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中小企業の業務効率化のメリットとは?効率化を成功させる方法も合わせて解説

中小企業の業務効率化のメリットとは?

近年、働き方改革の推進もあり、中小企業の業務効率化がさらに求められる時代となりました。実際、効率化を実現させた企業は少ない労力で大きな成果を上げています。では効率化に向けたポイントは何でしょうか。今回は中小企業の業務効率化を進めるメリットと成功させる方法を中心に徹底解説していきます。

中小企業の業務効率化のメリット

中小企業の業務効率化の大きなメリットはコア業務に集中できるからです。規模が大きくない会社は投資できる資源も限られています。効率化が実現できると、やるべき業務と不要な業務の分別がつき、本来の仕事に時間も人員も集中させられるでしょう。大企業と同等もしくはそれ以上を超えるとなれば、業務効率化は必須なのです。また、中小企業が業務効率化を行うと、従業員満足度が上がる利点もあります。中小企業は「大企業に勝つために朝から晩まで働く」「人数が少ない分一人の作業量が多い」などの印象があるのではないでしょうか。実際、マンモス企業と比べて労働時間がかさんでいるのも現実。勤務時間の長さに頭を抱えている方もいるはずです。しかし、効率化が実現できれば、一人に掛かる就労時間は短くなります。プライベートが充実し、より仕事に集中できる環境が整います。結果、社員のモチベーションが上がり、業績も順調に上がっていくでしょう。離職率も下がり、優秀な人材も獲得可能です。中小企業が業務効率化を進めるメリットは大企業よりも多いため、業務内容をあらためて見直す必要があります。

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業務効率化を実行する具体的な方法

効率化を実現する具体的な方法は以下のとおりです。

人材確保、効率的な人材配置

業務効率化を実行するには人材確保と効率的な人材配置が不可欠です。業務をこなせる人材を揃えた上で、適性を踏まえた配置を行えば、少ない資源で魅力的なサービスを提供できます。コロナ禍の影響もあり、就職・転職志望の方は以前よりも安定を求めています。2021年の大企業志向は過去最高とも言われ、中小企業志望者は年々減少しているのが現状。しかし、優秀な人材は安定よりもやりがいを求めているのも事実です。中小企業は入社年数が浅くても、裁量のある仕事を任される傾向にあります。実際、若くして役職に就いている方は中小企業勤務であるケースが多いでしょう。人材確保のチャンスは十分にあるため、まずは採用に力を入れる必要があるのです。そして、人材は確保して終わりではなく、適性を正しく分析していきましょう。効率を求めるなら、社員全員が長所を活かして業務に取り組むのが重要です。中小企業こそ、人材確保や人材配置が大切になるのは念頭に置いておきましょう。

業務のフォーマット化と自動化

業務効率化を目指すなら、業務のフォーマット化と自動化が必須です。定型業務をITの力に頼ってしまえば、業務時間は大幅に短縮されます。現状の仕事をあらためて見直してみると、改善できるポイントは複数あるはずです。例えば、個別に行っていた報告書作成をマニュアル化したり、Excelを使って対象データを整理したりすると良いでしょう。とくに業務をマニュアル化しておくと統一感が出て、業務修正の手間も防げます。さらに、マニュアルの質が上がれば、後に新人が入社した際も役立ちます。一から十まですべて教育する必要はなく、マニュアルに目を通して仕事の基本を覚えてもらえるのです。業務効率化を進める上で業務のフォーマット化と自動化は重要であり、まずは改善できる点がないか確認してみましょう。

「グループウェア」の導入

業務効率化を図るならグループウェアを導入する方法もおすすめです。グループウェアは予定表・勤怠管理・社内申請・文書管理などを一つのサービスで運用できます。それぞれ違ったサービスを利用する必要がないため、大幅な業務効率が見込めるでしょう。とくに予定表や社内申請がネット上の同一サービスで完結できる点はグループウェアの強みです。依然としてホワイトボードで予定を共有する企業や各自のスケジュール帳で管理する会社も多いでしょう。グループウェアの予定機能なら、外出先でもクリック一つで全社員の予定を確認できます。また、申請書を紙ベースで回す企業も減っていないのが現状です。社内申請機能であれば直筆や押印の手間が減り、画面上で全ての作業が済んでしまいます。グループウェアは多数の利用メリットがあるため、是非導入を検討してみましょう。

