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さとり世代はどんな人が該当する?特徴と効果的な指導方法を解説

20代~30代前半の社員はさとり世代と呼ばれている年代です。40代以降の方からすると「当時の自分達と仕事に取り組む姿勢が違う」「性格や価値観も自分が若い時代とは異なる」と感じているのではないでしょうか。

また、さとり世代の部下の扱いに困っている方もいるはず。そこで今回はさとり世代の特徴と効果的な指導方法について解説します。

さとり世代とは?

さとり世代は1980年後半~2000年代前半にうまれた方達です。その語源は「悟りを開く」からきていると言われています。悟りを開くとは迷いがなく、信念を貫く意味。時代背景もあり、自分が思ったままに生きる人達が多いのです。現在の20~30代前半の方達は人に左右されず、まずは自分自身の考えを優先させる傾向があるでしょう。

また、悟りを開くには欲や執着を持たない意味もあります。出世欲・物欲・金銭欲などが他の世代よりもない人達が多い印象です。実際にどの会社を見渡しても「自分が一番になって目立ちたい」「営業部門で他の人に負けたくない」などと向上心を持った方は減少傾向にあるでしょう。

これは会社の経営にも関わっており、若者の競争意欲の低下によって新陳代謝が起きにくくなっている問題点もあります。下からの突き上げがなく上層部に変化もなければ、会社として成長しません。そのため近年はさとり世代に合った、以前とは異なった経営手法が求められています。

ゆとり世代との違い

さとり世代とゆとり世代は混同されやすいものの、似て非なる部分は多いです。まずさとり世代は1980年後半~2000年代前半にうまれた方達を指すのに対し、ゆとり世代は1987年~2004年までが対象。被っている時期こそありますが、厳密にはさとり世代より一つ前の世代を指します。

さとり世代が「脱ゆとり世代」と呼ばれる所以も、この時代背景からきているのです。そして、何より違うのは性格や価値観。ゆとり世代では教育の週休2日制が採用されており、教育以外の交流や遊びにも注力しはじめました。結果、ゆとり世代の社員は「プライベートを優先しがち」「仕事において保守的」などの傾向が見られます。

一方、さとり世代はゆとり世代の政治的背景を見て育ったため「人に左右されず自分の考えで生きる」「安定志向」などといった特徴があるのです。一見すると似た性格や価値観であるものの、考え方の軸が異なるのは念頭に置いておきましょう。

つくし世代との違い

さとり世代やゆとり世代と似た言葉でつくし世代があります。つくし世代の対象は1980年代以降にうまれた方達です。さとり世代やゆとり世代とほぼ対象の年代は変わりません。ゆとり教育を経験している事実からも、さとり世代と被る人達もいるでしょう。とはいえ明確な年代の違いこそないものの、性格や価値観は異なります。

一般的にゆとり教育を受けて大きく2つのパターンに分類されるのも事実。一つは前述したさとり世代やゆとり世代です。ゆとり教育によってプライベートを充実させたり、指示待ちの人が多かったりする傾向にあります。そして二つ目のパターンがまさにつくし世代です。ゆとり教育の良い面が人格や性格に反映されています。

例えば「自分よりも相手を優先させる」「なんとか相手の役に立ちたい」など、奉仕精神が目立つ傾向にあるもの。コミュニケーション力も高く、チームプレーを得意としているのです。このように同じ年代にうまれた方でも、ゆとり教育によって受ける影響の違いで性格や価値観が変わるのは覚えておきましょう。

さとり世代が誕生した背景

さとり世代がうまれたのには時代背景が大きく関係しています。さとり世代の対象である1980年後半~2000年前半は歴史に名を残す出来事が多々発生しているのも事実です。1991~1993年バブル崩壊、1995年阪神淡路大震災、2009年リーマンショック、2011年東日本大震災。20年の間に世界を揺るがす出来事が4つもありました。

この出来事を目の当たりにした方達は「事件が起きても自分の力で生きる力が必要」と考えたのです。周囲の意見よりも自分の考えを優先し、価値観や考え方を若い時期から確立させていきました。結果、他人に左右されず自分中心の生き方を貫く方達が増えていったもの。

また「今後事件が起きることを想定して贅沢はできない」と考えた人も目立ちました。安定性が重視され、ブランド物の買い控えや出世欲のない方が人目につきはじめたのです。

さとり世代の特徴

さとり世代の特徴を解説します。

非ブランド思考

1980年より前にうまれた方とさとり世代では物に対する価値観にも差があります。1980年のいわゆるバブル世代と呼ばれる方達はブランド志向が強かったです。高級ブランドのスーツや海外製の車を持っている事実がステータスと認識される時代でした。バブルの影響で現在よりも高級品に手を出しやすかった背景もあるでしょう。

