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人事評価コンサルティングへ依頼する重要性とは?メリットや比較ポイントを解説

近年、働き方改革の推進により評価制度が見直されています。その中で、人事評価コンサルティングへの依頼を検討している企業も多いでしょう。実際に導入すれば、様々な人事問題が解決されます。そこで今回は人事評価コンサルティングのメリットや導入までの流れを解説していきます。

人事評価コンサルティングとは

人事評価コンサルティングは企業の人事問題をプロと一緒に解決していくサービスです。人事制度が確立されている会社であればよいものの、課題が山積みになっている企業も多く見受けられます。

例えば「モチベーション高く働いてもらうにはどうしたら良いか?」「給与体系は本当に現状のままで良いのか?」など、頭を悩ませるケースもあるでしょう。そこで問題解決の手助けをしてくれるのが人事評価コンサルティングです。プロが問題点をヒアリングし、多角的に戦略を練っていきます。

そして、企業に合ったベストな制度を導入し、企業によっては運用までをサポートしていくのです。現在は人事評価制度を時代に合わせて変化させていかなければ、モチベーション高く働いてもらえません。事実、主体性を持って働いている社員が多い企業はコンサルティングをうまく利用しています。この後解説するメリットやデメリットを把握した上で、導入を検討していきましょう。

人事評価制度を見直す課題と重要性

ではなぜ人事評価制度を見直さなければいけないのか。最大の目的は社員への適切な処遇の決定です。社員を正しく評価しないと不満がうまれてしまいます。

例えば「営業成績が部内で一番良いのに昇給しない」「アイディアが何回も採用されているのにも関わらず昇進されない」など。社員本人の頑張りが反映されなければ、会社全体がネガティブな空気になってしまうのです。最悪の場合、優秀な社員が退職する結果にもつながります。このようなケースが発生しやすいのは、年功序列が残っている会社や評価制度が機能していない会社です。あらためて見直せば、社員からの不満も減っていくでしょう。

また、人事評価制度を正すことで、人材配置の最適化が実現します。社員の性格やスキルを把握できれば、一人一人に合った環境への配置転換が可能です。社員が実力を発揮しやすく、従業員満足度も高められます。以上のように、社員への適切な処遇の決定や人材配置の最適化を実現するには、人事評価制度を見直す必要があるのです。

人事評価コンサルティングのメリット

人事評価コンサルティングのメリットを解説します。

効率が良い

人事評価コンサルティングを導入すれば、効率が格段に上がります。社員が納得できる人事評価を完成させるには労力と時間がかかります。

例えば、セミナーに行ったり、本を読んで勉強したり。独学でつくりあげていくとなると、現実的ではありません。プロのコンサルタントであれば知識やスキルもさることながら、豊富な経験も兼ね備えています。

「人事制度を勉強したけど、経験がないから判断に迷う」「プロだったらこのような場面でどんな決断を下すのだろう」などの悩みも少なくなります。手探りで行う手間が省けるため、生産性が大きく向上するのです。加えて、コンサルティングを導入すれば、効率良く社員を育成できます。

人事制度によって適正な配置を行い、社員を正しい方向に導けるため、人材育成の効率化が実現可能です。このように、人事評価コンサルティングを導入すると、様々な面で生産性が向上していくのです。

従業員の負担が軽減される

人事評価コンサルティングを導入すると、社員の負担が軽減されます。人事の仕事は評価だけではありません。採用や教育など、日々幅広く業務に携わっています。一日中評価に時間を割くのはほぼ不可能なのです。

たとえ人事評価に詳しい人材を採用しようにも、現在は売り手市場もあり、優秀な人事担当を採用するのは現実的ではありません。そこでコンサルティングへ依頼すれば、本来やるべき業務も取り掛かれるでしょう。加えて人事評価コンサルティングは運用までサポートしてくれる場合もあります。

