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人員配置を最適化するポイントと目的を解説!メリットとデメリットは?

人員配置を最適化するポイントと目的を解説!

業務の効率化を高めるための施策として「人員配置」が1つ挙げられます。人員配置によって、人材のスキルや経験を無駄なく活用し、会社の生産性を高めることができるでしょう。現時点での会社の生産性に不満を感じており、より高い効率性を求めたいという方は参考にしてみてください。本記事では、人員配置の目的から最適化のポイント、実施することによるメリットとデメリットの順で解説していきます。

人員配置とは

そもそも「人員配置」とは何なのでしょうか?人員配置とは、会社に属する社員をどの部署に割り振り、どのような業務を担当させるのかなどを決定することです。例えば、「この社員は〇〇のスキルをもっているから、この業務を担当してもらおう」「この業務には何人まで配置すべきなのか」という風に決定していきます。これを行うことにより、従業員たちは自身のスキルを存分に活かした仕事ができたり、1つの業務に必要以上に人材を割り振ってしまうような事態を防ぐことができます。


実施する目的

人員配置がどのような仕組みなのか理解した上で、具体的にはどのような目的で実施されることが多いのでしょうか。大きく分けて2点解説します。


事業目標の達成

1つ目は『事業目標の達成』です。人材を最適な業務や部署に割り振ることで、それぞれの強みを活かした仕事を効率よく行わせることができます。たとえば、「この業務には〇〇のスキルが必要だから、経験のあるAさんに任せよう」「この事業には○人ほど必要だから、あらかじめ割り振っておこう」という風にしておけば、各社員の能力を最大限発揮させることができ、結果的に事業目標に近づくことになります。


従業員の効果的な活用

スキルや経験があるにも関わらず、それらを活かせられない業務に割り振ってしまうと、業務の効率性も上がらないどころか、会社に不満を持つようになりそのまま離職につながるケースもあります。そういった事態を防ぐためにも、従業員のスキルはしっかりと把握しておき、それぞれに適した仕事を与えるようにしましょう。そうすることで、人材の能力を効果的に活用することができ、その強みを次の世代の社員にも引き継がせることもできるかもしれません。


人員配置を最適化するポイント

企業の目的達成のために、人員配置を実施する上で気をつけておきべきポイントを4つご紹介します。特に1つ目のポイントに関しては、最重要項目となっているため要チェックです。


従業員のデータの把握

社員一人ひとりの経験や能力、どの程度の知識を有しているかといったようなデータを一元に管理しておくと良いでしょう。もちろん1つ1つ人の手で管理・把握するのは困難なので、専用のシステムを活用するとスムーズに行えます。各社員のデータを把握していないと適切な人員配置は行えず、またある特定の人間だけが知れるような仕組みだと、客観的に正しい配置なのか分からなくなってしまいます。


適性・スキルの把握

社員一人ひとりの能力や経験だけをみるのではなく、それぞれの適性についても見ておくと良いでしょう。スキルのように目に見えるデータではありませんが、その社員の強みや弱みが発見できるため、人員配置において必ず役に立つでしょう。例えば「採用面接時の印象」「資格の取得歴」「どの程度研修を受けているか」「1on1などの面談評価」「異動履歴」などが参考になるかと思います。いつでもそういった情報を取り出せるように、あらゆるデータは一元して残しておくことをおすすめします。


希望・要望のヒアリング

こちら側からどこの部署に配置するかを一方的に決めるのではなく、前もって従業員にヒアリングすることをおすすめします。例えば、「今担当している業務に対する不満や疑問点はあるか」「他に担当してみたい業務や部署はあるか」「人事評価の基準に不満はあるか」を、1on1面談を通して聞くとよいでしょう。実際に社員から要望があった場合は、それを参考にしつつ人員配置を行うと不満を減らすことにつながるかもしれません。


効果の確認

必ず人員配置後には、その効果をチェックするようにしましょう。やりっぱなしでは何も改善されない上に、たとえ効果があったとしても「何が良かったのか」が分からなければ、次に活かすことができません。例えば、「業務効率やエラー率はどう変化したか」「社員の満足度はどう変化したか」「業務に対する人員の数は適切か」「部署における人間関係は良好か」などが確認すべきポイントとして考えられます。そして、気づいた点を反省点として取り上げ、次の人員配置に活かし、再びサイクルを回すようにしましょう。