一方、さとり世代はブランド物に興味や関心が薄い傾向にあります。堅実な若者が一般的となった世の中で、ブランド品よりも実用性の高い物が重宝されはじめました。例えばプレゼントの人気ランキングを見てると、その事実は明らかです。

以前まではブランド品が上位に来ていたものの、現在は時短家電やキッチングッズなどがトップにきています。見栄やステータスよりも、目的や使い勝手に着目しているのが分かるでしょう。インターネットの普及で口コミやレビューが確認できる世の中となり、ブランド品よりは万人受けする物に人気が集中しているのかもしれません。

デジタルネイティブ

デジタルネイティブとはデジタル機器を問題なく使いこなせる意味です。さとり世代の1980年代後半以降はまさにデジタル機器が普及しはじめた時期。海外や日本のコンピュータが世に出回ったのも1980年代後半です。

そして2000年代に入ると携帯電話が登場。さとり世代が学生の頃には電子機器が日本中に広まっている状態でした。プライベートでパソコンや携帯電話を使うのが当たり前となり、コミュニケーション手段も電子ツールが一般的となったのです。

コミュニケーションに手紙や伝言掲示板を活用していた時代とはまったく異なります。時代の流れで電子機器はコミュニケーションだけに利用するものではなく、知りたい情報を調べるツールへと変化していきました。このように、さとり世代は物心ついた時期から電子機器に触れる環境にあり、自由に使いこなせるスキルを持ち合わせています。

現実主義

さとり世代は現実主義な方達が多い傾向にあります。それはリーマンショックや東日本大震災を目の当たりにしてきたからです。

「今お金を使っては有事の際に対応できなくなる」「ぜいたくは浪費につながる」と考え、節約志向や現実志向が若者達の間で強まっています。実際にここ数年、ボーナスの使い道は「貯金」と答えるさとり世代は多く、ボーナスは買い物や旅行に消費していた昔と比べれば違いが歴然でしょう。

もちろん数十年前よりも平均給与の低下が影響しているものの、全額貯金する方達が多い事実を見ると現実主義傾向なのです。「夢や欲望よりもまずはリスク管理に取り組む」姿勢が見られます。以前よりも壮大な夢を語る若者が少なくなっているのも、生まれ育った環境が影響しているかもしれません。

安定性重視

さとり世代は「失われた20年」を生きてきた方達です。失われた20年とは具体的に1990年~2010年代初期を指し、バブル崩壊後の経済低迷期を指します。世の中が不況に陥った時代であり、贅沢は禁物とされていたのです。堅実な生活を送る日々となり、確実な将来だけを求めはじめました。

するとさとり世代は失敗を極端に嫌がり、成功するための方法を追求します。「挑戦すると失敗する危険性があるから現状維持でいい」「失敗したら時間が無駄になるから余計なチャレンジはしない」などと考えはじめました。

結果的に夢よりも堅実な生活を優先させる思考へと変わったのです。そのため、以前よりも「出世して社長になりたい」「大企業へ入社してバリバリ働きたい」と希望を持つ方は少なくなりました。

競争心が低い

競争心が低いのもさとり世代の特徴です。ゆとり教育はそもそも競争を避ける方針のもとにうまれた教育です。争うことなく個人を尊重し、自由にのびのびと生きる若者を増やす狙いがありました。実際に個性的で自由な発想がうまれたのも事実です。

その反面、競争の少ない社会がうまれてしまいました。運動会や発表会では順位が撤廃され、それぞれが楽しむための発表会へと生まれ変わったのです。通知表は相対評価から絶対評価へと変わり、他者を意識して学習を進める習慣は少なくなりました。

結果的に生徒の学習能力が低下し、一時は社会問題へと発展します。このように、さとり世代は幼少期から競争する習慣がなく、いざ競争を求められても窮屈に感じてしまうもの。競争が一般的であった現在の40代以降の方達からすると、異様な光景に映るかもしれません。

好きなことにお金をかける

さとり世代は高級品やブランド品に出費しないものの、好きなことにはお金をかける傾向にあります。例えばライブ・旅行・映画鑑賞など、どちらかと言えば娯楽に出費しがちなのも事実です。これには現実主義ならではの思考が大きく関係しています。高級品やブランドは「物」であるため、いつかは使えなくなったり価値が下がったりするでしょう。

