失敗しないタレントマネジメントのための3つのポイント~第4回(能力開発と個人面談プロセスの確立)
標準的なスキル定義と会社の求める人財像定義ができあがっても、実際の個々の社員のスキル(タレント)を向上させるための能力開発目標制度がなければ、絵に描いた餅で終わってしまいます。
能力開発目標制度の具体的な中身は、研修、資格取得、個人面談などから構成されます。このような具体的な制度を公表することで、社員のキャリアパスへの信頼と自己啓発意欲の促進が期待できます。
クラウド型タレントマネジメントシステムスキルナビの場合、各社員が自分の希望するキャリアパスを登録し、ステップアップに必要なタスクレベル、あるいは現在不足しているスキルを自覚し、自らスキルアッププランを考えることができるようになっています。
以下の図は、スキルナビで自身のキャリアパスを設定する画面の例です。この例では、「リーダー職」のM1をめざし、その後「マネージャ職」のM2、M3を目指す順序指定がされています。
さらにスキルナビでは、研修講座の受講申請や受講履歴を管理することができます。スキルナビでは、個々の研修に対して、効果が期待できるスキル項目が紐づけられています。そのため、研修の受講履歴とスキル管理で入力される判定結果から、その研修がタレント(スキル)の向上に寄与した効果を分析することができます。
以下の図は、スキルナビで管理される研修受講履歴と関連スキルの評価データを外部出力し、Excelで分析した画面の例です。この例では、横軸に評価実施時期を、凡例に受講者を取り客観評価の値を集合縦棒で表示しています。この画面から、個人差はあるものの研修の効果は時間を経るに従って表れてきていることがわかります。
能力開発目標制度がうまく運用されることで、人事部門にとっても、マネジメントと専門職のパスを明確にし、いずれも最高キャリアへの目標設定を可能にすることで有望人財の流出を抑えることが期待できます。また、個人面談実施記録を一元管理することでマネジメント異動によるコミュニケーションの断絶を回避できるため帰属意識の高揚が期待できます。
以下の図は、スキルナビで管理される個人面談実施記録の表示画面の例です。ユーザー、すなわち社員側のコメントは社員本人、あるいは上司のどちらからでも入力可能です。また、マネージャ、すなわち上司側のコメントは、社員に対して公開、非公開のどちらでも設定することができます。
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第1回(総論)
第2回(標準化されたスキル定義)
第3回(会社の求める人財像定義)