運用後、従業員へ制度についてレクチャーしたり、どの程度把握しているかチェックしたり。人事の社員が行えば大きな負担につながる業務も、代行してくれるのです。長期的に見ても効果が高いため、人事評価コンサルティングを活用してみましょう。

客観的に作成できるため成功しやすい

人事評価コンサルティングへ依頼すれば、第三者視点で客観的に評価制度を作成してくれます。自社内で作成すると、評価項目が少なかったり、部署によって違いが出なかったり。どうしても主観的になってしまいます。正しい評価につながらず、査定の意味をなしません。

コンサルティングを導入すると、様々な企業を担当した経験をもとに的確なアドバイスをしてくれます。冷静に広い視野で制度全体を見るため、より成功する確率が上がるのです。

実際に採用した企業からも「自分達では思いつかないアイディアを提案してくれた」「より現実的な制度を作成できた」など、成功事例が多いです。公平性が高く、良質な制度を作成希望なら、人事評価コンサルティングへ依頼してみましょう。

人事評価コンサルティングのデメリット

人事評価コンサルティングの弱みを解説します。

料金

人事評価コンサルティングを依頼する場合、料金面も念頭に入れておきましょう。費用や相場についてはこの後詳しく解説しますが、決して安いサービスとは言えません。従業員数が多い会社や長期間依頼希望の企業は、必然的に料金が高くなります。

また、サービスの依頼範囲によっても費用が変動するため、様々な観点から確認が必要です。とはいえ、たとえ自社で優秀な評価担当者を採用できたとしても、期待通り働いてくれるとは限りません。

「高待遇で採用したにもかかわらず、イメージ通りの評価制度ができあがらない」「採用して1年経過しても成果が出ない。これだったらコンサルティングに依頼したほうが安く済んだかもしれない」などのケースも。コンサルティング料金はつきものであっても、確実性の観点から見ると、依頼するメリットは大きいのです。

従業員からの理解

人事評価コンサルティングは従業員からの賛同が得られないケースもあります。コンサルティングへ依頼すると、現状の評価制度と180度変わる可能性も。今まで高評価を受けてきた社員の査定が厳しくなる場合も考えられます。

例えば「評価制度が変わって昇給されなくなった」「ボーナス額が低くなった」など。不満の声もあるかもしれません。他にも不安や心配事が発生すると考えられるため、事前に評価制度の変更点や内容を細かく説明していきましょう。

とくに従業員数が多い大企業の場合、情報共有を徹底する必要があります。一人一人に情報が伝わらない場合もあるため、責任者を中心として周知していきましょう。

人事評価制度コンサルティングの比較ポイント

コンサルティングに依頼する際は、まず自社オリジナルの評価制度の作成可否を見ていきましょう。企業によっては評価制度をテンプレート化し、テンプレートに対して当てはめていくだけの形式もあります。

自社の意向や希望を聞いてくれないケースもあり、事前に確認が必要です。実際に「評価制度を作ってもらったけど、企業理念が反映されていなかった」「うちは営業メインの会社であるのに、積極性やアプローチ数の項目が予想より少なかった」などがあります。

このように形式にこだわり過ぎるコンサルティング企業は比較的料金が安価であるため、値段ばかりに注目しないのも重要です。また、自社と同規模の会社をどれだけ担当したかも注目する必要があります。

例えば、自社が50人規模であるのに、1000人規模の大企業をメインに担当しているコンサルティング企業へ依頼したとしましょう。中小企業ならではの問題点を把握していないため、適切な評価制度が完成しません。このように、コンサルティングへ依頼する際は自社オリジナルの評価制度の作成可否と担当企業の実態も確認が必要です。

人事評価コンサルティングを選ぶ方法

前述の通り、基本的にはサービス内容・料金・依頼期間で選んでいくのがポイントです。加えて、依頼するコンサルティング企業が運用までを担当してくれるかも重要になります。人事評価は導入よりも運用が重要と言われており、いかに従業員へ順応させるかがポイントです。