一方、娯楽は「思い出」として一生残るため、さとり世代は物よりも意義の大きさを感じます。「物に高いお金を払っても結局無くなるよね」「だったら記憶に残しておきたい」などと現実的に考えるのです。また、さとり世代は幼少期から趣味に費やせる時間も多かったため、大人になっても娯楽に対する愛着は変わらないのかもしれません。

人当たりが良い

さとり世代の若者を見渡すと人当たりの良さがうかがえます。ギスギスした雰囲気もなく、ギラギラとした姿勢もほぼ感じられません。

背景には競争意識の低さが関係しているでしょう。人を出し抜いて自分の利益を優先する考えもなく「協力して成功に導いていければいいかな」「自分よりも他人の成功を応援したい」と感じています。実際にさとり世代はコミュニケーションに長けた方も多く、協調性は問題ないと言えるでしょう。

その反面、相手の意見や考えを優先させるあまり「何を考えているか分からない」「本音で話し合いができない」と感じる場面も見受けられます。人当たりの良さは一見ポジティブに感じられますが、このようにデメリットをもたらすのは念頭に置いておきましょう。

さとり世代の仕事スタイルの特徴

さとり世代の仕事スタイルの特徴を解説します。

効率を重視する

さとり世代はデジタルネイティブである背景からも、仕事では効率重視です。

デジタル機器の扱いはお手のもの。幼少期からネット社会で生きてきたさとり世代はデジタルツールを駆使して業務に取り組みます。一日のスケジュールを手帳ではなくスマホやタブレットで管理したり、データはエクセルではなくデータ集計専用アプリケーションを使ったり。無駄を最大限省いて効率的に進めていくのです。

場合によっては40代以降の社員が、20代の若手へデジタル機器の使い方を教わるシーンもあるかもしれません。非効率な物事に対しても愚直に取り組んだ以前の職場と比べれば、現在はガラリと業務内容が変わってきているでしょう。

指示に忠実に従う

さとり世代は上司の指示に忠実に従う傾向があります。背景にはゆとり教育で導入された絶対評価が関係しているでしょう。それまでの教育は相対評価。他の学生と比べながら採点付けが行われました。

一方、絶対評価は教師の主観によって8割方決まってしまうもの。相対評価にあった学生の基準が撤廃されたため、教師の判断で採点するしかないのです。

加えて絶対評価になり「関心・意欲・態度」の項目のウェイトが大きくなったのも事実。内申点の約半分は授業への態度で決まりました。以上二点の背景により「教師に従う他ない」環境ができあがったのです。結果的に受け身の学生が増え、さとり世代は大人になっても指示に従うのが安全だと認識しています。

プライベートを重視する

さとり世代は仕事よりもプライベートを重視する方達が多いです。さとり世代が育った時代背景もあり、一般的には上昇志向やロマン主義ではありません。出世・昇進・昇格などに興味を持たず、ある程度の収入で自分の時間を楽しみたいと考える方が多いでしょう。

実際に就職活動で会社を選ぶ基準では「残業がない」「ワークライフバランスが実現できる」などが例年トップにきています。「会社の知名度が高い」「若い時期から活躍できる」などは年々順位を下げているのも事実。

また、飲み会や懇親会には参加しない方も多く、40代以降の社員が頭を悩ませる要因の一つでもあります。

帰属意識が低く、自己実現への意識が高い

さとり世代は帰属意識が低く、自己実現への意識が高いのも特徴です。2010年代中盤から終身雇用制度の崩壊が本格的にはじまりました。

以前までは会社の言うままに行動していれば安全だったものの、現在はいつ自分の身に何が起こるか分かりません。その事実をさとり世代は熟知しているため、会社への奉仕意欲が低いです。「会社のために頑張ろう」よりも「自分の成長を第一に取り組もう」と考えています。

以前までは転職がネガティブに捉えられていたものの、スキルアップのために進んで転職する方も増えているのです。また、以前までは馴染みの薄かった副業にチャレンジする方達も増加中。これらも自己実現に対する意識の高まりと大きく関係しているでしょう。

成果よりもストレスフリーを重視

さとり世代は成果よりもストレスフリーに重点を置きがちです。上昇志向を持たない現実主義の方達が多いため、仕事の成果を求めない傾向にあります。

その反面、会社の雰囲気や福利厚生に焦点を当てる方が多く、働きやすさや満足度を求めているのも事実。そもそもゆとり教育を受けてきたさとり世代はストレスがかからない環境で育ってきています。

