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離職率の計算方法とは?離職率の定義と離職率を下げるための対策

離職率 計算

「離職率」というと、企業の働きやすさの基準になる数値というイメージがあります。
離職率が高いからといって必ずしもその企業が働きにくいということにはなりません。ですが「離職率が高い=働きにくい、労働環境に問題がある」というイメージを持たれやすくなることは確かです。また離職率が高いと人財育成の障害となることもあります。

そんな離職率ですが、実は離職率の定義や計算方法は法律で規定されていません。
そのため各企業によって定義、計算方法は様々です。今回は多いケースをご紹介した後、離職率が高くなる要因と対策をご紹介します。

離職率の定義

一般的に多くの企業では、離職率は「一定の期間において、在職している人に対して退職した人の割合」です。
この「一定期間」にも規定はありません。一般的には1年が多いですが、意図的に離職率を低く計算することもできるのです。極端な話3カ月でも、1カ月でも問題ありません。
ちなみに、総務省統計局などの公的な機関の資料では、この一定期間は1年に定められることが多いです。

⇒離職率について詳しく知りたい方はこちら

離職率の計算方法

企業で採用されることの多い計算方法は、「一定期間に退職した人数を、起算日に在籍していた人数で割る」というものです。
例えば、100名の企業で、1年間で10名が退職しました。この場合、退職者10名÷起算日における在籍者100名×100=年間離職率10%となります。

100名の企業における1年間の離職率計算イメージ

離職率を見るときは、計算方法や期間によって数字が変わるということを理解しておきましょう。

離職率が上がる原因

離職率が高い要因には、以下の5つが挙げられます。

  • 平均年収が低い
  • 残業が多い、休日が少ない
  • 人事評価制度が整備されておらず、評価に不満を感じる
  • 人間関係において働きずらさを感じている。
  • 企業に将来性がない。スキルアップが見込めない。

もしも上記に心当たりがあれば、放置しておいてはいけません。離職率が高いと人材が定着しない→人材が育たない成果が出ない残業が増える&給与が上がらないといった悪循環が生まれてしまうでしょう。
もちろん離職の理由は人それぞれです。企業に求めるものも人それぞれですから、例えば平均年収は低くともスキルアップが望めれば、その人はいい企業だと評価することもあります。一方で平均年収さえ高ければ労働環境は妥協するという人もいるでしょう。

離職率を下げる施策

離職率を下げるためのポイントは4つです。

1:労働時間の管理

社員の労務管理を行うことが重要です。働きすぎていないか、仕事量に偏りがないか、しっかり把握し管理しましょう。正しい人事評価にもつながります。

2:福利厚生の充実

社員が働きやすい環境を作りましょう。例えば育休制度がないと、結婚や出産の際、「働きづらい」と退職してしまうかもしれません。社員の価値観は1人1人異なりますし、企業に求める手当もそれぞれです。社員全員が納得するような、完璧な福利厚生を備えることは難しいです。しかしだからこそ、充実させようという意識を持つことが大切です。

3:採用時のすり合わせ

採用を行う際、企業理念だけでなく、社風や福利厚生、企業としての取り組み、昇給などを明確に説明することで「思っていた働き方ではない」となってしまうことを防止できます。特に休暇や給与については人間が生きていく上で大切なことなのに「触れない方がいい事」のようになってしまっています。企業から説明することで自分の働く姿をよりイメージしやすくなります。

4:社内環境

社内の環境は離職率に強く関係する要素です。
厚生労働省による令和元年の雇用動向調査結果の概況によると、女性では11.8%、男性では7.7%もの人が、「人間関係に問題があった」という理由で退職しています。
自社の環境を見直し、改善することで、人材の定着につながるでしょう。

離職率のデータをもとに分析することが大切

離職の理由がさまざまであること、またあくまでも傾向であることを踏まえるとともに、離職率のデータを見る際は、そのデータに使われている期間、計算方法などにも気を付けて分析すると良いでしょう。

データ分析と行い、離職率を下げるためにはタレントマネジメントシステムの導入がおすすめです。スキルナビはデータを蓄積し、最適配置をシミュレーションできます。