象が強いのではないでしょうか。
また、大きな会社であればあるほど、役員がいつ出勤しているかはわかりにくいですよね。

ここでは、役員と自社で雇われている従業員を対比し、 勤務体系や保険に関して説明します。

役員の勤務時間や残業時間、休日

基本的に役員は従業員とは異なり、就業規則は適応されません。
つまり、この日が休み、勤務時間はこの時間と決められているわけではありません。

といっても、会社の状況や体制に応じて休日もどれくらいの時間働けばいいのか決まりますので、柔軟な対応が求められます。

役員と従業員は雇用形態が違う

役員と従業員は、雇用形態も全く異なります。

従業員は雇用契約を結ぶことで自社での勤務をしています。
具体的な雇用形態は正社員、契約社員、アルバイト、パート等と呼ばれるものです。
この雇用形態は、従業員と会社で話し合って決めます。

対して、役員は、委任契約もしくは準委任契約が締結されます。
委任契約は、業務を遂行することを目的とした契約です。
この契約の場合は、労働基準法と就業規則は適用されません。
また、役員の選任や解任については、株主総会の決議で行います。

役員の報酬

役員の報酬についても従業員とは異なります。 従業員の賃金は就業規則や雇用契約によって決められています。 対して、役員は賃金ではなく、報酬となります。 報酬については定款、もしくは株主総会で決定のうえ、定めるものとされていますが、
現状では、総会で決めることが多くなっています。

また、確定金額型と不確定金額型、非金銭型の3つのパターンがあります。
確定金額型は、全員分の報酬金額の最高限度額だけを株主総会で定め、 配分は取締役会で決めることが多くなっています。 また、不確定金額型では主に自社の業績と連動し金額が決定する場合が多いです。 こちらについては、具体的な算出方法のみを決める必要があるとされています。

また、最近では、ストックオプションを導入している企業も増えています。

役員は労災保険、雇用保険では被保険者ではない

先程の説明でもあったように、役員は従業員のように
会社と雇用契約を結んでいるわけではありません。

労災保険は、従業員が仕事中や通勤が原因でケガ、病気した場合の保険です。
また、雇用保険についても従業員の失業、休業について対象となる保険となります。
役員は、委任契約もしくは準委任契約が適用されているため、従業員とは呼べず対象外です。

社会保険では役員も被保険者

先程、役員は従業員とは呼べないため、 労災保険、雇用保険は対象外であると説明しました。 しかし、役員も対象の保険が存在します。社会保険です。 ただし条件があり、役員の報酬が0円の場合には対象外ですので、要注意です。 また、非常勤の役員は強制適用とはならず、こちらも要注意となります。

役員の勤怠管理は不要

結論を言うと、役員は休みや勤務時間の定めがなく、
報酬についても、勤務時間に応じたものではないため、
従業員のように勤怠管理は不要となります。

今後役員の増減がある。新しく役員を追加したいという場合には覚えておいて損はないでしょう。

⇒勤怠管理について詳しく知りたい方はこちら

まとめ

今回は役員と従業員を比較し、役員の種類や勤務体系から保険制度の適用の有無など勤怠管理に関わる内容を説明しました。 役員は従業員と呼ぶことはなく、勤務時間や休みが就業規則により決まっていないため勤怠管理が必要ではないという結論になりました。 本記事が、みなさんが抱える役員の勤怠管理についてのお悩み解決に繋がれば幸いです。