自由にのびのびとした教育を受けており、ストレスとはほぼ無縁なのです。ストレス耐性がないとも言い換えられるでしょう。その傾向が大人になっても残っており、気苦労や気疲れを少しでも抱えやすい職場を敬遠するのです。

さとり世代の効果的な指導方法

さとり世代の効果的な指導方法を解説します。

提案を心がける

さとり世代に対して指導する場合は提案を心がけるのがポイントです。元来さとり世代はゆとり教育によって自由かつ快適な環境で育ってきました。誰かから強制や強要されることなくマイペースに生きてきたのです。

そのため、上司から命令されたり押し付けられたりする行為を嫌います。これはさとり世代だけでなく、人間全体にも言えるでしょう。「あれをやりなさい」と言われるよりも「これをやれば○○さんの成長にもつながるからやってみてはどう?」と言われたら進んで行動に移せるはずです。

また、提案する際には具体的かつ提案の背景までを丁寧に伝えると、モチベーションを上げて仕事に取り組んでくれるでしょう。

結果だけでなくプロセスを褒める

さとり世代は一般的に承認欲求が強いです。SNS全盛期に育ったため、他人からどう見られているかを気にしがち。SNSで自分をアピールし、どれだけ反応があったかに注目される世の中で生きてきたからです。

これは仕事でも同様。結果よりも「自分がどれだけ頑張ったか?」「昨日よりもどれだけ成長したか?」などを見てもらいたいのです。

このような欲求を満たせば「自分をしっかり見てくれているんだな」と感じ、やる気を維持して働いてくれるでしょう。そのためにも指導する側は日々社員の言動を観察するのが重要です。

注意の際はPNP法を使う

PNP法は悪い点を指摘する際、相手のやる気を失わず前向きに伝える手法です。P(positive)・N(negative)・P(positive)の頭文字を取った指導手法となります。

指摘(negative)をする場合には始めと終わりに褒め言葉(positive)を挟むのがポイント。例えば営業成績が悪い社員に対し「笑顔がはつらつとしていていいね。でもアプローチ件数がやや少ないから増やしたほうが成績が上がるよ。爽やかな部分は他の社員よりも優れているから引き続き自信持ってね。」といった流れです。後味が良いため、指摘されても暗い気持ちになりません。

精神的な強さに欠けるさとり世代には最適な手法と言えるでしょう。

ルールやマニュアルを整える

さとり世代へ指導するにはルールやマニュアルを整えるのがポイントです。彼らは効率を重視する傾向にあり「人から教えてもらうよりも手順書を見たほうが手っ取り早い」「人によって指導が統一されていない可能性があるからマニュアルを確認したい」と感じやすいもの。

加えて現実主義であるさとり世代はルールやマニュアルがあると安心するのです。そのためにも社内マニュアルは事前に整備しておきましょう。さとり世代は合理的であるため「なぜそうなるのか?」「どうしてこの業務を行うのか?」は明確に記載しておくのがポイントです。

さとり世代を指導する際の注意点

さとり世代を指導する際の注意点を解説します。

プライベートに干渉しない

さとり世代を指導する際には仕事とプライベートの線引きをはっきりさせるのがポイントです。前述の通り、さとり世代は仕事の成果よりもプライベートを重視する傾向にあります。人によっては教えたくない、知られたくない趣味を持っている方もいるでしょう。

その中で上司が詮索すると嫌悪感を抱いてしまいます。結果的に「プライベートを侵害された」「自分のテリトリーに無神経に入り込んでくる」と感じ、仕事へのモチベーションも下がってしまうのです。

付き合いが長くなれば深い話をしても問題ないかもしれませんが、関わりが浅ければ仕事の会話のみにするのが安全でしょう。

精神論や根性論を語らない

さとり世代に感情論は通用しないのが一般的です。リアリストな方達が多く、行動に対して理由付けがなければアクションを起こしません。理由なき精神論や根性論で押さえつけるのは無意味なのです。

とくに上司が「俺が若いころにはもっとひたむきに頑張ったぞ」「とにかく量をこなして土台をつくった」などと部下に語る場面も見られますが、当の本人にはほとんど伝わっていません。部下を指導する際は「なぜ?」を具体的に説明し、ロジカルに伝えるのが効果的です。

