生産性三原則とは?意味や目的を解説
近年のビジネスにおけるキーワードとして注目されているのが「生産性」です。ただ実際にはそれがどういった意味なのかわからない方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は生産性という言葉の意味と、生産性三原則におけるその目的について解説していきます。
生産性とは
昨今ではテレビのニュースでも労働生産性について話題になっています。
生産性は、限られた時間の範囲内でどれくらいの結果をあげることができたのかの程度です。今やっている仕事の問題点についてきちんと見直し、それをより良くしていき、効率よくさせる一連の流れを生産性を向上させると言います。
今日まで多くの企業では限定的な資源や人材を活かして生産性をいかに伸ばしていくかの模索が続けられています。
長時間労働や非正規雇用待遇の改善が問題とされる中で、その重要性についてきちんと考えていくことが求められています。
生産性運動とは?
生産性という言葉が広まったきっかけとして生産性運動があります。第二次世界大戦が終結した後、戦争の影響で経済が大きく落ち込んだ国々では、戦勝国かつ、資本主義国最大の成功例であるアメリカの優れた経営手法を学び、それを応用して経済を立て直すために労働運動を広げていきました。
それを受けて日本でも1955年に、生産性運動を計画、実行するための組織である日本生産性本部が設立され、本格的に労働生産性の向上に乗り出すことになりました。
生産性三原則とは
国内おいて展開されることになった生産性運動では運動展開をしていくための重要な定義を記述した、生産性三原則が日本生産性本部により提唱されることで、多くの企業の理念や経営方針に影響を与えることになりました。
雇用の維持・拡大
会社において生産性を上げることの理由は、雇用を守ること・それを増やすことだ大切だという考え方です。ただし、理想とされる数以上に従業員が多すぎるについては他の部署への配置転換や関連企業への出向など会社において必要な措置を講じることにより、官民が協力し合いながら適切な水準にしていくことが必要としています。
労使の協力と協議
生産性を向上させるための具体的なやり方については、企業ごとに置かれた現状を踏まえて、会社と従業員で相談し合いながら、実施に向けて協力していく必要があるとしています。
成果の公平分配
生産性を上げることでによって達成された成果の受益者は会社にいる側に限られません。それを購入する立場の消費者に対しても利益が必ずもたらされるように努力を尽くすことが求められています。
まとめ
高度経済成長期において提唱された生産性三原則では、官民一体での雇用維持、労使との協調、そして消費者への公正な利益分配が提唱されてきました。
少子高齢化に伴う人手不足やコロナ渦における経済への影響から、企業の生産性を大きく伸ばすことがより注目されています。生産性三原則の観点から企業の付加価値を高めていきましょう。