OKRとは?システムの仕組みやおすすめの管理ツールについて解説
高齢化社会やコロナウイルスの影響により、少しずつ仕事のスタイルは変化してきました。従業員も昔と比べると職場の定着率が低下しており、流動的となっています。企業の目標が明確に共有できていないことも、従業員が定着しない原因の1つとして考えられるでしょう。
今回は目標の設定を管理するためのOKRのシステムと、そのツールについて解説します。
OKRとは
OKRとはObjectives and Key Resultsの略で、「目的と重要な結果」という意味です。具体的に説明すると、2つの目標から作られています。
- 数値化できない目標の設定
- 1をクリアするために数値化できる目標の設定
OKRは単純な目標管理ではなく、働き方のシステムを根本的に見つめ直す取り組みといえるでしょう。そのため業務内容やチームのプランの見直しなど、複雑な管理が必要です。OKRを効率的に進めるために、専用の管理ツールを導入している企業も多いです。
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OKRツール導入のメリット
OKRの概要を理解したうえで、管理ツールの導入で得られるメリットを3つに分けて紹介します。
- 目標設定の効率化
- OKRのすり合わせが簡単
- フォーマットを一元化できる
OKRの目標設定の効率化
OKRツールの導入で目標を立てやすく、従業員との共有が容易になります。基本的に企業として定性的な目標を設定した後、チームそれぞれが定量的な目標を設定することが多いです。企業の目標が基準となるので、チームごとの目標を設定しやすく、従業員もやるべきことを明確にできます。管理職も目標を共有するために伝達を繰り返す手間を減らせます。また目標にあった業務のチェック作業も削減できるでしょう。
OKRのすり合わせが簡単に
目標設定を決める際、企業全体から1人1人の目標をつないでツリー形式に組み立てます。OKRツールを使用すれば、それぞれの目標の管理が可能です。多数の目標をまとめて視覚化できるので、すり合わせが容易です。
ツールを使用せずにツリー形式を作ると共有が困難なので、目標をすり合わせる時間がかかってしまいます。目標が十分に定まらないことあるので、業務の方向性が不明瞭のまま進めていく危険性があります。
フォーマットの一元化
OKRツールでフォーマットを一元化すれば、目標を管理しやすいです。OKRは定性的な目標を設定し、その後複数の定量的な目標を設定しますが、会社の規模によっては目標がブレる可能性があります。
例えば、定量的な目標を設定したのに、数値化できない目標になっていた。逆に定性的な目標だったのに数字にこだわった目標に変わっていた、などがあげられます。目標がブレると修正作業に時間がかかってしまうので、事前にフォーマットを一元化しておくとその問題を防げるでしょう。
まとめると、OKRツールを導入するメリットは以下の3つです。
- 目標設定の効率化
- OKRのすり合わせが簡単
- フォーマットを一元化できる
このようにOKRのシステムをうまく活用するためにも、管理ツールの導入はおすすめといえるでしょう。
OKR管理ツールを選ぶポイント
管理ツールの種類は豊富にあるので、何を選べばいいのかわからない方もいると思います。今回は管理ツールを選ぶポイントを4つに分けて紹介します。
- 自社にあった機能がある
- 操作がしやすい
- サポートが充実している
- 既存のツールと連携している
自社に適した機能があるか
管理ツールの種類は豊富で、それぞれ特徴が異なります。まずは自社にどんな機能が必要なのかを考えてみましょう。求めている機能を検討したうえで、自社に適したツールを選択することが大切です。
多くの機能が備わっているから、という理由で導入するのはおすすめできません。導入しても限られた機能しか使用せず、ムダなコストがかかってしまうからです。無料のツールで十分に運用できる場合もあるので、試しに活用してみるのも1つの手段です。企業によっておすすめのツールは変わるので、搭載している機能と自社のニーズにマッチしたものを選択しましょう。
操作のしやすさ
管理ツールの操作感で選ぶのもポイントの1つです。自社に必要な機能を備えていても、操作が煩わしいとツールのパフォーマンスを十分に発揮できません。操作する側もストレスなので、運用に時間がかかって活用の幅が狭くなるリスクもあります。
操作が直感的でわかりやすいと、複数人でのツール運用が容易となります。指導に時間的コストをかけずに済むので、OKRをより効果的に進められるでしょう。ツールを導入する際は、必ず操作の感触を確認しておきましょう。
カスタマイズや運用サポートがあるか
事前にツールの機能を確認しても、実際に導入してみると操作に戸惑うことが多いです。導入後のスムーズな運用のため、カスタマイズ性とサポート体制があるツールがおすすめです。自社のスタイルにあわせたカスタマイズで、より効率的にツール運用を行えます。また手厚いサポートがあれば、運用にあたっての疑問点の効率的な解消が可能です。その他にも運用目的にあわせて最適な活用方法もアドバイスしてくれます。