業務効率化を成功させるポイント

効率化を成功させるポイントは以下のとおりです。

すべての業務を可視化

業務効率化を成功させるためには全業務の可視化が欠かせません。問題点を洗い出せれば、解決のヒントになります。まずは「全業務で効率化できる箇所はどこか?」「行わなくても良い仕事は何があるか?」などの分析が必要です。もちろん担当部署が責任を持って行っても良いですが、関連社員へヒアリングを行うとスムーズにいきます。現状の不満や改善すべき点を聞き出せれば、効率化に向けて大きく前進するでしょう。しかし、ヒアリングは時間を掛けて堅実に行わなければいけません。担当社員は信頼関係が無い状態ですべてオープンに話すわけではなく、徐々に真実を話していくからです。コミュニケーションを密に取り、まずは仕事について何でも話せる関係を目指していきましょう。意思疎通が図れれば、胸の内を素直に語ってくれるはずです。一人の担当者が非効率な点を打ち明けてくれると、徐々に問題点を話してくれる社員が増えていきます。まずは小さな課題から見つけ出していきましょう。

業務効率化を実施する範囲と順番の決定

業務効率化を実現させるには実施する範囲と順番の決定が不可欠です。業務の可視化を行った上で範囲と順番が決定できれば、スムーズに効率化できます。反対に、優先順位の絞り込みができていないと、正しい効率化が望めません。まずは「どの範囲まで効率化を進めるのか?」「何の業務を優先的に効率化するのか?」を決定していきましょう。とくに効率化に向けた優先順位付けは重要です。利用頻度が高い業務や売上に直結する業務から改善する必要があります。例えば、予定表の共有や見積書の作成は業務において大きなウェイトを占めるでしょう。グループウェアの導入に頼ってしまえば、悩みも解決します。また、社内のリソースで効率化がむずかしければ、業務委託してしまうのも良いです。専門家の力を借りて効率化を図る企業は近年増えています。いずれにしても、業務を可視化するだけでなく、効率化を実施する範囲と順番の決定が重要です。

効率化を図る手段、ツールの選定

業務効率化を実施する範囲と順番が決定したら、次は効率化を図る手段とツールの選定です。当工程は最後の下準備でもあるため、入念に準備を進めていく必要があります。例えば、効率化を図ると言っても手段は多種多様。無駄を省くだけでなく、似た業務を一つにまとめたり、複雑な業務をシンプルに仕上げたりするのも効率化です。業務をどの手段で効率化するかをまずは検討していきましょう。手段が決定したら、ツールで解決できるかの考案も必要です。前述したグループウェアはもちろん、最近は社内のコミュニケーションや情報共有をスムーズにするためのチャットツールが登場しています。社内連絡をライン感覚で利用できるため、業務も簡素化できるのです。まずは自社に合ったツールを選定していきましょう。

PDCAサイクルを回す

業務効率化を成功させるためにはPDCAサイクルを上手く回す必要があります。ツールを導入しただけで成果が出るとは限りません。C(Check  検証)やA(Action 改善)まで行ってはじめて効率化が実現できます。例えば、効率化に向けて業務を縮小したものの、実は重要な仕事まで削減している場合もあります。当事象に限らず、ボトルネックは検証や改善を行わなければ気付きません。何度も実行と失敗を繰り返していく中で、質の高い業務フローが完成します。また、PDCAを回す際は現場と経営層で意思疎通を徹底していきましょう。状況を共有しておけば、全社員が当事者意識を持ちます。「現在はPの段階で、計画を入念に立てている」「今はCの段階であり、結果をもとに検証を行っている」などと共有しておくと良いでしょう。現場と経営層が一丸となれば、業務効率化はよりスムーズに進むはずです。

コストカットの範囲の見極め

業務効率化に向けてコストカット範囲の見極めは欠かせません。会社の必要経費には様々な種類があります。具体的にはオペレーション・エネルギー・オフィスコストがあり、どの範囲をメインに削減するのかを見定めていきましょう。オペレーションコストは主に人件費を指します。効率化においては最も削減対象となりやすいでしょう。エネルギーコストは業務にかかる電気・ガス・水道代を指し、オフィスコストは賃料・PCやコピー機の維持費・印刷代のことを言います。とくに利用頻度の高いPCやコピー機は最新版に切り替えても良いでしょう。初期投資こそかかるものの、長い目で見れば日々の業務時間が大幅に短縮されるのです。「起動が遅くてなかなか作業にうつれない」「パソコンが古くてトラブル対応に時間がかかる」などの悩みも減ります。その中で、実践しても全く効果が出ないケースもあります。その原因はコストカット対象が誤っているのかもしれません。範囲対象を改めて見直し、本来着目すべきポイントに注力していきましょう。

まとめ

中小企業は大企業よりも資源が限られているため、業務効率化が欠かせません。効率化が実現できれば、コア業務に集中でき、社員のモチベーションも自然に上がっていきます。そのためにも、まずは問題点の洗い出しを行い、必要に応じてITツールを利用すると効果が高いです。自社の仕事を更にレベルアップさせるためにも、業務効率化に着手していきましょう。