もちろん自社で変更後の内容説明や重要点を説明しても良いのですが、効率的ではないでしょう。コンサルティングへ依頼すれば、自社に代わって情報共有してくれます。

その間に本来の業務にも取り組めるため、生産性は大きく上がります。コンサルティングを選ぶ際はサービス内容・料金・依頼期間で選ぶのも重要ですが、サービス適用範囲も選択対象として入れていきましょう。

人事評価制度コンサルティング導入までの流れ

コンサルティング導入までの流れを解説します。

現状把握し課題を明確化

コンサルティングを導入する際は、事前に自社の状況を把握していきましょう。明確に理解できていれば、依頼する際に問題点をはっきり伝えられます。

そのためにも、日頃から従業員が感じている悩みや不安を聞いておくのがポイントです。ヒアリングする際は1on1ミーティングがおすすめになります。1on1ミーティングは上司と部下で日々感じている問題点や悩みを話し合い、部下の成長を助ける手法です。月1回・週1回・毎日など定期的に行い、部下の不安を早めに取り除くのがポイントです。

1on1ミーティングを行えば多くの意見が集まり、課題がより明確化されます。まずは現状把握のために課題を抽出していきましょう。

課題解決に必要なサービス内容の確認

課題が明確になったら、必要なサービスを確認していきましょう。このポイントがずれてしまうと、希望する評価制度が出来上がりません。そのためにも、コンサルティング企業のサービス内容を把握し、いくつかピックアップする必要があります。

例えば「社員の問題点を吸い上げるところからお願いしたい」とあれば、「社員インタビュー」を実施しているコンサルティング企業をピックアップしていきましょう。サービス内容が同じように見えても、確認すると細かな違いがあります。自社に合った評価制度を完成させるべく、内容を吟味するのが大切です。

費用を比較して最適なものを選定する

サービス内容を確認後、最後は費用を比較して選定していきます。つい「依頼するんだったら費用が安い企業にしたい」「サービス内容よりも料金の安さを優先させたい」と思いがち。もちろん予算の関係上、料金が比較的安価な企業を選ばざるを得ないかもしれません。

しかし、安くても自社に合ったサービスを提供してくれない場合もあります。となれば、予算を無駄にしてしまい、コンサルティング企業へ依頼した時間と労力を浪費するだけです。

そのため、まずはサービス内容を最優先の軸に置き、その後に費用を検討していきましょう。後述しますが、費用は期間や従業員数によって決まります。例えば、期間を短くするだけで料金が安くなるケースもあるのです。サービス内容を考慮した上で、費用を検討していきましょう。

人事評価制度コンサルティングの費用・相場

人事評価制度コンサルティングの費用や相場を見ていきましょう。料金は従業員数・期間・サービス提供範囲によって異なります。ここでは、あるコンサルティング企業2社の例を見ていきましょう。

A社は依頼期間2週間、社員数50名以下であれば50万円。50名以上200名以下なら100万円です。一方、B社は依頼期間6ヶ月、社員数50名以下であれば360万円。300~500名であると480万円になります。

このように、料金は従業員数と期間によって大幅に変わるのです。とはいえ、共通しているのは従業員数が多くなるにつれ費用も上がります。同様に、期間が長くなれば料金が高くなっていくのは考慮しておきましょう。

自社に合った人事評価制度を導入しましょう

時代の変化とともに、人事評価も臨機応変に対応する必要が出てきました。とくに年功序列の制度を導入している会社は、成果主義型への変更も視野に入れる必要があります。とはいえ、自社であらためて人事評価を一から作りあげるのは困難です。

時間や労力がかかり、とても現実的とは言えません。そこで現在注目されているのが人事評価コンサルティングです。プロと一緒に効率的かつ効果的な評価システムをつくれます。

まずは複数社のサービス内容を確認した上で、自社に合った企業を見つけていきましょう。導入が実現すれば「納得のいく評価がされない」「結果を出しているのに昇給しない」といった社員からの不満も減るはずです。