また無料ツールより有料ツールの方がカスタマイズの幅とサポート体制が充実している傾向にあります。OKRの運用に慣れていない企業は、サポート体制が充実しているツールを探してみましょう。
既存の関連ツールとの連携
搭載している機能やサポート体制の他にも、自社で使用していた既存のツールと連携ができるのかをチェックすることも大切です。管理ツールの導入だけではなく、他のツールとうまく組み合わせることでOKRをより効率的に運用できます。とくにSlackやChatworkといったコミュニケーションツールと連携できれば、業務のスムーズな連絡のやり取りが可能です。
まとめると、OKR管理ツールを選ぶ際のポイントは以下の4つです。
- 自社にあった機能がある
- 操作がしやすい
- サポートが充実している
- 既存のツールと連携している
このように管理ツールの性能だけでなく、扱いやすさや他のツールとマッチしているのかをチェックすることが大切です。
おすすめOKR管理ツール
管理ツールのメリットや選ぶ際のポイントについて説明しましたが、実際にどのようなツールがあるのかわからない方もいると思います。最後におすすめの管理ツールを5つに分けて紹介します。
- HRBrain
- Goalous
- カオナビ
- Resily
- Googleスプレッドシート
HRBrain
HRBrainは人材データを管理、分析して、戦略的な意思決定をサポートするタレントマネジメントシステムです。OKRのテンプレートが搭載されているので、目標管理をしやすいのが特徴です。その他にも1on1ミーティングのプランニングや人事配置の最適化など、タレントマネジメントの運用に役立つ機能が数多く備わっています。
また人材育成は管理職、リーダーまで計画的にサポート。優秀な人材の傾向を見える化し、1人1人にあわせた育成の方向性を提案します。多くの大手企業も導入している実績から、信頼性のあるツールといえるでしょう。OKRを運用しつつ、タレントマネジメントにも力を入れたい企業におすすめです。
Goalous
Goalousは目標や業務を見える化して、企業の結束力を向上させるツールです。目標の進捗状況をリアルタイムで把握が可能です。チーム目標の浸透だけでなく、達成までのプロセスも確認できます。SNSのように気軽に情報を投稿、閲覧できるので、よりカジュアルに共有できます。
テレワーク環境でコミュニケーションがうまく取れない場合にも役立つでしょう。気軽な情報共有で目標をオープンにしたい企業におすすめです。
カオナビ
カオナビは人材の潜在的なスキルを見つけ出し、人事戦略をサポートするタレントマネジメントシステムです。人材情報の一元化はもちろん、それぞれのスキルに適した育成計画の立案を行います。設定した目標に適した業務配置をシミュレーションし、人材がパフォーマンスを発揮できるような配置を組み立てます。
また用途にあわせて3つのプランを用意。自社のニーズに沿って最もコストパフォーマンスの高いプランを選択できます。ムダのない機能でOKRやタレントマネジメントを運用したい企業におすすめです。
Resily
Resilyはあらゆるプロジェクトの目標を集約し、可視化する管理ツールです。チームや個人の目標を一元化できるので、リアルタイムで進捗状況の把握ができます。マネージャーは従業員に対して的確なアドバイスを行いやすく、1on1でのフォローも容易です。これらのコミュニケーションを円滑にする機能でチーム間のエンゲージメントを高めます。
無料トライアルがあるので、管理ツールの導入がはじめての企業も安心してお試しができます。目標を可視化しつつ、チームでのコミュニケーション機会を増やしたい企業におすすめです。
Googleスプレッドシート
Googleスプレッドシートは無料で利用できる管理ツールです。OKRに特化したツールではないものの、さまざまな用途で活用できます。使用するデバイスに関係なく、いつでもどこでも作業が可能です。また個人だけではなく、チームとデータを共有しながら作業できるので、リアルタイムで情報を受け取れます。普段エクセルを使用している企業、気軽にOKRの形式を試してみたい企業におすすめです。
まとめると、おすすめのOKR管理ツールは以下の通りです。
- HRBrain
- Goalous
- カオナビ
- Resily
- Googleスプレッドシート
今回紹介した管理ツールを参考に、自社に適しているか確認してみましょう。
まとめ
OKRのシステムは複雑になりがちですが、うまく運用すれば企業の生産性向上だけでなく、チーム全体の活性化につながります。そのためには管理ツールを活用して、効率よく目標を進めていくのがおすすめです。管理ツールは豊富にありますが、自社が求めている機能にマッチしたものを選ぶようにしましょう。その他にもサポート体制の有無や、他のツールと連携できるのかチェックすることも大切です。目標を管理できずに困っている企業はぜひツールを試してみましょう。