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退職防止(リテンション)とは?退職防止のための施策や、エンゲージメントとの関係、タレントマネジメントとの関係について

昨今よく話題になる退職防止(リテンション)。退職防止(リテンション)の説明から、その施策までご紹介します。

退職防止の高まる重要性

人材不足加速する

昨今の労働市場では一貫して人手不足が続いています。Covid-19の感染拡大の影響により、一部業界では解雇や休職が増えてきているようですが、IT人材等の高技能人材を中心に、人材不足は深刻になるばかりです。

人材の流動性は高まっている

また、グローバル化や企業競争の激化の影響により大手企業の多くが終身雇用制度の見直しに着手しているようです。更には、働き方に対する価値観の多様化が、フリーランスを増加させており、Covid-19の感染拡大が拍車をかけている状況です。

これらの変化は労働市場に大きな影響を与えています。最も顕著な影響は、人材の流動性に表出しています。就「社」ではなく就「職」という意識の強まった若手人材のみならず中堅社員も、転職を強く意識するようになってきており、人材の流動性は飛躍的に高まっています。

採用の強化と共に退職防止も重要

上記の外部変化は、企業の採用活動を大きく変えつつあります。
例えば、就職活動の解禁される3月以前に、インターン等のイベントで学生を囲い込むのはもちろんの事、通年採用に踏み切る日系企業が増えつつあります。

しかしながら、
社員数=新入社員数 + 既存社員数 - 退職社員数
である以上、採用だけではなく、退職社員にも着目する必要があります。とくに、昨今は転職へのハードルが下がったうえ、日本企業の待遇は外資系企業のそれと比較して相対的に劣後してきているため、優秀な人材ほど退職しやすくなっているのです。

よって、退職防止に注力する必要性は高まっているのです。実際、退職防止に力を入れる企業は増加傾向にあります。

退職防止施策を打つ前に注意するべきポイント

退職防止の優先順位を確認する

退職は、一般的にネガティブな印象を持たれることが多いですが、人材の流動性が高まること自体は産業界にとって好ましいことだと言えます。一企業の観点からしても、卒業生が退職後に活躍することで採用ブランディングが可能になる等のメリットがあります。そのため、退職状況が自社にとって本当に改善すべきものなのかは、施策を打つ前に立ち止まって考えるべきでしょう。

退職理由を把握する

自社にとって退職者の現状は改善すべきものであると結論付けられたのなら、より効果的な施策を打つために、退職理由を調査し、考察する必要があります。
その際、社員へのアンケート調査をするだけに留まらず、調査結果の分析まで踏み込むことが大切です。

退職防止のための具体施策

エンゲージメントを向上させる

エンゲージメントとは?

人事領域で用いられるエンゲージメントとは、従業員の会社に対する「愛着」や「愛社精神」、「思い入れ」等の意味で用いられます。そして、エンゲージメントが高い従業員程、退職しにくいと考えられているのです。
(参考:タレントマネジメントシステムによる従業員エンゲージメントの向上

エンゲージメントを高める重要性は大きい

昨今では、日本国内においてもエンゲージメントが着目されてきましたが、欧米諸国での注目度の高さは日本のそれとは比較になりません。元来、人材の流動性が日本より遥かに高い欧米諸国では、エンゲージメントが重視される傾向にあり、特に近年はHRテックの隆興に伴いエンゲージメントに関する論文投稿が増えてきています。

国内企業のエンゲージメントの現状

出所:State of the Glabal Workforce 2017:GALLUP

上記のグラフから、国内企業の従業員のエンゲージメントは、他国と比較して非常に低いことが分かります。

エンゲージメントが低下する原因は?

それでは、そもそもエンゲージメントが低下する原因はどのようなものなのでしょうか?

一般的には、「勤務時間制度」、「過剰法令順守」、「仕事の細分化」と「メンバーシップ型」の4つが挙げられます。
特に、メンバーシップ型雇用であることによって専門的な技能が身に付かず、自身の職に対するプロ意識が生じないことは、大きな問題として採り上げられることが多いです。そもそもエンゲージメントとは、従業員のプロ意識に基づき、自身の使命や役割が明確化された職場で高まると言われています。メンバーシップ型雇用制度とは相性が悪いと言わざるを得ないでしょう。

業務に直結する領域

やりがいを高める施策

従業員の仕事に対するやりがいは、エンゲージメントに直結します。職務に対するやりがいを高めるためには、従業員の納得できる人事配置や人事評価制度を構築することがもっとも効果的です。既存の不満を吸い上げる等して、改善を行うと良いでしょう。また、企業や上司のビジョンを共有することも有効な打ち手の一つになります。

業務の周辺領域

福利厚生の充実

企業の福利厚生を充実化が従業員のエンゲージメントを向上させる有効な打ち手であると判明しております。多様な働き方を認めたり、家賃補助などの従業員の生活を支援する仕組みづくりは、有効な打ち手になるでしょう。

タレントマネジメントの導入

タレントマネジメントとは?

タレントマネジメントとは、「組織の成果向を目的として、組織にとっての重要ポジションを決定し、そのポジションに最適な人材の恒常的な配置の計画・実践を行う仕組み」と一般的には定義されます。

タレントマネジメントの有用性

タレントマネジメントは、キーポジションの人材の能力向上を大きな目的の一つとしており、従業員のエンゲージメント向上につながります。

また、タレントマネジメントの導入は人材の最適配置に繋がることが多く、その意味でも従業員のエンゲージメントを向上させるでしょう。

タレントマネジメントシステムの活用

タレントマネジメントシステムの有用性は大きい

タレントマネジメントシステムを利用することで、タレントマネジメンを容易に導入できるようになり、上記に挙げた退職防止効果を、より簡単に確度高く実現できるようになります。
(参考:タレントマネジメントシステムによる従業員エンゲージメントの向上

例えば、従業員の勤務姿勢や評価等から、退職しやすい従業員の発見ができるようになっており、各従業員の退職防止(リテンション)をしやすくなります。

この機会に、退職防止施策として、タレントマネジメントシステムを導入してみてはいかがでしょうか?

参考記事