さとり世代以外の世代

さとり世代以外の世代について解説します。

しらけ世代

しらけ世代とは団塊世代の次に該当する世代です。対象年代は1950~1964年生まれが該当します。語源は「しらける」から来ており、どこか冷めていてやる気を失っている状態です。そもそも団塊世代は第二次世界大戦をはじめ、激動の時代を生き抜いた人達。中でも活発だったのは社会運動です。世の中の秩序に逆らってきた背景もあり、感情的な方達が増えていきます。

しかし、社会運動の効果はなく、世の中は大きく変わりませんでした。それを見つめていたのがしらけ世代。「熱くなっても意味がない」「頑張っても結果は同じ」そのような感情を持ちはじめ、冷静かつ何事にも関心の薄い人がうまれたと言われています。

バブル世代

バブル世代は1960年中盤~1970年はじめに生まれた世代です。不動産や株式の資産価値が大きく上がり、泡のように膨らんだ光景と似ているためバブルと言われています。世の中にお金が出回り、株式投資で大儲けする方が出たり、不動産ブームで高級住宅を購入する方が続出したりしました。就職・転職市場は売り手市場となって、希望する会社に難なく入社できる世の中となったのです。

また、人において特徴的なのはコミュニケーション上手な方が多い点でしょう。お金を使っても無くならない時代であったため、今で言う飲みニケーションが活発に行われていました。インターネットが存在しない時代も後押しし、交流機会の増加によってコミュニケーション力が磨かれたのです。

就職氷河期世代

就職氷河期世代は1970年初期~1980年前半に生まれた方達を指します。バブル崩壊後は世の中が不景気に変わり、就職が困難な時代へと変わりました。就職状況が冷え込んだ背景を氷河期となぞらえ、就職氷河期と名付けられました。

バブル時代の売り手市場が嘘のように、採用市場は買い手市場へと変わります。一人の面接企業数が100社を超えるのは普通であり、このころから就職難民と呼ばれる言葉も出てきました。

そんな就職氷河期を経験した方達は精神的にタフで粘り強い印象です。苦難を乗り越えたからこそ、社会人として必要な要素が備わっています。

プレッシャー世代

プレッシャー世代とは就職氷河期世代とゆとり世代の間、1980年代に生まれた方達が該当します。1980年代からバブル崩壊後の不景気・阪神淡路大震災・東日本大震災など、様々な出来事が起こりました。

その中で「事件や事故が起こっても自分でなんとかしなければいけない」と心理的圧迫を受ける中で生きてきたため、プレッシャー世代と呼ばれています。

そんな彼らの特徴は何と言っても明るさでしょう。困難に立ち向かっていく中で前向きに生きてきたからこそ、底知れぬ明るさで周囲を魅了してくれます。また、堅実に物事を考え、安全志向であるのも特徴です。

ミレニアル世代

ミレニアル世代は2000年代に20代を迎える、1981~1996年生まれの方達を指します。別名「ジェネレーションY(Y世代)」です。

ジェネレーションYと呼ばれる背景にはアメリカの人材事情と関係しています。米国では1960年代中盤~1970年代後半にかけて、X世代と呼んでいるのも事実。

Xは「未知」と置き換えられ、第二次世界大戦後の未知の世界を生きた背景から、X世代と呼ばれています。Xの次はYであるため、1980年代~90年前半はY世代と名付けられているのです。デジタル機器を駆使し、効率性を重視する特徴があります。

Z(ゼット)世代

Z世代はY世代の次、1990年後半~2010年前半に生まれた方達が該当します。物心ついた時期からスマホや高性能PCを利用できる環境にあるため、デジタルネイティブ世代とも呼ばれているのも事実。それまで雑誌や口コミで情報を確認して購買していた流れが、SNSやネット検索を活用して購入する動きが一般的となりました。

店頭に行って買うよりも、ネットショッピングを駆使する傾向にあるのもZ世代の特徴です。若者の購入スタイルが変わった影響により、ECショップに業態を変える企業が増えました。このように、業界全体の大規模な事業変更に発展した背景からも、Z世代は影響力の大きい世代と言えるでしょう。

各世代の特徴を理解した上でコミュニケーションをとりましょう

さとり世代は1980年後半~2000年前半生まれの方達です。世間を揺るがすほどの大きな出来事を経験したため「人に頼らず自分の力で生きていかなければいけない」「贅沢はせず現実的に生きていく必要がある」などの考えがあります。

実際に職場を見渡しても信念を持った方が多く、リアリストな人が目立つ傾向にあるでしょう。そのため、さとり世代を指導する際は提案を心がけ、ルールやマニュアルを整備しておくのがおすすめです。他にもプライベートに干渉せず、感情論でなく理論的に指導するのも重要になります。