人員配置の種類

「人員配置」と言ってもさまざまな種類に分かれているため、一概には言えません。大きく分けると5つの種類に分類することが可能なので、以下でご紹介します。


人事異動

人員配置の最も知られている種類として「人事異動」があります。その他の部署や支社への移動によって、労働環境が変わる点が大きな特徴です。異動を行う際には、社員の能力や経験などを考慮して行われます。


組織体制の変更

企業全体を大きく変化させるものとして、組織体制を変更するための人員配置が行われる場合があります。会社全体の利益や効率性を改善させるために、ベンチャー企業やスタートアップ企業などでよく行われる傾向にあります。当然、組織全体を改革することになるため、大きく失敗するリスクも伴う点に注意しなければなりません。


役職の変更

従業員を昇格させたり、降格させるような「役職の変更」も人員配置に含まれます。ただし急に役職を変更することはできず、空いた穴を埋められるような教育や引き継ぎを行なってからになります。また役職が変わることによって、チームメンバーの関係性などが新たになるため、そういった影響が業務に関係する可能性もあるでしょう。


採用

新入社員の採用や中途採用において、新しく社員を募集する採用についても人員配置として定められています。例えば新卒採用の場合は、あらかじめ「募集する人材に求める条件は何か」「採用人数は何人か」「自社に必要なのは具体的に何のスキルなのか」を考えておき、採用後の部署の配置で方針が定まっていないというような事態は避けなければなりません。


解雇

自社の従業員を活用することだけが人員配置ではありません。社員の解雇も計画的に行う必要があり、「どういった基準で何人まで解雇するか」をよく考えておく必要があります。社員のリストラは他の社員への影響を特に考慮する必要があり、頻繁に行うような事態を防ぐためにも、やはり計画段階でよく練る必要があります。


人員配置を行うメリット

業務の効率化や人材の活用などさまざまな例を取り上げましたが、メリットとしては以下の3点に大きく分けられます。それぞれ解説していきましょう。


人件費の削減

人員配置では割り振る人数を適正化するため、各部署や業務に必要な従業員の数を見直すきっかけになります。これまでは10人担当させていたところを7人で成り立つことが分かれば、その分別の業務に移させることができ、結果的に人件費の削減に繋がります。人件費を削減することで、会社の利益を向上させることができ、組織目標の達成も同時に目指しやすくなるでしょう。


業務効率の向上

適切な人材の配置を行うことによって、社員のスキルを活かした業務に充てることができるようになり、結果的に業務効率が改善される場合が多いです。当然業務内容によっては必要な能力が異なるため、従業員がどのようなスキルを持っているのかを把握しておけば、その業務に最適な人材を容易に見つけることができるでしょう。


従業員満足度の向上

各社員に合った業務を担わせることができる他、事前にヒアリングしたニーズに合った配置を行うことができる点もメリットと言えるでしょう。当然、社員が希望しない部署や業務を担わせてしまうと不満につながり、従業員の満足度はなかなか向上しないでしょう。

頻繁に行う事によるデメリット

次にデメリットについて、大きく分けて2点解説します。


従業員のスキルが伸びない

他部署への異動など頻繁に行うことにより様々な経験を積むことができるのですが、その反面スキルがなかなか身に付かないケースが多いです。1つの業務を長い期間こなすことでスキルを身につけるのが一般的なのですが、経営方針が定まらないまま何度も人員配置を行なってしまうと、スキル習得の機会を失ってしまいます。


直接売上に影響しない

適切な配置を行うことにより業務効率の改善と利益率の向上は狙えますが、売上には直接つながらないという点は覚えておきましょう。あくまで人件費の削減や効率性を上げることを目的とした人員配置を行うことをおすすめします。


まとめ

適性に沿った人員配置を行うことによって業務効率を高めることができ、人件費の削減と企業の収益性を改善することができます。最後に解説したデメリットをカバーするために、従業員のニーズを無視することなく、あまり頻繁に配置転換を行うことは推奨しません。重要なことは何度も配置を行う必要をなくすために、事前に計画を綿密に立てておくと良いでしょう。