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「テレワークが始まり、今までの評価項目ではうまくいかない・・・」テレワークの評価項目の問題と6つの施策を紹介!

テレワークの評価項目の問題と6つの施策

新型コロナウイルスの影響を受けて急遽テレワークを導入し、
評価項目に課題を抱えているという担当者の方も多いでしょう。

今回の記事では、テレワーク導入後に問題となっている評価項目の課題、
そして、実際に行われている課題の解決方法について紹介しています。

この記事を読めば、問題に感じている評価項目の課題解決につながるでしょう。

新型コロナウイルス感染拡大で生まれたテレワーク

もともと2020年はオリンピックイヤーで、テレワーク活用を考えていた企業もありました。
しかし、それまでテレワークなんて聞いたことなかったという方がほとんどですよね。

2020年春。国からは「通勤者の7割減」という通達が出され、
多くの企業がテレワークやテレワークと出社の交互勤務を余儀なくされました。
テレワークとはICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる働き方のことです。
モバイルワーク、サテライトオフィス勤務、在宅勤務があるといわれていますが、
新型コロナウイルスの影響を受け、主に在宅での勤務となりました。
特に、情報通信業や金融・保険業の移行は顕著です。

今後も感染が落ち着いても、賃貸オフィスの契約を解除した企業もあり、
在宅での業務が進んでいくと考えられています。

テレワークの評価制度、労務管理に関する問題

「テレワークが始まり、既存の評価制度では評価することが難しくなった」
「人事や労務の担当者自身もテレワークとなり、労務管理に対してスピード感がなくなった」
ということは珍しい話ではありません。

ここでは、実際にテレワークを実施したことで起きていることを
現場の体験談をもとに詳しく紹介していきます。

勤務態度の評価が困難

「テレワークが実施されたことにより勤務態度での評価ができなくなった」
という声が上がることは少なくありません。

以下のような体験談もあります。
「上司として、今まで同じオフィスの近い距離で仕事をしていました。
部下の仕事内容や勤務態度などを逐一チェックすることは容易でしたが、
テレワークが導入されたことで部下がどんな状態で仕事をしているのか、
実際に勤務時間内でどんな仕事をしているのか確認・管理することが困難です。
今までしていた情意評価の評価項目についても自信がありません。」

こういった体験談からも分かるようにテレワークを実施した際
従業員の勤務態度を見ての評価は困難です。

評価方法や基準が曖昧

現状の評価制度では評価方法や基準が出社を前提として作られているので
評価する側が曖昧になるという声も上がっています。

具体的な体験談として、以下があります。
「今までの評価項目では社員同士の協調性があるか、社外の人間とも良好な関係を築けるかでした。
実際にテレワークになると、チャットや会議システムを使用してのやり取りが主です。
今まで対面での商談やメールや電話でのやり取りを基に評価していましたが、
それができないため、チャットや会議での評価を含めていいものか悩みます。」

業務上のチャットやweb会議システムでの対応を評価に加味するのかどうかは
評価する側からしたら悩む問題となり、曖昧な評価となってしまう可能性があります。

コミュニケーション不足

テレワーク実施に伴い、一番問題として挙げられるのが
上司と部下のコミュニケーションの不足だといわれています。

具体的な体験談として、
「今まで、オフィスに出勤していた時は、「あれはどうなった?」と気軽に聞けていたものが、
テレワークになってから、うまく報告や相談を受ける場を作れなくなりました。」
そのせいで、仕事を依頼してなかったという事態も。

今まで気軽に確認できたものがテレワークとなることで
コミュニケーションが不足することは容易に想像がつきますね。

手続きの滞り

人事評価に必要な書類の提出が遅れ、手続きが滞るという事態も発生しています。
テレワークの実施は人事部や労務担当者も例外ではありません。

具体的な体験談としては、テレワークを実施している時に限って印鑑が必要な書類が届いたり、
手書きの書類で印刷しないと作業ができない書類が届くことがあります。
そういう時は出社日まで手続きが遅延することも。

今までは紙を印刷してやっていた作業もテレワークでは難しくなることが想像できますね。

⇒評価項目について詳しく知りたい方はこちら

テレワークに適した人事評価の施策

上記で説明したテレワークを実施することで生じる問題点について
経験したことがあるという方も少なくないでしょう。
そこで、ここでは人事評価の問題点に対して実際に行われている具体的な解決策を解説します。

評価項目の明確化

チャットやweb会議のやり取りが中心となり、対面でのやりとりが減る中で
評価はますます成果や実績に頼ることとなり、偏りが出ることが想定されます。

その対策として、テレワークに合った評価項目の明確化が必要です。
具体的な例として、評価項目に一日に一回web会議ツールを使用し業務の進捗確認をすることや、
定期的にカメラをオンにした面談を使用してのプロセス管理を追加したことで、成果や実績に頼ることのない評価が可能となります。

社内全体でテレワーク時の評価項目を明確化するために話し合うことも重要でしょう。

評価方法を統一する

テレワークを実施した際、特に注意点もなく同じ評価方法を実施します。
すると評価者によっては、成果だけを見る評価をする場合や
プロセスと実績を見る場合など公平ではない評価をする可能性があります。

具体的には会社の理念や行動指針を会社の評価に落とし込み、統一の評価基準とした例があります。
会社への貢献度を基準としたバリュー評価と呼ばれるものです。
さらに、人事評価システムを導入して評価全体を見える化する仕組みを作った企業もあります。

従業員にとって不公平感がないシステムを作ることが重要だといえるでしょう。

わかりやすい評価目標の設定

職種ごとにわかりやすい評価目標を設定している例もあります。

具体的には、営業でいえば商談の数、月の売上粗利目標に対して何%達成したかの達成率。
数では評価目標の基準としにくい事務系職種については
コスト削減や業務の効率化などを基準としている企業もあります。

より具体的な数字における評価目標を設定すると、従業員のモチベーションアップにもつながります。

人事評価プロセスの工夫

人事評価のプロセス自体をテレワークに合ったやり方に変更した例もあります。

具体的に、人事評価を今まで複数人がエクセルや紙を使用してまとめていた企業では
人事評価システムを利用し、オンライン上で情報共有できる仕組みに変更したケースです。

評価者もテレワークをするということを前提とした変更も求められますね。

部下が自己PRできる機会を設ける

評価される側である部下が自分の業務についてPRをするシチュエーションを設けた例もあります。

具体的には、部下自身が自分のやった成果やプロセスをPRするため、月ごとに月報を提出し、評価者はそれを見て評価の基準の1つにするというケースです。

自分自身のやった業務を振り返ることで課題が見え、自分自身の成長にもつながります。

裁量労働の可視化ができる仕組み作り

テレワークにあたり「裁量労働制」を導入した企業もあります。
「裁量労働制」とは、実際に働いた時間に関係なく契約した労働時間分の契約の制度となります。
ただ、制度を導入するにはきちんとした人事評価のルールを作る必要があり、
1人の従業員に負担がかからないようにする工夫が必要です。
テレワークではより労働状況がわかりにくく、より注意が必要となります。

まとめ

テレワークが実施されてから、評価制度の悩みを抱えている企業の担当者の方は多くなっています。
今回紹介した6つの具体的な施策を利用し、
自社に合った評価項目の構築をしていただけましたら幸いです。